先週末(26日)、フィリピン・マラパスクアのダイビングから無事帰国しました。
60歳過ぎから始めたダイビングで大物、大物と追いかけ、9年目にしてやっとニタリを見ることが出来ました。

度入りのマスクのため、近くの小さなものが見にくく、又、ゆったり、まったりのダイビングより、もともとアドベンチャラスで豪快なダイビングの方が趣向的に合っていたため、必然的に大物や群れや地形、沈船等を目当てにダイビングを目指してきた。
大物に関しては、クジラ(水中ではまだ見ていないが・・)、イルカ、ジンベイ、マンタやサメ類などをを追いかけてきたが、特にサメ類でダイバーが夢中になるのがハンマーヘッドとニタリサメであるが、私はニタリサメはまだ見ていなかったのだ。
前回のブログ(2014年4月18日付)に書いたように、ニタリはオナガザメ属(マオナガ、ハチワレ、ニタリ)に属するがいずれも、体の半分程を占める極端に長い尾鰭が特徴である。
オナガザメの三種とも外洋性でダイバーには中々見ることが出来ず”幻のサメ”といわれているが、ニタリだけは沿岸にも現れダイバーが目にすることが出来るのだ。
このニタリがフィリピン:セブ島北端部のマラパスクア島で何故か高確率で遭遇できるということで以前から計画していたが、台風災害などがあり、やっと今回実現することが出来たのだが、その結果は・・・・・。
ニタリが” 高確率で遭遇”の謳い文句に偽りはなかった。
目の前を長い尾を振りながら泳ぐ優雅な姿に見とれ、黒い大きな優しそうな目に魅入られてしまった。
永年追いかけてきてやっと見ることが出来ため感激も一入だ。
でもニタリに遭うのもそう簡単ではないのだ。
ニタリはマラパスクア島から船で小一時間の「モナドショール」というポイントだけで見られ、それも早朝に限られている。
そのため、早朝の4時前に起き、まだ真っ暗な4時半には出発するという夜型の人間には大変な苦行なのだが、ポイントに着くころには薄らと明るくなるが、装備を付けてまだ暗い海に飛び込み、水深30mぐらいのところでじっとニタリが現れるのを待つのだ。
ニタリ狙いのダイビングは今回5日間のダイビングで初日(流石に前日夜遅く到着して翌4時前起きは厳しいので)を除く4日間であったが、最後の日は急遽ハンマーヘッド狙いに切り替えたため、実質3回のニタリ狙いダイビングを行った。
第一回目はガイドは遠くに見たと云うが、私には見えず不達成。
第二回目はガイドが指す方向にニタリが長い尾を振らながらゆったりと泳ぎ去る姿とドロップオフ下を泳ぐ姿を上から見、半達成というところか。
第三日目は待機場所に到着するや目の前を次から次へと何尾ものニタリが現れ、長い尾を振り振り優雅に泳ぐ姿と、間近で見る優しそうな大きな黒い目には本当に魅入られてしまい、大大達成だ。
第四日目はニタリのポイント近くにハンマーヘッドが出ているということで急遽ポイントを変更した、が、二つのグループのうち私たちは何も見ることが出来なかったが、他のグループはハンマーヘッドの大群に出会ったという。
船上に戻り興奮して口々に云う言葉は40尾はいた、いや25尾まで数えたが・・・・。
いずれにしても大群のハンマーヘッドを見ることが出来たのだ。
残念であったが仕方がない、それにしても、ハンマーヘッドは5月頃までの季節限定であるが、ニタリは一年中遭遇できるという世界でも珍しくも恐ろしい海であることが実感できた。
こんな凄い海なのに日本人ダイバーは少ない。
私が出会った日本人ダイバーは入れ違いに帰られた男性と私の最終日に来られた新婚夫婦の3人だけだ。
本当に欧米人はサメが好きだ。
サメが出るポイントは古くから欧米人が開拓して来て、ここマラパスクアでも10数軒あるダイビングショップも日本人経営のショップは一軒のみで他は欧米人の経営だ。
今回私がお世話になったのは「Blue Heaven」と云う日本人が経営されているショップだ。
経営者は私と同じ神戸出身の北川裕之氏で、永くフィリピンを中心に海外のポイントを潜って来られ、ここマラパスクアに魅せられ、2年ほど前に日本人初のショップを立ち上げたが、昨年の台風で大きな被害を蒙ったが、大変な努力を重ねて早期に復旧させた剛腕の経営者だ。
それから最近仲間になられた黒澤奈緒美さん。
彼女はJICAを通じて二年間マニラで仕事をされ、コロンでダイビングインストラクーをされた後、更に、自分でショップ経営をめざし、北川氏の指導を仰いでいるという。
本当にこんな若い人達が現地の人々と信頼しあって心一つにして頑張っている姿を見ると、日本とフィリピンの間柄は政治も経済も大事だが、根っこのところで両国の信頼関係を築き上げてくれているのだと実感できる。
北川さん、黒澤さん
本当にお世話になりました。楽しい一週間でした。
お体に気を付けて頑張ってください。
又、近いうちに是非行きたいです。