
今週23日に東京での所用を果たして、14日ぶりにメキシコ・ソコロ諸島のダイビングから無事帰宅しました。
ソコロ諸島はメキシコ・バハカルフォニア半島の先端にあるロス・コボよりクルーズ船で約450km、丸一日南下して漸く到着する太平洋の真っ只中にぽつんと浮かぶ、4つの島からなる絶海の孤島だ。
関西からだと、伊丹から成田へ、そして米国ロサンゼルス経由メキシコ・コボへ飛ぶ。
コボに一泊して、そこからクルーズ船でソコロ諸島へ。
実に日本(成田)を出て55時間かけてやっと辿り着ける超交通の不便な場所にあるダイビングサイトだ。
それ故、人の手が全くかかわらず、古来より変化の無い自然そのものが我々のダイビング舞台だ。
このようなワイルドで手間と時間がかかるイビングに魅せられ、集まったダイバーは皆半端な人たちではなかった。
今回のダイビングツアーのメンバーは、
我々日本人グループのために派遣された、コボでダイビングインストラクターをしている女性ガイドを含め日本人9人に、ヨーロッパなどから参加した外人9名だ。
日本人のメンバーはつわものばかりだ。
30年以上のダイビング経験を持つ、ダイビング本数は1500本を超えるS氏、サラリーマンだが、非常勤のインストラクターもこなす2000本を越すN氏。
世界の海を潜る水中カメラマンで昨年と今年と連続でソコロクルーズをレポートするM氏、
年に一度の長期休暇を有効に使いワイルドなダイビングに挑戦するJ氏。
さらに15歳の時日本を飛び出し、オーストラリアで料理を勉強する傍ら、ダイビングマスターを取得したM氏。
今回は仕事を中断し、アメリカ旅行中からの参加の異色の若者だ。
極めつけは、若いながら既に世界の殆どの有名なダイビングポイントには行ったと言う、紅二点のH嬢とT嬢だ。
私が、遠く体力的にも躊躇している、ガラパゴス、ココ島などはとうの昔に経験済みで、
H嬢などは既にガラパゴスには三度も行き、そして今回のソコロと超ワイドなダイビングに魅せられたスーパーレディーだ。
ダイビング経過がやっと5年チョットの私などは本当にヒヨコだ。
このようなつわもの達を惹きつけたソコロ諸島のダイビングは、結論的には私にとっては透明度が良くなく“大満足”というわけにはいかなかった。
二年連続で参加したカメラマンM氏によると、昨年は透明度は良かったが、流れ、うねりが強く船酔いする人も続出で、今回のように透明度はいまいちだが、波は無く、穏やかな快適な船上生活が出来るのもいいものである。
と言っていたが、彼自身、レポート用のいい写真が撮れるかチョット心配だと洩らしていた。
さて、ソコロ諸島は4つの島からなるが、通常サンベネディクト島、ロカバルティダ島、ソコロ島の3島をめぐるダイビングだが、
ソコロ島は有人島で軍の施設があり、軍事訓練があるときダイビングは出来ない。
今回も軍の訓練があるためか、ソコロ島でのダイビングは出来ず、残りの2つの島の近辺でダイビングをすることになった。
最初に訪れたサンベネディクト島は1952年生まれたドーム状の山に無数の小さな渓谷に覆われている特異な形状した火山を持つ島だ。
比較的流れは穏やかで、クジラのハミングをBGMにダイビングをする贅沢を味わい、巨大ハンマーヘッドや人を恐れない人懐こいマンタとは何度も遭遇できた。
そのほかにもホワイトチップ、シルキーシャーク、ギンガメやイソマグロの群れなどにも見かけたが、透明度が悪く水の壁に隠され、画面いっぱいの大群というわけには行かなかった。
船の上からはクジラのブリーチングや親子づれのザトウクジラがあちらこちらで目撃でき、
何度か小さなボートでポイントへ移動する際、水中でホエールウオッチしようと飛び込んだが見ることは出来なかった。
次に訪れたのがサンベネディクト島より約7時間の航海のロカパルティダ島。
この島も中央がぱっくり割れた異様な形の島だが、水中は断崖絶壁のようなドロップオフが70~80mも落ち込むダイナミックなポイントだ。
島を中層で周回する間に遭遇する生物はなんといってもサメ。
ホワイトチップシャーク、ハンマーヘッドシャーク、シルキーシャーク、ガラパゴスシャークなどなどを見ることができた。
残念ながらやはり透明度が悪く、壁のような群れには遭遇できなかったが、各生物は大型で、数匹でもその威圧感はビシビシ伝わってきた。
遠めにはクッキリしなかったが、隙間ないカツオの群れが流れ去り、それ追おうように大型種が飛び去るのも圧巻であった。
と、透明度が悪いと文句を言いながらソコロの豪快なダイビングを堪能したわけであるが、
もしもっと透明度が良いときに潜ったらどんなであったろうと想像すると、ここの底知れない脅威のダイビングの一部を垣間見た感がした。
以上がソコロ諸島ダイビングの概要だが、詳細は少し遅くなりますがホームページに掲載します。