My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

2013年03月

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タイでのダイビングは3年近く前にタオ島(2010年6月25日、7月6日付けブログ参照)に行ってからだから随分間が空いてしまった。

それは、ブログにも書いたがタオ島でのダイビングは余りにも透明度がよくなく、悪い印象だけが残ってしまい、再びタイへ行こうという気が起きなかったためである。

タオ島でのお世話になったダイビングショップの人には、タオ島があるタイ湾は浅く、封鎖的な地形であるため、漁船の底網などで透明度が悪くなるとその影響が永く続く事があり、
今回は残念な結果であったが、タイにはマレー半島を挟んだ反対側にはタオ島と違った魅力的な海があるから、是非冬にそこへ行って見てくださいと云われていた。

違った海というのはアンダマン海のシミラン諸島のことであり、マレー半島を挟んで東側にタオ島、西側にシミラン諸島とその距離は約300km足らずだ。


ハワイ島のダイビングから帰って、ぼんやりと次はどこが良いかなと思いながら、ダイビング雑誌を見ていて、冬限定のシミラン諸島の紹介記事を見つけ、タオ島のダイビングショップの人が云っていたことを思い出し、急に行こうと思い立ち、計画したものだ。

私が狙ったのはシミラン諸島や更に北のスリン諸島まで行くダイブクルーズで、かつ最近人気のリゾート地カオラックでものんびりとリゾートライフを過ごすというチョット贅沢なものであっためか、船の予約が中々取れず、乾期の2,3月が透明度が高くベストシーズンなのだが、今回のシーズン後半となってしまった。

ここは雨季の5月から11月の間は風も強くなり、ダイビングには適さず、4月は本当にシーズンの後半となりチョット心配が残るのだが・・・。

インターネットなどで調べると、ここアンダマン海は、世界中のダイバーの憧れの場所で、抜群の透明度と珊瑚礁の美しさを誇り、外洋に面したスケールの大きな海域では、ジンベエザメやマンタをはじめとする大物との遭遇率も高く、いつも大きな出会いと感動を与えてくれるとのこと。


タイの海は本当に東側のタイ湾と西側のアンダマン海とは様相が全く違うのだ。

タイ湾はマレー半島とインドシナ半島に挟まれた広大な湾だが、水深が最大85m、平均50mくらいと非常に浅く、封鎖的地形のためか、また南国の強い日射により表層温度が高くなるためか、『日周潮汐』といって1日に1サイクルしか潮の満ち引きがない不思議な特徴を持つ海である。

11月頃から2月頃まで雨季となり、風も強くなるためダイビングにはあまり適さなくなる。


逆にアンダマン海の夏は2月中旬に始まり、5月に終わり、雨季は5月中旬頃から11月頃まで北西の風が吹きダイビングには適さなくなる。

さて、このアンダマン海はインド洋の北東端にある海域で、西はアンダマン諸島とニコバル諸島を隔ててベンガル湾に接し,南はマラッカ海峡を経て南シナ海に通ずる。
北をミャンマー南部のデルタ地帯,東をマレー半島,南をインドネシアのスマトラ島に囲まれている。

水深は平均870m、最深部は3,777mと浅いタイ湾と大違いだ。
叉、乾期と雨季では表層部の塩分の濃度が大きく違う特徴を持っている。
乾期は流れ込む淡水が少なくなると共に強い日射による海水の蒸発が勝り濃度が濃くなるのだ。


アンダマン海のアンダマン諸島には火山もあり地震の多発地帯でもある。
これは日本列島と地殻形成構造が似ているためである。

この海が出来たのは3、4百万年前であり、インドプレートがユーラシアプレートへ衝突する際、ユーラシアプレートの一部であったスンダとビルマという2つのマイクロプレートがトランスフォーム断層を形成したことで海洋底が拡大したために出来た海であるという。

現在、アンダマン諸島に火山や地震多発地帯となっているにはインドプレートがスンダ海溝を境にアンダマン諸島の下に潜りこんでいるために生じたマグマの活動によるものである。

さて、これから行くマンダマン海の宝石と云われていている9つの島々からなるシミラン諸島はアンダマン海の真中に位置し、65万年前の白亜紀の時代に熱いマグマが噴出して形成され、氷河と海の波の作用によって平滑化され現在の特異な形となったものだ。

そのため、ここには土が無く、島のビーチはホワイトサンドで、海は透明度が抜群の真っ青に透き通り、生き生きした美しい珊瑚や色彩豊かな魚たちが群れている、ダイバー達にとって魅力溢れる、憧れの海域となっている。


さて、この魅力溢れるシミラン諸島のダイビングにはカオラックからデイトリップでも行けるが、より満喫しようと思うならばやはりダイブクルーズがベストだ。

一日4本も潜れ、移動時間が無いため体も疲れることなくダイビングや趣味を同じくした世界各国からの仲間達との楽しい船内生活もエンジョイできるので好きなダイビングスタイルだ。


では、今度こそはと、タイの海に期待をこめて・・・行ってきます。

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3月になっても、今までとても寒くてやる気になれなかったゴルフを始めたぐらいで、やはり家に篭る日が多い。

だが、家に篭るのも良いことはある。

部屋の隅に平積みされた本をゆっくり読むことが出来る事だ。

前回のブログの赤坂真理の「東京プリズン」に続き

「ライアンの代価 1~4」
トム・クランシー 著 新潮文庫 各590円

「世界経済の覇権を握るのは日本である」
木下栄蔵 著 扶桑社新書 740円

「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」
佐々涼子 著 集英社 1500円

「ビブリア古書堂の事件手帖 4」
三上 延 著 メディアワークス文庫 570円

を二週間程で読破した。

だが、この様に読んだ本を並べてみると、私の読書には一貫性が無いことに改めて気が付く。

私の本の購入スタイルは、新聞などの広告の宣伝文句に乗せられ、まずはインターネットで購入するが、殆どはそのまま平積みとなる。

読む順番はその時の気分次第だ。
永く下積みされた本が何冊もあるが、上に積まれた物が先になる傾向があることはどうしても否めない。


さて、内容を紹介すると

「ライアンの代価 1~4」はトム・クランシーのライアンシリーズものだ。

民間秘密組織の一員でライアンの息子のジュニアと、工作員ジョンクラークが主人公で、ライアン自身は大統領選に再立候補し、現職のキールティと選挙戦を戦っている。

パキスタンとインドの核戦争、あるいはロシアのダゲスタンのイスラム過激派の活動を背景にしており、核兵器を使用して米国に攻撃を仕掛けようと目論むテロリスト集団との情報戦と壮絶な戦闘が描かれている。

作者のテロに対する敢然と立ち向かう姿勢が窺われるスケールの大きな近未来小説であるが、描写はリアルで一気読みしてしまうほど興奮する本だ。

続編は米国では発売開始しているようだが、
経済的にも政治的にも行き詰った中国が「核心的利益」を確保すべく周辺地区の完全支配に乗り出す。
それを阻止しようとする米国に壮絶なサイバー攻撃を仕掛ける・・というものらしい。

先日、中国が関与したとされる米国を標的としたサイバー攻撃や韓国のメディアや銀行へのサイバー攻撃などを聞くにあたり、作者の豊かな先見性脅かされ、日本での発刊が待ち遠しい。



木下栄蔵 「世界経済の覇権を握るのは日本である」は

内容説明によると

「歴史をひもとけば、17世紀のオランダ、18世紀のイギリス、そして20世紀のアメリカとバブルの発生と崩壊を経験した国家は、その後にいずれも経済覇権国になっている。

それらの国の共通項はバブル崩壊時に「経済債権国」であり、かつ「通貨高」が進んでいたことにある。

本書では、それらを裏付けるデータをもとに現在の経済状況を分析し、日本の優位性を証明する。

ただし、経済覇権国となるためには、決定的に今の日本には足りていない要素がある。それは自主防衛と国家規範の確立に他ならない。」

とある。

本書の中で「経済覇権国」となるためには

「健全な経済」「変革の経済」「債権国」「民主主義」「通貨の信用度」を上げているが、現在GDP世界上位4カ国(米国、中国、日本、ドイツ)でこの条件を満たすのは日本だけであるという。

米国は巨額な債務国で、中国は民主主義、通貨の信用度で、ドイツはユーロ問題があり覇権国の条件は満たさない。

しかし、日本が覇権国になるには

「日本の自主防衛」「核保有に踏切る」「米国からの独立」
が必要だとのこと。

さぁー どうする日本。

この二十年、縮こまってしまった日本を変えるか、安穏な従属国に甘んているか・・・。

読んでみて損は無い本である。



佐々涼子 「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」

内容紹介には
「国境を越えて遺体を家族のもとへ送り届けるのが国際霊柩送還士の仕事。
日本初の専門会社で働く人々と遺族の取材を通して、筆者は人が人を弔うことの意味、日本人としての「死」の捉え方を知る。」
とある。

ダイビングで海外によく行くようになり、事故にあったらどうなるのだろうかとか、
アルジェリアのテロの犠牲になった日本人の柩に向って黙礼を捧げる航空職員の写真を見て、誰がどの様に対応してくれたのか気になったことがあった。


そんな疑問に解答してくれ、日本人の「死」「弔い」についての考えを改めて知ることが出来る本である。



三上 延 「ビブリア古書堂の事件手帖 4」

シリーズ4巻目で、その初版80万部を発行、そして1~4巻で累計470万部というお化けベストセラーだ。

鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」の店主・篠川栞子と、本が読めない無骨な青年・五浦大輔が、奇妙な客が持ち込む古書の謎と秘密を鮮やかに解き明かしていくミステリーだ。

第4巻は、江戸川乱歩の膨大なコレクションにまつわる人物を中心に、物語が展開する。

本の関する深い知識を持つが、清楚で物静かな栞子の振る舞いに惹かれて購入してしまう。


3月も早くも後半になる、読書も楽しいがそろそろ屋外へ出て陽を一杯浴びることにしようか

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赤坂真理 著の「東京プリズン」をやっと読み終わりました。

昨年の8月、本の帯にある「戦争を忘れても、戦後は終わらない。16歳のマリが挑む現代の「東京裁判」」という言葉に惹かれて購入したものだ。

しかし、400頁を超える大作で、かつ、字も細かく年配者にはチョットきつく、直ぐ読むのを躊躇して部屋の隅に平積みしてしまった。

今回、確定申告の時期になり書類つくりで自宅に篭ることが多くなり、その空いた時間に手に取ったのがこの本であった。

ダイビングを始めて南の島々に行く機会が多くなり、そこでは、いつも先の大戦での日本軍の悲惨な戦いの話や朽ちた施設などを目にする。
が、「東京裁判」はこの戦争を侵略戦争だとして裁くが、一方では勝者が敗者を裁く理不尽な裁判でもあった。

戦争を知らない16歳の少女の目を通じるとこの「東京裁判」がどの様に映るのか、薄れていく私の記憶を新たにするためにも興味を持って読んだ。


第66回毎日出版文化賞、第16回司馬遼太郎賞等の受賞や新聞各紙の書評でも絶賛されている小説である。

その内容は

主人公の少女マリは何故か15歳の時、アメリカの北、東端にあるメイン州の片田舎の高校に留学させられ苦悩する。

まるで異なる環境にいきなり放り込まれて困惑する中、留学させられた理由や母親との関係に自問自答し、襲いかかる過去の亡霊と幻影の数々に困惑しながらも何とか日々の違和感に耐えて生きる。

そんな中、16歳の卒業試験に課せられた模擬ディベートで異常な体験する。

日本をかつての敵国と呼ぶ人々に囲まれつつ、「天皇の戦争責任」というテーマで「責任あり」の側に立ち論じることを強いられるのだ。

戦争について、天皇について、東京裁判について、戦後のタブーとして多くを語らなかった
日本の教育で、主人公は東京裁判のことは何も知らず困惑し、故国に国際電話を掛けると、そこはいきなり2009年の日本で、電話に出るのはかつての母親の年齢になった自分自身なのだ。


小説ではマリは動物と思いが通じたり、未来の自分に電話が通じたり、過去の地や未来の幻想の場に身を置くことができる設定になっているが、それは戦後70年も経過している日本に住む現在のマリにも分からないことだと言いたいのだろう。


確かに東京裁判についてはあまり知らないし、知ろうとしなかったのも事実だ。

日本における「東京裁判」、ドイツにおける「ニュルンベルク裁判」は共に戦勝国が敗戦国を裁くもので、侵略戦争を行ったとして裁くため、「平和に対する罪」なるものを急遽作った。
要は後出しの罪で裁く不明慮さだ。

叉、戦勝国の非は一切不問にされ「復讐裁判」的な面も多くある。


東京裁判時駐留軍は言論統制し、日本国民には日本軍の悪い面のみを流し、良い面は統制されたため、「日本軍は悪い」「残虐だ」「非道だ」と我々が自虐的な思いになる要素を造ることになって毅然たる態度が取れなくなるようにされてしまった。

そこに付込んでいるのがお隣の2国で「歴史的認識・・」といつまでも紋切型に言ってくる。


東京裁判のインドのパール判事は、東京裁判の本質は連合国側の政治目的を達成するために設置されたに過ぎず、

日本の敗戦を被告達の侵略行為によるものと裁く事によって、日本大衆を心理的に支配しようとしていると批判している。

さらに、検察側の掲げる日本の侵略行為の傍証を、歴史の偽造だとまで断言した。

かつて欧米諸国がアジア諸国に対して行った行為こそ、まさに侵略そのものであると訴え、全被告を無罪だと主張している。


ダイビングでよく行くインドネシア・バリ島にはインドネシア独立戦争時、終戦後日本に帰らずインドネシア人と共に戦い、戦死した日本人の墓がある。

インドネシアの英雄と共に祀られ、お墓は今でも綺麗に清められ花が手向けられている。
(2012.10.13のブログ参照)

インドネシアは330年もオランダに占領されていたが、日本軍によってたったの10日間の戦闘で開放された。

日本軍の支援に建国の準備を進めていたインドネシアは、日本軍が敗れた二日後に、初代大統領に就任したスカルノは独立を宣言した。

だが、オランダは再びインドネシアを占領すべく侵略戦争を仕掛けるが敗れてしまう。

3年半にわたる独立戦争でインドネシア側が払った犠牲は婦女子も含め死者だけで80万人、負傷者は1000万人を超えという。

この戦争でオランダは「侵略戦争」の罪にも問われず、逆に賠償まで奪取している。

同時期「東京裁判B,C級裁判」のオランダ管轄モロタイ裁判で220人(全体で912人)ものダントツの死刑判決をしている。

インドネシアの独立戦争を助けた日本人への報復裁判である。

戦勝国の自分達の非を問わず、敗戦国を自らの政治上の思惑で裁く矛盾だらけの東京裁判である。


これを機会にもっと勉強しなければと思わせる一冊である。


「東京プリズン」 赤坂真理 著 河出書房新社  1800円

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