
1月29日の日経新聞電子版に「日本国債バブル18カ月以内に崩壊する」・米サブプライム危機を予見した男、「日本売り」公言とセンセーショナルな記事が掲載されていた。
日本の国債が危機的状態にあることは誰もが認識しているが、その対策となるとようと決まらない。
記事の中で
「日本の公的債務はGDPの229%と世界で最悪です。2011年度の税収はざっと41兆円。これに対し国債の利払いが11兆円にも達しています」
「金利が今の水準より1%上がるだけで、10兆円規模の利払い負担が増える計算になります。これが2%の上昇となれば、計算上は日本の財政が持続できなくなり、実質的に破綻することもあり得ます」と
日本の国債バブルの崩壊はずっと言われてきたことで、なぜ、今なのかの問いに
「これまでにない深刻な構造変化が起きているからです。
震災後の原発停止で割高な液化天然ガス(LNG)の輸入が急増し、日本は昨年、31年ぶりに貿易赤字になりました。
今年も状況の好転は期待しにくいでしょう。
自動車や電機などの製造業は拠点をアジアに移しています。生き残りを賭けた企業の動きは、もう後戻りできません。
私は14年半ばに日本が経常収支でも赤字になるとみています」
「12年度に財政赤字のGDP比は約10%まで上がるでしょう。日本の人口は過去3年半で290万人も減りました。少子高齢化もいよいよ深刻になっています」
そして、財政の立て直しに向けた日本政府の取り組みについて
「日本の政治には大きな問題があります。
増税を打ち出した首相はみな強烈な反対にあい、退陣を迫られる事態を繰り返してきました。
野田政権は消費税の引き上げの方針を明確にした昨年12月、支持率が一気に下がりました。
増税が実現する可能性は低いと言わざるを得ません」
と日本の政治家と当局者の不甲斐なさ、そして国民の総論賛成・各論反対の国民性を見切られているように感じます。
過去日本の国債に対し海外ファンドが売りを仕掛け、崩壊をもたらすような攻撃が5,6度あったと聞くが、今までは何とか切り抜けているがこれからも切り抜けられるとは誰も確信が持てない。
そんな危機感の中、自分の”票“だけを気にして問題を先送りしてきた元凶の自民党がこの期に及んでも方法論に始終して消費増税関連法案の討議をも拒否している。
海外ファンドに「日本は何も決められない・日本国債の崩壊近し」と見切られるのも当然か。
何故、こうも日本の政治家達は決めるべき事を決める「政治」に不甲斐ないのだろうか??
昨年私のブログ(11年12月14日付け)で普段からモヤモヤし憤りを感じていた気持ちが「日本人の誇り」、「日本はなぜ世界で一番人気があるのか」を読んで少し溜飲が下がった思いがしたことを書いた
が、その後さらに外国人が書いた日本人論の本を読んだ。
黄文雄氏の「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」と「世界から絶賛され続ける日本人」の2冊である。
黄文雄氏は1938年、台湾生まれ、留学のため来日した後、著述した「中国の没落」が大きな反響となり評論家となり以後、日本において活動を続けて著書は100冊を超えている。
「日本人はなぜ世界から・・・」は表紙の説明文に
逆境でも不平不満を言わない、盗みを嫌う、名誉に命をかける、貧しくとも高貴である、災害や不幸に負けず、またたくうちに復興する…魏志倭人伝の時代から現代まで、世界が驚きを持って伝えた日本人の姿。日本人が知らない「感動日本」がここにある。
とある。
本当に2000年前からから戦後に至る迄の日本を訪れた外国人の多くが日本人の実直な性格、正直さ、忍耐強さ、勤勉さなどを、美的センスを絶賛してきたものを一堂に纏め上げたものでその内容と丹念さには驚きで我々日本人の自尊心がくすぐられる。
さらに「世界から絶賛され続ける日本人」は
世界に変革をもたらしたこの日本人を見よ!として
・ヘレン・ケラーが心の支えとした江戸の大学者
・パソコンの頭脳を世界で始めて開発
・アジアから飢餓をなくした男たち
・世界の海軍で称えられ、今なお模範とされる軍人
・シベリア単騎横断で世界のヒーローとなった冒険家
・数学の世界を変えた日本人数学者
・現在もチベットで尊敬される探検僧侶……ほか
今の教育では教えない、日本人だけが知らない、世界から尊敬され続けている日本人が続々と紹介されている。
果敢に苦境に立ち向かい、私利私欲を離れ偉業を成し遂げた先人達に本当に頭が下がる想いで一杯だ。
だが、しかし、これらの広い分野の高い評価の中で政治家に関するものが一つもない。
本当に日本の政治家は大昔から人から尊敬されるような偉業をなした人はいないのだろうか。
野田さん、谷垣さん、どうだろうか、ここで踏ん張って名を残す政治家になっては・・
黄 文雄著 徳間書店刊
日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか 952円
世界から絶賛され続ける日本人 1000円