
ラヤンラヤン島はマレーシヤ・ボルネオ島コタキナバルより西300km、南シナ海にある絶海の孤島である。
関西からはコタキナバルへの直行便が少ないためクワランプール経由で行くことになるのだが
関西/クアラルンプールそしてクアラルンプール/コタキナバル、コタキナバルから小型機でラヤンラヤンへと飛行時間だけでも合計10時間を越える工程だ。
時間的には午前11時関西を出発し、クアラルンプール経由コタキナバルには夜10時30分に到着し此処で一泊し、翌朝6時30分出発する小型機に乗り、ラヤンラヤンに朝8時にやっと到着できる辺境の地なのだ。
このラヤンラヤン島は殆どが満潮時には沈んでしまう岩礁の一部にマレーシアが埋め立て造った人工島で、
そこに飛行場と軍施設およびダイバー用のリゾートを建設したのだ。
詳細は前回のブログを参照ください。
ラヤンラヤン島がある環礁はもともと火山の隆起で出来たもので、水深2000mの海底に富士山を沈め、高さ2000mのところで水平に切ったような形をしている。
そのため、環礁の回り全てが水深2000mまで落ち込む急峻なドロップオフとなっており、
潮通しが良く、かつ透明度もいいため大型の回遊魚が生息しハンマーヘッドはじめ、イソマグロ・ギンガメアジ・カンムリブダイ、
時にはマンタやジンベイザメまでが現れる世界中のダイバー垂涎の素晴らしい海なのだ。
まず、ここでのダイビングは、到着時2ダイブ、出発前日は1ダイブ。
通常日は朝8時、11時そして3時スタートの一日3本が基本で、
その後Jettyの周りでの無制限ダイブが可能であるが、
皆一度はやってみるが何度もやる人は少ないようだ。
私もナイトダイビングで一度試しただけである。
と言うことで私の場合、
2本+5日x3本+1本+1本(ナイト)=19本も潜った。
ポイントはすべてアトールのドロップオフで、パターンは決まっている。
エントリーは環礁の壁際に船を止め、準備が出来た者からジャイアントストライドで飛び込み、
水底近くで集合したあと、大物を探して一気に30~40mのブルーウオーターへ潜行する。
大物探しをした後、壁際に戻りドリフトダイビング。
時間がくれば環礁に上昇して魚ウオッチング。
そして残り空気が50気圧以下にならないような範囲で各自が思い思いに水面に上がりエキジットする。
ブルーウオーターでのダイビングは、自分の目の下が深海2000mの海底まで何も無いことを考えると、少し背筋が寒くなるが、空をカッ飛んでゆくような快感はなんとも堪らない。
今回は、ジンベイザメまでとはいかなかったが、ハンマーヘッド、マンタ、イソマグロやギンガメアジやマダラタルミ、バラクーダーなどなど挙げたらきりが無いが、
スキット抜けるような透明度の中で大型回遊生物との邂逅や煌く回遊魚の大群との出会いが出来た。
やはり圧巻はハンマーヘッドで、誰もがこれを期待して此処にきているのだが、この時期何時も見られるわけではなく、
滞在中3回見ることが出来たが写真に収められたのはたったの一回のみだった。
ハンマーヘッドを狙うときは、水深30mを超えるあたりで流していることが多く、ガイドの更に下にいるハンマー発見の合図があってダッシュするもスグ減圧停止が出てしまうのでそう深追いできないのだ。
此処では最大潜水深度や空気の残量管理は自己管理なのだ。
ダイビングの詳しい様子は後のホームページに掲載するが、リゾートの様子に少し触れると、
マレーシアが力を入れているおかげか、水、電気、インターネットなどのインフラがしっかりしており、
大きなキングサイズのベッドが2つ置かれた広い部屋も清潔で快適だ(最大収容人数が120人のところ今回70人程度ということで、一人参加者は一部屋を専有させてくれた)。
食事はバイキング方式だが毎日内容を変化させており楽しませてくれる。
おまけにダイビングの合間にはおやつタイムまである。
絶海の孤島にあるリゾートと言うことで、
寝て食べてそしてダイビングをするしかほかにすることが無いのだが、
肌を焦がすような強い日射だが、木陰に入るとひんやりと過ごしやすく、サンデッキチェアーで毎日うたた寝するようなのんびりした日々を過ごすことが出来た。
だが、しかし、此処は国際紛争的にホットな場所なのだ。
滞在中、島の周辺で高速艇、軍艦そして潜水艦などが巡回しているのを何度か目にした。
おりしも、SAEAN各国が南シナ海の領有権問題に対して、中国に対して強気の外交姿勢をとり始めた。
中国の横暴を許してはいけないが、一発即発の状況で、難しい舵取りが要求される。
又行きたいと思う第一の場所で、安心してダイビングが出来るように願うばかりだ。