
マーシャル諸島共和国、赤道と日付変更線に近い太平洋の真ん中で、ミクロネシア連邦の東、キリバスの北に位置し、29もの環礁からなる国土面積180平方キロメートル(霞ケ浦とほぼ同じ大きさ)の太平洋上に浮かぶミニ国家の一つである。
熱帯気候のマーシャル諸島は、首都のマジュロでの平均日中気温は27℃であるが年中を通して北東からの貿易風により汗をかくこともなく快適で、島々は真っ白な砂に囲まれ、海抜は3m程度と低いが椰子の木や熱帯植物が覆い茂り、取り巻く海は抜群の透明度で青のグラディエーションが素晴らしい。
こんな天国のような所へ行くにはやはり一筋縄ではいかない。
日本からグアムへの3時間半のフライトにグアムでの長蛇の列に厳しい入国審査と6時間にも及ぶ真夜中の空港待機。
それに最後の関門がグアムからマーシャル諸島のマジョロに行くまでに4つの島々を経由する"アイランド・ホッピング"が待ち構えているのだ。
直行で行くならば4時間ほどで行けるところが9時間もかかるのだ。
ただ、この最後の狭い機内での9時間の難行さえを耐え抜けば天国のような南国の島々が待っていると思うと"難行"も苦痛と言うところまでは行かず、更には、毎離陸後に振る舞われたシャンペンによるほろ酔い気分に眼下に広がる青い海と島々に癒されながらのフライトであったが・・。
"やっと"着いたマジョロは本当に天国のような所だ。
どこまでも澄み切った青い空に、煌く太陽、だがそよ吹く風が心地よく、白い砂浜に囲まれた緑茂る島々に取り巻く海の青のグラディエーションが目の前に広がり、それに観光客も少なく町全体がユッタリしている。
"難行"を経て来る価値のあるところだ。
こんな天国のような所でのダイビングはどうであったかと言うと
今回お世話になったダイビングショップはこのマジョロ唯一のReycrewさんだ。
海を愛すヒロさんテツヤさん二人の男所帯で一年ほど前に「Marshall Islands Resort(MIR)」内に開いたショップだ。
今回はテツヤさんと旅行会社から見習い助手?のワカナさんと5日間、なんとゲスト私一人と言う贅沢なダイビングを経験させて貰った。
マジョロ唯一のショップにゲスト私一人という事は、この広いマジョロ環礁でゲスト・ダイバーは私一人ということだ。
ああ、なんと言う贅沢だ。
世界のダイバーの憧れのダイビングサイトが独り占めなのだ。
それに天候も味方して晴天で凪のような穏やかな海が滞在中続いてくれた。
ダイビングポイントも思いのままだ。
息を呑むほどに美しいカロリン島周辺の外洋、内海のポイントや
そして普段は冬場の外洋は荒れてて行きにくいマジョロの東側にあるアルノ環礁のポイント、ここは自然が自然のままで保たれ、
抜群の透明度と無限に広がる白い砂地と無傷な珊瑚の群生を、
更に何千、何万というテンジクダイなどが住処とする船や飛行機の沈船ポイントと行きたいと思うところ全てが叶うほどだ。
図に乗った私は空母サラトガや戦艦長門など歴史に名を残す巨大レックでのダイビングとして秘かにマニアックなダイバーを惹きつけている、マジョロから600kmも離れたビキニ環礁へ行こうと冗談だがリクエストする始末だ。
ビキニ環礁でのダイビングは実は思い付きではなく、一度検討(2008年7月21日付の私のブログ参照)したことがあったが、深度が深いということで断念したが今でも潜ってみたいところの一つなのだ。
マーシャル・マジョロでのダイビングの醍醐味はなんと言っても視界一杯に広がる真っ白な砂地にキラキラ輝く日の光が差し込む抜群の透明度の海を只、何も考えず浮かぶ浮揚感だ。
本当にダイビングしていてよかったと思うひと時だ。
輝く日の光の中、一面の生き生きとしたサンゴの群生を見、白い砂地で戯れ、癒され、更に、カラフルなマーシャルの固有種も数多くの紹介してもらった今回の5日間のダイビングは目的どおりの
極上のユッタリ、マッタリダイビングであった。
ダイビングを始めて7年。色々な場所で潜り、各地の自然や歴史に触れることが出来たが、色々な人と出会うことも出来た。
今回も行きのグアムの空港でひょんな事から知り合った人が帰りの私が乗る便にポンペイ島から乗ってこられた。それも私の後ろの座席だ。
その人は私が5月にダイビングしたポンペイ島で胡椒の栽培農園のアドバイスをしていると言う。
無関係の人が意気投合して話し合えるのも旅やダイビングの醍醐味だ。
年をとってもダイビングを続けたいと思う大きな理由の一つだ。