
タイでのダイビングは3年近く前にタオ島(2010年6月25日、7月6日付けブログ参照)に行ってからだから随分間が空いてしまった。
それは、ブログにも書いたがタオ島でのダイビングは余りにも透明度がよくなく、悪い印象だけが残ってしまい、再びタイへ行こうという気が起きなかったためである。
タオ島でのお世話になったダイビングショップの人には、タオ島があるタイ湾は浅く、封鎖的な地形であるため、漁船の底網などで透明度が悪くなるとその影響が永く続く事があり、
今回は残念な結果であったが、タイにはマレー半島を挟んだ反対側にはタオ島と違った魅力的な海があるから、是非冬にそこへ行って見てくださいと云われていた。
違った海というのはアンダマン海のシミラン諸島のことであり、マレー半島を挟んで東側にタオ島、西側にシミラン諸島とその距離は約300km足らずだ。
ハワイ島のダイビングから帰って、ぼんやりと次はどこが良いかなと思いながら、ダイビング雑誌を見ていて、冬限定のシミラン諸島の紹介記事を見つけ、タオ島のダイビングショップの人が云っていたことを思い出し、急に行こうと思い立ち、計画したものだ。
私が狙ったのはシミラン諸島や更に北のスリン諸島まで行くダイブクルーズで、かつ最近人気のリゾート地カオラックでものんびりとリゾートライフを過ごすというチョット贅沢なものであっためか、船の予約が中々取れず、乾期の2,3月が透明度が高くベストシーズンなのだが、今回のシーズン後半となってしまった。
ここは雨季の5月から11月の間は風も強くなり、ダイビングには適さず、4月は本当にシーズンの後半となりチョット心配が残るのだが・・・。
インターネットなどで調べると、ここアンダマン海は、世界中のダイバーの憧れの場所で、抜群の透明度と珊瑚礁の美しさを誇り、外洋に面したスケールの大きな海域では、ジンベエザメやマンタをはじめとする大物との遭遇率も高く、いつも大きな出会いと感動を与えてくれるとのこと。
タイの海は本当に東側のタイ湾と西側のアンダマン海とは様相が全く違うのだ。
タイ湾はマレー半島とインドシナ半島に挟まれた広大な湾だが、水深が最大85m、平均50mくらいと非常に浅く、封鎖的地形のためか、また南国の強い日射により表層温度が高くなるためか、『日周潮汐』といって1日に1サイクルしか潮の満ち引きがない不思議な特徴を持つ海である。
11月頃から2月頃まで雨季となり、風も強くなるためダイビングにはあまり適さなくなる。
逆にアンダマン海の夏は2月中旬に始まり、5月に終わり、雨季は5月中旬頃から11月頃まで北西の風が吹きダイビングには適さなくなる。
さて、このアンダマン海はインド洋の北東端にある海域で、西はアンダマン諸島とニコバル諸島を隔ててベンガル湾に接し,南はマラッカ海峡を経て南シナ海に通ずる。
北をミャンマー南部のデルタ地帯,東をマレー半島,南をインドネシアのスマトラ島に囲まれている。
水深は平均870m、最深部は3,777mと浅いタイ湾と大違いだ。
叉、乾期と雨季では表層部の塩分の濃度が大きく違う特徴を持っている。
乾期は流れ込む淡水が少なくなると共に強い日射による海水の蒸発が勝り濃度が濃くなるのだ。
アンダマン海のアンダマン諸島には火山もあり地震の多発地帯でもある。
これは日本列島と地殻形成構造が似ているためである。
この海が出来たのは3、4百万年前であり、インドプレートがユーラシアプレートへ衝突する際、ユーラシアプレートの一部であったスンダとビルマという2つのマイクロプレートがトランスフォーム断層を形成したことで海洋底が拡大したために出来た海であるという。
現在、アンダマン諸島に火山や地震多発地帯となっているにはインドプレートがスンダ海溝を境にアンダマン諸島の下に潜りこんでいるために生じたマグマの活動によるものである。
さて、これから行くマンダマン海の宝石と云われていている9つの島々からなるシミラン諸島はアンダマン海の真中に位置し、65万年前の白亜紀の時代に熱いマグマが噴出して形成され、氷河と海の波の作用によって平滑化され現在の特異な形となったものだ。
そのため、ここには土が無く、島のビーチはホワイトサンドで、海は透明度が抜群の真っ青に透き通り、生き生きした美しい珊瑚や色彩豊かな魚たちが群れている、ダイバー達にとって魅力溢れる、憧れの海域となっている。
さて、この魅力溢れるシミラン諸島のダイビングにはカオラックからデイトリップでも行けるが、より満喫しようと思うならばやはりダイブクルーズがベストだ。
一日4本も潜れ、移動時間が無いため体も疲れることなくダイビングや趣味を同じくした世界各国からの仲間達との楽しい船内生活もエンジョイできるので好きなダイビングスタイルだ。
では、今度こそはと、タイの海に期待をこめて・・・行ってきます。