関西空港発のエアカランで8時間半のフライトでヌメアのトンツータ国際空港に22:30定刻どおり到着した。
入国手続きをして、迎えの車でホテル:メリディアンヌメアに到着したのは真夜中の1時過ぎだった。
部屋に入るなり、ダイビング機材の開梱とカメラのセットをすませ、目覚ましを6時に設定してベッドに潜り込んだのが2時を過ぎていた。
朝7時にはダイビングショップの人が迎えに来るのだ。
強行軍のスケジュールと思えるが初日だけだ。
全8日間の旅程は
1日:ニューカレドニアへ移動
2日,3日:ヌメアでダイビング (2Dive/Day=4Dive)
4日:イルデバンへ移動
5日,6日:イルデバンでダイビング (2Dive/Day=4Dive)
7日:ヌメアへ移動
8日:日本へ移動
8日間の内4日が移動日でしかもダイビング日でも午後から貿易風が吹くからと言って午前中の2本のみだ。
意外とここでのダイビングはガンガン潜る派の私として物足らない。
高いお金を使って苦労してダイビングをするのは
某スポーツ用品会社のコマーシャルで「ランニングが嫌いな理由はいくつも見つかるが、好きになる理由はまだ一つしか見つかっていない。それは、ランニングは超気持ちいからだ」というのがあった。
此れをダイビングに当てはめてみると
「ダイビングが嫌いになる理由はいくつもある、遠くへ行かなくてはダメだ、永い休暇が必要だ、お金が掛かる、装備が重たい、船酔いする、水に濡れると寒い・・などなど
しかし、好きになる理由は、澄み切った底の見えない水の中での浮揚感が超気持ちいい」とでもなるかも知れない。
だが、わざわざ高い旅行費用を払って来というのに、2~3mという透明度に此処で出くわしたのだ。
これではダイビングが好きになる理由が無くなってしまう・・・・。
ヌメア到着日のダイビングは5人と少なかったためか外洋近くのポイントで潜り、透明度に関する不満はなかった。
しかし、翌日のダイビングは大型のボートに代わり、20人以上で、体験ダイビングの人も入っているためか環礁内でのダイビングとなり、この最悪の透明度に出くわしたのだ。
ガイドの説明では大雨と強風の影響のためと言っていたが、大雨と強風となったのは私が到着する前日であり、外洋近くであれば大雨の翌日でも問題なかった。
要はダイビングショップのポイント選択ミスであろう。
ダイビングの終了後、体験ダイビングに参加した人に印象を聞いてみたら「怖かった」と言っていた。
折角ダイビングに興味を持ってダイビングしようと思い立って参加したのに可哀想だ。
これに懲りずダイビングを好きになって欲しいものだ。
私自体が体験ダイビングを通じて念願のダイバーになり、こんなに素晴らしい世界を知ることが出来たのだから。
さて、ニューカレドニアの印象はどうかというと、素晴らしいの一言に尽きる。
澄み切った真っ青な空に、心ときめかすエメラルドグリーンのグラデーションと白い砂浜が素晴らしい海。
貿易風のおかげで、煌く太陽の下でも汗をかくこともなく、そよ風が涼しく心地いい。
ヌメアはプチフランスの香りがそこかしこに漂う瀟洒な街並みで、赤い屋根と白い壁が良く映える。
イルデバンは海の宝石(クニエ)と呼ばれ砂の白さ、海の色の美しさ、そして独特の南洋杉が見事に調和している。
人々は明るく人懐こく、日本人とみると笑顔で「こんにちは」と話しかけてくる。
又、南太平洋のグルメ天国と呼ばれるここには新鮮で豊富な食材を使用した本格的なフランス料理が楽しめ、日本食をはじめ各国のバラエティに富んだ料理を食べさせてくれる店が並んでいる。
本当に素晴らしく素敵な所だ。
だが、問題もある。
物価が高いのだ。
昼は3,4千円。夜はお酒を余り飲まなくても1万円近くは掛かる。
なぜこんなに高いのか日本人ガイドに聞いたら、ニューカレドニアは簡単な税金徴収方として輸入品全てに20%課税しているとの事。
生活に必要な殆どのものを輸入に頼っている所だから物価が高くなるのは当たり前か。
輸入品全て課税する方法は評判悪く消費税方式に変更する計画があるがいつになるのかわからないと言う。
こんな高い物価で現地の人は困らないのか聞いてみたら、フランスからのGDPの2割にも相当する援助があり、出産、教育、医療費など多くのものがただになっているとの事。
なるほど、ここでは先住民であるカナク人達が独立のため血なまぐさい闘争が行われた過去があり、1998年にヌメア協定が結ばれ、外交・防衛・司法・通貨発行以外の自治権と、独立を問う住民投票を2014~18年までに行うことになったのだ。
フランスはニッケル鋼を産出するこの地を手放す気はなく、住民を援助漬けにして独立を阻もうとしているだろう。
住民も援助がなくなると貧乏になるため独立を躊躇う人も多いと聞く。
天国にもそれなりの悩みはあるものだ。
でも是非又行きたい一番の国だ。 でも物価が・・・。