
先週初め、以前の勤め先の仲間との親睦旅行で四国松山城・道後温泉に一泊二日で行ってきました。
年初めの新年会、春の小旅行、秋の一泊のバス旅行と夫婦参加での親睦会を行っているが、参加者の殆どが第一線を離れ年金を貰いながらの悠々自適の生活をしている。
久し振りに会うと、皆、年相応に老けてきたが大変元気だ。
孫達の話、趣味の家庭菜園、ゴルフ、旅行そして体や流行の健康法などワイワイガヤガヤと賑やかで話が尽きない。
今回は旅行のルートは神戸の西、JR加古川駅に集合してバスにて尾道から西瀬戸自動車道経由四国・今治に入り松山・道後温泉で一泊。
翌日、松山城の見学後、高松・屋島に寄り坂出より瀬戸中央自動車道にて岡山経由加古川に戻るルートだ。
勿論、今回の観光地は神戸より近いため何度か訪れている所ばかりで、近々では8月末に「モダンアートの直島とイサム・ノグチ庭園美術館」巡るツアー(9月2日付けブログ参照)で高松などを訪問したばかりだ。
しかし、同じルートでも寄ったことがない所や、今まで気が付かなかった新しい発見があるものだ。
今回のそんな経験の2,3を紹介すると
まず、第一が「しまなみ海道ハイキング」だ。
尾道市と今治市を結ぶ西瀬戸自動車道は本州と四国の間の6つの島を海峡部分の10の橋梁で
結ばれた約60kmの自動車道路であるが、各橋梁はサイクリングやウォーキング用の側道を設け「しまなみ海道」とよばれ自動車以外にも利用され楽しまれている。
今回はそのホンの一部、世界有数の斜張橋で白鳥が羽ばたくような優雅な姿をしている多々良大橋の約4kmをゆっくりと1時間ばかりの時間をかけて歩いた。
普段自動車で通ればホンの瞬間であるが、ゆっくりと歩くと色々な発見がある。
瀬戸内海に浮かぶ島の多さとその優雅な美しさ。
みかんの香りがほのかに香る潮風としっとりと汗かく陽光をからだいっぱいに感じるその快適さ。
歩くごとに変化していく斜長橋の見事な幾何学的な機能美。
自動車に乗っていては味わえない醍醐味だ。
二番目は日本最古の湯という道後温泉だ。
前回は家族づれで10年以上前に訪れたが、時間がなく慌しく「道後温泉本館」の神の湯に入り二階の休憩所でお茶を飲んだのを覚えている。
今回は夕刻4時ごろに「道後温泉本館」の直ぐ近くのホテルに到着して、早速夕食前に浴衣、下駄という格好で温泉めぐりをした。
夕暮れに「道後温泉本館」の周りをにゆっくりと散策すると昔にタイムスリップしたような気持になるから不思議だ。
まず「道後温泉本館」に入ったが、この建物、国の重要文化財に指定されるほど、見れば見るほど趣があり、その梁や柱はお城を彷彿さす重厚なつくりである。
入った神の湯は浴槽が花崗岩で出来ており、泉質は少し熱めの無色透明のアルカリ性単純泉で肌に滑らかでユッタリ湯に浸かっていると旅の疲れでウトウトとつい長湯をしてしまった。
「道後温泉本館」の入浴後は薄暗くなった周辺のお土産さんをひやかしながら街を散策し、「道後温泉本館」の直ぐ近くのホテル「花ゆづき」の最上階の露天風呂に行きました。
爽やかな風に吹かれながら、すっかり暗くなった松山の市街を見下ろしながら入る温泉は「道後温泉本館」とは叉違った趣を感じまたまた長湯をしてしまった。
さらに、宿泊したホテルで翌日の早朝、広く明るく設備が整った大浴場で朝風呂をあびて、前夜のアルコールや眠気を吹き飛ばしスキッとした朝を迎えた。
短い道後温泉滞在の中、三者三様の趣の違った湯をじっくり楽しみ本当に温泉三昧の道後を過ごすことが出来た。
さて、次は松山城。
勿論ここも既に訪れたことがあり、その高く、美しい三重三層の天守閣の姿とその天守閣の中か見下ろす松山市街の眺望の素晴らしさは記憶に残っていたが、
今回強く印象に残ったのは緻密で優雅な曲線を描き出した城壁の石垣である。
その壮大さと美しさは軍事目的を超え芸術品の域にあるように感じられた。
前回来た時、そんなに強い印象はなかったが、今回は何故かこの石垣に強く引かれた。
その理由は、今月初めに行ったマルタのバレッタなどの城塞都市の豪壮で頑丈な石垣と比較したからである。
マルタはオスマン帝国や海賊に絶えず脅かされ自らを守るためには、早く、高く、頑丈な難攻不落の城塞を築く必用があり、一方、松山城の場合は外敵からの防御と言えど、当面の想定した敵が居るわけでもなく、26年もかけ意に沿った城郭を築くことができたからだと思うが。
だが、作った状況が違ったとしても、なんと言っても、素晴らしい日本人のもの作りにおける繊細で緻密な技巧と真摯な気持なのであろう。
何度か行った所でも、本人のその時の気持と経験により、その都度新しい感動や発見があるものだ。
そんな気持を気付かせる今回の旅であった。
これからも、既に行ったところだと臆せずに積極的に色々な所に出かけてみよう。