My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

2014年01月

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チュークへは2009年夏以来2度目だ(2009年8月29日付ブログ参照下さい)。

それから4年以上経ったわけだが、この間色々な場所で沈船ポイントなるものを潜ってきたが、チュークの沈船ダイビングが忘れられなかった。

ここでの沈船ダイビングはソフトコーラルの付着が時間の流れを感じさせ、 多くの沈船が中に入ることもでき、薄暗い船内に差し込む青い光は幻想的な世界を作り出し、船の構造、装備などが当時の姿を忍ばし、冒険心をくすぐる世界が広がるのだ。


ここには、浅く大きな環礁内に第二次世界大戦中に沈んだ日本の艦船が60隻以上、波の影響を受けることなく当時の姿を保ちながら静かに眠っている。

ダイビングできる水深にこれほど沈没船が眠っているのはここだけで、世界一のレックダイブのスポットと言われている所以である。

チュークは、ミクロネシア連邦の4つの州のひとつで、カロリン諸島に位置し グアムから約1時間半のフライトの距離にある。

昔トラック諸島と呼ばれており(1978年7月12日にミクロネシア連邦となり、1989年の州憲法の制定で「チューク諸島」に変更された)古い人にはこの名の方が懐かしいのだが、
ここの環礁は100km径近くもの大きなものだが、かつては1つの大きい火山島だったが、数千年かけて島の大部分が海没し、山頂付近が現在の島々となったものだ。

1920年、日本は国際連盟よりミクロネシア地域の統治を委任された後、トラック環礁の大きく、環礁の周囲には限られた水道しかなく、潜水艦の侵入を防ぐことも容易であったという地形に目をつけ、ここを海軍の艦船の一大根拠地として建設した。

1941年、日本が第二次世界大戦に参戦すると、トラック諸島は本土からの補給物資の集積地、前線への出撃拠点として、最重要基地としての機能を果たした。

しかし、1944年2月に、米軍機動部隊戦闘機によってチューク環礁内外に集結していた日本の艦艇や商船など二日間の攻撃でおよそ80隻がつぎつぎと沈められてしまったのだ。

その時の艦船群が環礁内に、現在も、透明度の高い海と、環礁に守られて、原型をとどめて、数多く沈んでいるのだ(詳しい経緯は09年8月29日のブログを参照)。

なんと云ってもここを有名にしたのは、ジェームスキャメロン監督の映画「タイタニック」のエンディングの水中シーンの沈没船の時代の流れを感じさせかつ青い光の幻想的な映像はここの「富士川丸」の廊下部分が使われたことであろう。

透明度の高い海の中、原形をとどめた大きな船の内を探索し、当時の状況を窺い知ることが出来る、チュークでのレックダイビングには何度行っても心踊らされる。

しかし、レックダイビングには神秘的で幻想的な光景や冒険心を楽しむだけでなく、私には水中に眠る文化遺産や財宝を探し調べる水中考古学を彷彿させるようで大変好きなダイビングなのだ。

現在、海や湖の下にある遺跡に注目が集まっているという。

沈没船、海底遺跡、湖底や川底の遺跡など、水中考古学は陸上と比べて調査に手間がかかるが、保存状態がいいケースもあり、ユネスコの水中文化遺産保護条約も2009年1月に発効し、大学に専門講座が置かれるなど、水中考古学が活躍の場を広げつつあるという。

水中考古学に触れた最近読んだ本で
日本の水中考古学の先任者である
 
井上たかひこ著「海の底の考古学」舵社刊 1500円

そしてこの著者をモデルにしたようなオタク的な海洋学者が登場する 
笹本稜平著「 遺産」小学館刊 1900円 が印象深い。

「海の底の考古学」は、
世界各地のさまざまな場所での水中考古学の活動内容を記したもので、タイタニックやクレオパトラの海中宮殿など、どれも有名な遺跡ですから興味をそそられる。

トラック諸島に関しても未発見であった「さっぽろ丸」の2002年の調査についても触れている。

著者は調査のことをとても楽しそうに語っているが、水中考古学では特に重要視される遺物の保存に苦労する様子が窺われた。

「遺産」は海洋冒険ロマン小説だが、それだけで終わっていない。

日本から2000km、太平洋の真ん中に眠るマニラ・ガレオン船とこの船と運命を共にした大航海時代に海に生きた一日本人とその子孫である若い考古学者とのの魂の邂逅。

400年の時を経て、17世紀の沈船の発見と引き揚げを巡って展開される水中考古学者対トレジャーハンターの熾烈な争奪戦。

さらには地震に火山、新島誕生に国家間の権益争い。
息もつかさぬ展開だが水中考古学の取り巻く世界を理解するには格好の小説だ。

海に沈んだ古代文明、謎のアトランティスやムー大陸の伝説は今なお私たちのロマンや冒険心を掻き立ててやまない。

そんな気持ちの昂りの一片でも感じ取れればと意気込んで明日よりチューク(トラック)諸島へ行ってきます。

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長かった正月の休みもとうに終わり普段の生活に戻っているが、振り返ってみると今年は本当に静かな休みであった。

普段であれば人混みの少なそうなところを見つけてダイビングに行っているのだが、昨年のフィリピン・マラパスクアのダイビングが台風30号災害で中止してからどうも次の計画がうまくいかずとうとう今年の正月はダイビングに行くこともなく本当に読書三昧の日々を過ごすことになった。

長い休みにの期間中何故かアクション小説が多かった。
年初めにあたって、「2014年の経済展望」なる本や雑誌を買い込んだのだが殆ど読まずアクション小説に没頭してしまった。

読んだ本は

「ウバールの悪魔 上、下」 ジェームズ・ロリンズ箸
  竹書房刊 各667円

「失われたノアの方舟 上、下」ボイド・モリソン箸
  竹書房刊 各667円

「米中開戦  1,2 」トム・クランシー箸
  新潮社刊 各630円



まず「ウバールの悪魔」だが

ウバール:砂漠に消えた古代都市・・・最近安倍首相が中東・アフリカ4カ国歴訪で最初に訪れたアラビア半島南端のオマーン国・コーランや『アラビアンナイト』で懐かしい国だが、この国の南部に紀元300年頃、乳香の交易路沿いにあってシバの女王のもと繁栄したが、悪徳が栄えたため神アラーが戒めのために破壊されたとされる都市だ。

その場所は数千年間、不明のままで、その存在は伝説のものとして考えられていたが、1992年、米航空宇宙局(NASA)の協力で衛星画像を用いた調査の結果ウバールの位置が解明され、またその原因が大規模な天変地異だったことが明らかとなった。

古文書の中にしか存在しなかったこの伝説のロマンの都市ウバールを舞台としたのがこの小説である。

本書は「マギの聖骨」「ナチの亡霊」「ユダの覚醒」「ロマの血脈」(2013年5月7日、6月15日、11月30日付けブログを参照)と専門分野の博士号を持ち、特殊訓練を受けた秘密特殊部隊:シグマフォースのシリーズであるが、発刊は遅いが、著作時期は一番早くシリーズ“0”の扱いとなっている。

内容は
激しい雷雨に見舞われた深夜、大英博物館で起きた爆発事件により一人の警備員が犠牲になった。
博物館の学芸員サフィア、彼女の幼馴染みで大富豪のキャラ、サフィアの元恋人の考古学者オマハは爆破事件がキャラの父の死の謎と関連があると、オマーンの砂漠の失われた都市「ウバール」と向かう。

一方、シグマフォースの隊員ペインターは大英博物館爆発事件の陰に、無尽蔵のエネルギー源である反物質の存在をつかみ、サフィアたちに同行する。
だが、テロ組織ギルドも反物質入手を目論んでいたのだ。

ウバールには超大型の砂嵐が迫っており、その影響で不安定になった反物質は膨大なエネルギーを放出し始めた。
果たしてペインターはギルドの野望と反物質の暴走を阻止することができるのか?


いつものように、歴史的な仮説に基づく構成や科学的事実を盛り込んだストーリーに引き込まれるが、反物質、単為生殖、球電、水の分子構造、バッキーボール、地球起源地下水…そして、失われた都市ウバールへの探求と興味尽きず、ただのアクション小説でない所が好きだ。


「失われたノアの方舟」は
著者が自費出版した電子書籍の口コミからブレークした作家で、俳優、バージニア工科大学で工学の博士号を取得したエンジニアでもある異色の人だ。

上述のジェームズ・ロリンズも大絶賛という触れ込みで、歴史的遺跡、科学的解明とスピード感あるアクションと作風がよく似ている。

ただこちらは世界有数の民間エンジニアリング企業の主任エンジニアが主人公だ。


考古学者デイララ・ケナーは、父がライフワークとして長年探し求めてきた“ノアの方舟”と、それによって莫大な数の人間が死ぬ可能性があるという衝撃を知らされ、元陸軍兵だったタイラーの協力を求める。
“ノアの方舟”の謎とは?
そして、人類の文明を壊滅させようと企む、カルト集団の計画とは?
真相に近づきはじめた2人に残された時間は、たったの7日だった…。


ジェットコースターの様なアクションの連続と、アララト山にあるとされている”ノアの方舟“への理論的解析と大胆な解釈には驚かされるが謎ときとしては今一つ。


「米中開戦  1,2」
ジャック・ライアンシリーズの最新作で4編からなる内の前編。
後編は2月初め発売予定の事。

領土拡大を図る中国の脅威は陸、海、空はもとより、宇宙やサイバー空間までが戦場になるのか?
経済破綻が必至となった中国は台湾を取り込むべき、南シナ海で軍備を増強する・・・・。

詳細は後篇を読んでから書きます。

本月9日、米国は中国海南省が最近、南シナ海の公開で外国漁船への規制を強化していることを明らかにした。
規制に触れた場合、外国漁船が海域からの強制退去を命じられる恐れがあるとのこと。

中国は一体何を考えているのだろうか。
小説が事実になりつつある。

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