
先週の土、日曜日と久し振りのダイビングショップ主催の紀伊田辺のダイビングに行ってきました。
前日から降り続いた雨の中、早朝5時に起きて、神戸から明石市にあるショップに集合し、大きなバンの後部席の爆睡付き3時間のドライブであっという間に到着です。
しかし、いいことばかりではない、田辺も風交じりの小雨の悪天候。
気温は6度。
こんな悪条件にも拘わらず、到着して即、慌しくドライスーツに着替え、器材の準備、装着し、そして小さなボートに20人ばかりのダイバーを乗せ昼食前の一本目のダイビングへの出発です。
港からポイントまでの30分は本当に寒かった。
吹付ける風、雨、波。
流行のヒートテックの下着にカイロまで貼り付け、ドライスーツ用の保温インナーを着込み、フードまでつけましたがそれでもブルブル震える寒さは本当に最悪でした。
水温は16度。
飛び込んだ瞬間、16度の温度が天国のように感じました。
16度はかなりの低温だがドライスーツの着用と地上との温度差10度が天国に変えてくれました。
田辺は神戸から近いため、Cカード取得の海洋実習やナイトロックスの研修にと何度も来ており、今回で5回目だ。
雨が降ると透明度が悪くなるが、15mぐらいはあったのでユッタリとダイビングが出来た。
何よりも今回は今まで行けなかった「ショウガセ」に
2度も行けたことである。
「ショウガセ」は田辺湾の出口部にある頂部が水深13mの大きな根で、頂部から一気に水深40mまでのドロップオフになっており、
その水底には世界的にも珍しいオオカワリギンチャクが群生しているのだ。
暗い海中にネオンイエローに光輝くオオカワリギンチャクの群生は本当に涼しげで幻想的な光景である。
オオカワリギンチャクはイソギンチャクの仲間で、白浜~南部沖と伊豆大島で確認されている新種ですが、普通は100m程度の水深に生息しているのが、田辺湾では40mの水深に群生している。
そのため、多くのダイバーがオオカワリギンチャクを見るために
田辺に押しかけるのだ。
寒波が来たら最悪のコンディションになるだろうと予想される2月末の今回のダイビングに参加した目的は、このオオカワリギンチャクを見ることと、私が大変お世話になった女性インストラクターの「さよなら記念ダイブ」でもあったのだ。
今から7年ほど前になるが、私が60歳を過ぎて、時間的にも少し余裕が取れるようになり、何か新しいことをしたいなと思っていたところに、冷やかしで飛び込んだダイビングショップで対応してもらったのが彼女だった。
彼女は冷やかしの私に、ダイビングの楽しみや面白みを親切に説明してくれ、私のような年でも大丈夫なのかと心配な私に、60,70歳を越した多くのシニアダイバーが元気にダイビングを楽しんでいますよ!! とにっこり笑って、一緒にダイビングを楽しみましょうと躊躇する私の背中を押してくれた。
彼女のスマイル(営業?)と、背中の一押しでダイバーになった私だが、今では本当に感謝している。
煌く水中と生き生きとした色とりどりの鮮やかな生物達、青い空と白い砂浜、そして多くの人々との触れ合い。
特に海外のダイビングの魅力に嵌り、仕事や観光では行ったことがない国々ではダイビングの他に、そこの国の人々や地理、歴史にも触れることも出来、本当に新しい楽しい世界が開けたようだ。
その彼女も私が始めてお会いした時は一般のインストラクターだったが、今では出世して店長となっておられ、そして今度3月より少し離れた町のダイビングショップの店長としてローテーションで変わられるのだ。
と言うことで今回が彼女がインストラクトとするラストダイブであり、どんなに天候が悪かろうと参加しなければならないダイビングであったのだ。
田辺は確かに寒かった。
でも新しい魅力溢れる世界に導いていただき本当に有難う。
だが、一つ、彼女が言った60,70歳を越した多くのシニアダイバーが元気にダイビングを楽しんでいると言われたが私の今までのダイビングでは殆どのケース(若者好みのアドベンチュラスの所が多いためか)で私が年長者であり実感できていない。
しかし、統計的には日本のダイバーの世界でも高齢化が進んで事故も多いようだ。
海上保安庁の報告で、平成22年のマリンレジャーに関する海浜事故による死者・行方不明者数は、312人で、遊泳中で132人次いで釣り中が100人で、これらで全体の7 割を占めているが、スキューバダイビング中が25人であり、昨年より11人増え、特に40代以上の中高年齢層の事故者数が増加しているとの事。
高齢者になるとパニックへの対応能力が落ちることや、高齢者特有の心臓疾患なども事故に繋がっているようだ。
折角、ダイビングという新しい素晴らしい世界に導いて貰ったのだから、体を鍛え、無理をせず永く続くよう努力していきたいものだ。
本当に有難う。これからも宜しく。