My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

2011年02月

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今週23日に東京での所用を果たして、14日ぶりにメキシコ・ソコロ諸島のダイビングから無事帰宅しました。


ソコロ諸島はメキシコ・バハカルフォニア半島の先端にあるロス・コボよりクルーズ船で約450km、丸一日南下して漸く到着する太平洋の真っ只中にぽつんと浮かぶ、4つの島からなる絶海の孤島だ。

関西からだと、伊丹から成田へ、そして米国ロサンゼルス経由メキシコ・コボへ飛ぶ。

コボに一泊して、そこからクルーズ船でソコロ諸島へ。

実に日本(成田)を出て55時間かけてやっと辿り着ける超交通の不便な場所にあるダイビングサイトだ。

それ故、人の手が全くかかわらず、古来より変化の無い自然そのものが我々のダイビング舞台だ。


このようなワイルドで手間と時間がかかるイビングに魅せられ、集まったダイバーは皆半端な人たちではなかった。

今回のダイビングツアーのメンバーは、
我々日本人グループのために派遣された、コボでダイビングインストラクターをしている女性ガイドを含め日本人9人に、ヨーロッパなどから参加した外人9名だ。


日本人のメンバーはつわものばかりだ。

30年以上のダイビング経験を持つ、ダイビング本数は1500本を超えるS氏、サラリーマンだが、非常勤のインストラクターもこなす2000本を越すN氏。

世界の海を潜る水中カメラマンで昨年と今年と連続でソコロクルーズをレポートするM氏、

年に一度の長期休暇を有効に使いワイルドなダイビングに挑戦するJ氏。

さらに15歳の時日本を飛び出し、オーストラリアで料理を勉強する傍ら、ダイビングマスターを取得したM氏。
今回は仕事を中断し、アメリカ旅行中からの参加の異色の若者だ。

極めつけは、若いながら既に世界の殆どの有名なダイビングポイントには行ったと言う、紅二点のH嬢とT嬢だ。

私が、遠く体力的にも躊躇している、ガラパゴス、ココ島などはとうの昔に経験済みで、
H嬢などは既にガラパゴスには三度も行き、そして今回のソコロと超ワイドなダイビングに魅せられたスーパーレディーだ。

ダイビング経過がやっと5年チョットの私などは本当にヒヨコだ。


このようなつわもの達を惹きつけたソコロ諸島のダイビングは、結論的には私にとっては透明度が良くなく“大満足”というわけにはいかなかった。

二年連続で参加したカメラマンM氏によると、昨年は透明度は良かったが、流れ、うねりが強く船酔いする人も続出で、今回のように透明度はいまいちだが、波は無く、穏やかな快適な船上生活が出来るのもいいものである。

と言っていたが、彼自身、レポート用のいい写真が撮れるかチョット心配だと洩らしていた。


さて、ソコロ諸島は4つの島からなるが、通常サンベネディクト島、ロカバルティダ島、ソコロ島の3島をめぐるダイビングだが、
ソコロ島は有人島で軍の施設があり、軍事訓練があるときダイビングは出来ない。

今回も軍の訓練があるためか、ソコロ島でのダイビングは出来ず、残りの2つの島の近辺でダイビングをすることになった。


最初に訪れたサンベネディクト島は1952年生まれたドーム状の山に無数の小さな渓谷に覆われている特異な形状した火山を持つ島だ。

比較的流れは穏やかで、クジラのハミングをBGMにダイビングをする贅沢を味わい、巨大ハンマーヘッドや人を恐れない人懐こいマンタとは何度も遭遇できた。

そのほかにもホワイトチップ、シルキーシャーク、ギンガメやイソマグロの群れなどにも見かけたが、透明度が悪く水の壁に隠され、画面いっぱいの大群というわけには行かなかった。

船の上からはクジラのブリーチングや親子づれのザトウクジラがあちらこちらで目撃でき、
何度か小さなボートでポイントへ移動する際、水中でホエールウオッチしようと飛び込んだが見ることは出来なかった。


次に訪れたのがサンベネディクト島より約7時間の航海のロカパルティダ島。

この島も中央がぱっくり割れた異様な形の島だが、水中は断崖絶壁のようなドロップオフが70~80mも落ち込むダイナミックなポイントだ。

島を中層で周回する間に遭遇する生物はなんといってもサメ。

ホワイトチップシャーク、ハンマーヘッドシャーク、シルキーシャーク、ガラパゴスシャークなどなどを見ることができた。

残念ながらやはり透明度が悪く、壁のような群れには遭遇できなかったが、各生物は大型で、数匹でもその威圧感はビシビシ伝わってきた。

遠めにはクッキリしなかったが、隙間ないカツオの群れが流れ去り、それ追おうように大型種が飛び去るのも圧巻であった。


と、透明度が悪いと文句を言いながらソコロの豪快なダイビングを堪能したわけであるが、

もしもっと透明度が良いときに潜ったらどんなであったろうと想像すると、ここの底知れない脅威のダイビングの一部を垣間見た感がした。

以上がソコロ諸島ダイビングの概要だが、詳細は少し遅くなりますがホームページに掲載します。

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ソコロ諸島・・メキシコのガラパゴス等と言われているが、メキシコ、カルフォルニア半島の先端にあるカボサンルーカスというおしゃれなリゾート港町から約450キロ南下した場所にある。

私がソコロ諸島へのダイビングを考え始めたのは昨年の「月刊ダイバー9月号」の特集記事がきっかけであった。


その記事によると

「可能性は無限大!! 
メキシコ カリホニア半島の先端にある港からクルーズで約24時間かけてようやくたどり着く絶海の孤島。

アクセスが不便でもダイバーを魅了し、訪れるダイバーが後を絶たない海。

人を怖がらず、ぎりぎりまで近寄って一緒に遊んでくれる
6m以上のジャイアントマンタ、船から見かけるザトウクジラの親子、わくように現れるハンマーヘッドの群れとの感動の出会い・・・。」


昨年9月末に仕事をやめ、
遠くても大好きな大物のポイントにも行けるようになったため、
まず考えたのがガラパゴス諸島やココ島であった。


ガラパゴス諸島はエクアドル共和国の太平洋岸から約1,000キロ離れた太平洋上の赤道直下にあり、ダーウィンの進化理論「種の起源」で一躍有名になった島で観光的にも人気が高い島だ。

ココ島は中米のコスタリカ本土から南西550Km、
東太平洋上に浮かぶ孤島で、断崖絶壁が取り囲み、熱帯雨林に覆わる世界最大の無人島だ。
島全体が国立公園に指定されており、映画「ジュラシック・パーク」の舞台になり有名になった。


ガラパゴス、ココ島とも世界的なダイビングクルーズ地で、
特に、ハンマーヘッドの群が有名で、ダイバーなら一度は訪れたいと思うダイビング聖地である。

しかし、両ポイントとも、交通が不便で、さらに環境保護のため訪問者を制限していることもあり希望しても中々行けない。

一年がかりの計画が必要だし、費用もかなりかかる。


そんな中で見つけたのが前述のダイビング雑誌に載ったソコロ諸島であった。

早速、広告を出している旅行会社にコンタクトしてみると、
雑誌の特集記事の反響は大きく、かなりの人から問い合わせがあり、急がれたほうがいいかもとのこと。

コンタクトしたのが9月末、予約金振込みが10月15日、
残金振込みは10月28日までで、ツアー料金は40万円弱であったが、
燃油サーチャージ、空港税など諸々で47万円ほどだ。

ガラパゴス、ココ島のように1年前の計画と違うが、ソコロの場合でも4ヶ月前の予約であった。


外国のクルーズ船のキャンセルクローズは一般的に厳しい。

今回の場合でも、自己都合でキャンセルすると、払い込んだ時点で70%、2ヶ月前で80%の取消料金がかかる。


仕事を止めたといえ、この年になれば色々ある。
風邪も引き、怪我もするかも知れなく、不測のことも
起るかもしれない。

契約してから今日まで、約4ヶ月間。

体に気をつけ、無理もせず、何とか無事出発するまでに漕ぎ着けることが出来ました。


ただ、この間ただじっとしていたわけではなく、
ソコロは外洋の真っ只中で、流れも強く、深く、一日4本も潜る体力勝負みたいなところもあるため、
衰える体力を何とか維持しようとかなり色々励みました。

週3回はジムに通い、約10kmのランニングとエアロビックス、
そして疲れにくいダイビングのためにナイトロックスSP
(2010年11月21日付けブログ参照ください)の取得等準備を重ねてきました。


さて、ソコロ諸島のダイビングは一体どんなものかというと、

ソコロ諸島という言い方はダイブクルーズ会社が「呼びやすさ」から名づけた名で、正しくはレビリャヒヘド諸島と言い、
ベネディクト島、ソコロ島、ロカ・パルティーダ、クラリオン島の4つの島々から成っており、太平洋プレートとココスプレート間の
東太平洋海嶺近くある火山島である。

深海をゆっくりと流れる「深層流」は大西洋のグリーランド沖で沈みこみ、深海を移動する途中ミネラルなどを豊富に含み2000年もかけてアメリカ大陸で湧き上がり表層流となり赤道へ向かって南下する。

ソコロ諸島はその途中にあり、この栄養豊富な海域には丸々太った大型の多くの回遊魚の群れが集まる。

しかし、ダイビングは天候の関係から、11月から5月までの期間限定なのだが、6mものジャイアントマンタをはじめ、ハンマーヘッド、そしてザトウクジラがこの時期子育てのためにこの海域にやってくる。

船の上からはブリーチングする姿や親子クジラの仲むつまじい姿を見ることができ、ザトウクジラの鳴き声をバックミユジックにダイビングを楽しむことも可能だ。

そのほかジンベイ、バンドウイルカ、多数のサメ類などに遭遇が出来き、本当にダイナミックでエキサイティングなダイビングポイントなのだ。


それでは、期待に胸膨らまして行って来ます。

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クライブ・カッスラーのダーク・ピット シリーズの第20弾である。
カッスラの冒険アクション小説は登場人物によっていくつものシリーズがあるが、どのシリーズのストーリーも同じパターンだ。


埋もれていた歴史的事件、事故の遺跡や遺物(仮想であるが)が現代に甦り、善と悪が入り乱れて超人的アクションの争奪戦をするというパターンだ。

だが、カッスラーの小説にはいつも、優れた着想と豊かな構成、そして綿密な調査された歴史、最先端の科学技術を織り交ぜて話を展開おり、毎回、書店で見かけると購入してしまう。

今回の小説の内容は

地球温暖化が進み、北極海の氷も融け出し、
北西航路の開通と北極圏の資源の開発争いが展開される中、
石油価格の高騰に苦悩するアメリカは、カナダ領北極圏で発見された天然ガスを輸入する。

しかし、その直後に悪徳企業の陰謀により、領土問題ともなっていた北極圏の北西航路で、両国間に事故を発生させ、
一触即発の危機を迎える。

一方、アメリカの女性科学者が偶然に、ルテニウムというレアメタルが空気中の二酸化炭素を無害な物質に転換する人工光合成の効果的な触媒であることを発見する。

目的のために手段を選ばない悪徳企業は、女性科学者の研究所を爆破すると共に、ルテニウムの独り占めを狙う。

主人公ピットは、ルテニウムがカナダ領北極圏で165年前に北西航路発見のため出発し、行方不明となったジョン・フランクリン卿が率いるイギリス艦に積まれていた可能性に気づき、北西航路に向かう・・・・。


以上がストーリーの概要であるが、
この小説では「北西航路」が重要な歴史的背景として、
「人工光合成」が地球温暖化を救う最新技術として登場している。

北西航路は、

北アメリカ大陸の北側にあるカナダ北極諸島の間を抜けて太平洋と大西洋を結ぶ航路のことであり、
ユーラシア大陸の北側(ロシア沖)を通って太平洋と大西洋を結ぶ北極海航路(北東航路)と一対をなしている。

北西航路は大航海時代の16世紀以来、ヨーロッパとアジアを結ぶ最短航路になりうると考えられ、その発見に多くの探検家が挑んできた。

中でも、スペインとポルトガルより新領土獲得争いから
締め出された、イギリス・フランスなどが新航路発見に力を注いだ。
しかし、その環境は過酷で非常に多くの探検家が犠牲となり、
20世紀まで横断航海に成功した者はいなかった。

特に有名なものは本著にも登場する、1845年に出発したイギリス・ジョン・フランクリンによる北西航路探検隊129人の全滅である。

出発後、3年経っても探検隊は戻らず、数多くの救助隊や捜索隊が艦隊を組んで彼らの行方を捜して北極に向かったが、
さらに多くの遭難者を出す結果にり、
当時イギリスの大事件として注目された。


近年、温暖化により北極海は凍結海域が徐々に小さくなり、
夏になると海氷がなくなることも増えてきて、
2007年には北西航路が開通することになる。

このことは、北米からアジアへパナマ運河を通ることなく、
かつ航路が4割も短縮できるメリットがある。

だが、北極海は豊富な漁業資源に恵まれているうえ、
海底には原油、天然ガスやレアアースも大量に眠るため、
近隣諸国が排他的経済水域を主張し、ロシアなどは、
北極海は自国の大陸棚の延長である(わが国の近くに同じことを言う国があるが)として北極点の海底に国旗を立てるなどの国際紛争の元となりつつある。

北西航路に限って言うと、カナダは北極諸島内の北西航路を構成する海峡をすべて内水であるため領海であるとしているが、
アメリカなど北西航路に関係する諸国は国際海峡だと主張している。

この国際海峡への扱いが今回の小説のアメリカ・カナダの紛争の元になったのだが、
世界で15の国際海峡(有名なところではホルムズ海峡、マラッカ海峡など)があるが、日本にはそのうち5もある。

08年10月、駆逐艦など4隻が中国の戦闘艦として初めて津軽海峡を通過、太平洋側に抜けたと報道され、
吃驚したことを記憶しているが、津軽海峡は国際海峡の一つなのだ。


また、小説登場する人工光合成技術は、

植物が太陽光と二酸化炭素で酸素と糖を合成するプロセスを人工化しようとするもので、これからまだ先の技術のようだ。

先日の新聞(日経2011/1/19付)に
ノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏は、
国内の化学研究者ら120人以上を束ねて「人工光合成」の研究を始めると発表し、「オールジャパン」で、
代表的な温暖化ガスでもある二酸化炭素をエネルギーなどに変換できる効率の良い化学反応の実現を目指す。

とあった。

小説にあったルテニウム(実際に触媒の機能はあるが)のようなものが発見されれば画期的なことになるのだろう。

単なる冒険・アクション小説だが歴史、科学、海洋と広く知識を与えてくれる。


北極海レアメタルを死守せよ (上、下) クライブ・カッスラー著
 新潮文庫刊 各629円

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