
昨年末、「トッカン(特別国税徴収官)」という、チョット変わったビジネス本の読書感を私のブログで紹介しましたが、
今回はビジネス関係で似たようなカテゴリーの小説で「投資ミサイル」という本です。
「トッカン」も「投資ミサイル」も、堅苦しくなりがちで、
最後まで読めない事が多いビジネス書をライトノベルのように
気軽に読め、最後にはビジネスのエッセンスがなんとなく習得できるという新しいカテゴリーの小説です。
「投資ミサイル」は竹内謙礼、青木壽幸両氏の共著で「会計天国」に続く、最後まで読めると銘打ったビジネス書の2弾目である。
・「トッカン」 2010/12/17
・「会計天国」2009/08/07付けブログ参照ください。
さて、この「投資ミサイル」の概要だが、
年下のひもであるミュージシャンの彼氏を持つ主人公:キャリアウーマンの明道美穂は30歳、課長に昇進したばかりであるが、
勤める倒産危機にある会社に銀行から取締役として派遣されてきたのはロボット。
美穂はこのロッボト取締役の感情を排した指導のもと、投資知識を学びながら、会社を再建していくというストーリーである。
投資といっても、単に株式投資という限定された内容でなく、
事業計画の立て方、経営戦略、株式投資、ポートフォリオ理論、
CAPM理論、不動産投資、プロスペクト理論、
そして、もっと広い意味での、人生における投資についてまで美穂はこのロボット取締役のもとで学んでいく。
ロボットから、美穂が学んだ投資知識の一例は
「会社が競合他社に勝つための3つの競争戦略は」
・コストリーダーシップ戦略:価格競争で負けないように、
業界で大きなシェアをもつこと
・差別化戦略:ブランド、技術、顧客サービスで、他社と
差別化すること
・集中戦略:特定の分野にターゲットを絞る戦略のこと
「投資をすることは」
・意思決定に対する事故責任を持つことになる
・経済や社会の情報に敏感になる
「株式投資は割の良いギャンブルである」
日本の合法的ギャンブルは胴元に、
・パチンコ 20%
・競馬 25%
・宝くじ 50%
のお金が入る仕組みだ。
それに対して、株式投資は、証券会社に払う手数料だけの、
割の良いギャンブル。
「期待利回り」
・国債の期待利回り 2%
・インデックス投資の期待利回り 6%
ローリスクローリターンの代名詞、国債の期待利回りは2%で、
それ以上の期待利回りのある金融商品は、それ見合ったリスクが存在することを念頭に入れるべき。
そして最後に、ロボット取締役が美穂に教えた大切なことは
「一番大切なことは、それは投資だ。いつも保守的で、安全な人生を選ぶより、リスクが大きくなったとしても、自分が本気でやりたい目標を見つけたら、人生を賭けてもやるべきだ」
であると結んでいる。
何も経済のことを知らなかった美穂がロボット取締役によって、
事業計画、株、不動産投資の真髄を指導され、
成長していくと共に、我々読者も知らず知らずに勉強が来てしまう。
美穂と感情を表に出さないロボットの掛け合いも心憎くほんのりと楽しめ、ホロリとされるところもあり物語としても十分楽しめる。
さて、話が変わるが、この小説は普通の書籍とし発刊されるとともに、最近の流行の電子書籍としても同時に販売されている。
電子書籍は「電子書店パピレス」で購入できる。
紙書籍だと1,300円、電子書籍だと600円(共に税抜き)だ。
廻し読み等が出来ない電子書籍のこの価格は妥当であるかは,
今後の市場が決めると思うが、読書好きの私としては、
従来の紙書籍の感覚を愛してやまないわけである。
しかし、電子書籍の良さにも興味津々なのだが、
工業品の外国製のものは買わないという偏狭な拘りのため中々購入しなかったが、
最近シャープのGALAPAGOSが発売されたので、即購入した。
本は今まで通りの紙の書籍の方が頭に残るし、感情導入し易いのだが、年をとると、小さな文字や、暗くなると大変見にくくなるのが困り者だが、電子リーダーはそれを解決してくれるのがうれしい。
しかし、一番のメリットは日経新聞WEB版が自動配信され、
インターネットも簡単に閲覧でき、
ベッドで寝る前にニューヨーク市場のチェックと、
朝起きて素早くニュースを確認できるのがうれしい。
国内、海外のどこでもデーター通信が出来るように、
ドコモのWI-FI/3G通信機器購入とデーター契約をしてしまいました。
せっかく「投資ミサイル」を読んで、投資のあるべき姿を勉強にしたのに、外出先でどのくらい利用機会があるのか、その効果も見極めず、衝動的購入でした。
実践は中々難しいものです。