My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

2014年08月

 
コスタリカ・ココ島ダイビングへの出発日までやっと20日を切った。
 
711日に旅行料金の残金を振込、これで旅行代金全額を支払ったことになるのだが、この時点で旅行出発日まで60日を切っており、契約によると自己都合でキャンセルすると旅行代金全額(100%)がキャンセル料として取られてしまうことになるのだ。
 
クルージングの場合、旅行費用の船の部分とその他航空機、ホテルなどの部分では普通キャンセルクローズの内容が違うのだ。
 
今回のツアーのキャンセル料金は少し前のブログにも書いたが
 
 
私が最初に申し込んだのが4月の初めで、頭金として20万円振り込んだのだが、すでにこの時点でのキャンセル料金は
 
「クルーズの部分」の ”180日前より出発当日まで ・・・クルーズ代金の100%”の項目に当てはまっていたことになる。
 
今考えると、もし頭金を払った後すぐに、何らかの自己都合でキャンセルした場合、頭金の20万円は没収され、さらにはクルーズ部分の費用とされる約60万円との差額40万円を支払わなければならないのだろうか。
 
行けなくなってしまった旅行に、頭金は仕方がないとしても、さらに追い銭のように差額を支払うことは心情的に納得できないところであるが・・・。
 
 
 調べてみると、商行為の契約時に最初に支払う金額には色々なものがあることがわかった
 
「頭金」、「内金」、「申込証拠金」、「申込金」、「手付金」、「一時金」などがが頭に浮かぶが,
業界によっても意味合いが変わることもあるようだ。
 
 
まず、一般的に「頭金」という表現を多く使用することがあるが、「頭金」という言葉は、法律的な意味合いや明確な定義はないらしい。
「頭金」= 「内金」
として使用している場合が多く、
「内金」の大きなポイントは、
 
  ・売買代金の一部として支払われるお金
  ・よって、売買契約は成立している
  ・簡単には、契約解除ができない

 
ということらしい。
 
 
 
では、「申込証拠金」は「申込金」と言われることもあり、

”契約の予約”という意味合いになる言葉とのこと。

従って、「申込金」又は「申込証拠金」として最初に支払い、契約が成立しない場合は、

  ・購入をやめたときは、返金される

という点がポイントだ。
ただ、業界によっては返却されないケースもあるとのこと。

そのため、「申込金」を支払った場合は、

「領収書」ではなく「預かり証」が発行されるのが基本らしい。


では、「手付金」は、何が違う?
 
手付金には、

  ・契約の成立を証拠としての「証約手付」
  ・契約の解除権の留保を目的とする「解約手付」
  ・債務不履行があった場合の違約金の性質をもつ「違約手付」

3つの意味があるが、通常は、「解約手付」を意味していることが多いらしい。

住宅などの購入時、「手付金」を支払うということは、民法557条1項で
 
購入する側の人は、

  ・手付金を放棄することで契約解除ができる

また、売り主側も

  ・手付金の2倍のお金を支払うことで契約解除ができる(契約履行前)

という点が特徴らしい。
 

最後に「一時金」は
 
賃貸契約の際に賃料とは別に借主が貸主に支払う金銭のことをいい、一般には、次のものが挙げられる。 

・敷金 ・保証金 ・権利金 ・礼金 ・更新料などをいい

一時金は商習慣などによりかなり違いがあり、関西、関東、中部と地域差が濃厚だ。
一時金の中には「預かり金」として退去時に返却されるものと、されないもの、一部償却されるものがある。
 
ただ、本契約前に支払った「一時金」はキャンセルの場合は返却されるようだ。
 
 
ややこしい、あまり意識せず使っていたが、その都度十分、注意、確認が必要のようだ。
 
 
今回の私が契約した、ココ島ダイビングツアーに当てはめてみると、
 
旅行会社に電話で空席を確認し、参加する意思を伝えると、それでは・・・と、「頭金」または「申込金」(どちらをいわれたのか覚えていないが)を支払ってくださいとのことで、振込を行った。
 
46日に頭金(?)を振込み、そして711日に最終的に残金の振込をしたのだが、4月から7月の最終振込時までの3か月余りの間に、もし自己都合でキャンセルする必要が出た場合、頭金(?)では足らないキャンセル料金の差額を上乗せして支払う必要があるのか、はたまた、そんなことはないと思うが、頭金(?)が戻ってくるのか、あまり確認もせずに契約していたのだ。
 
そんな最悪な事象が発生しなかったからよかったが、もしかしたら、喧々諤々、大騒ぎになるところだったかも。
 
実態はどうであったか?、旅行会社からの最終残金払込みの請求書を見てみると
 
 旅行代金:      zzz円
 お申込金:        0
    残金:      xxx(今回の支払請求金額)
 入金済額:          yyy
 
と書いてあった。
 
このことは私が支払った前払い金は
全体の中の一部を示す「内金」の扱いのようで、この事はすでに契約はされており、簡単に契約解除は出来ない(決められたキャンセル料金の支払いが必要)ものであったようだ。
 
 
金額が高く、キャンセル料の支払いが厳しいツアーは、今回は問題なかったが、今後は十分な確認が必要と反省しきりだ。
 
 
さて、出発まであと2週間ちょっと、この間病気や怪我などしないよう十分注意しないと、せっかくここまで来たのに・・・・と、悔やむことになってしまう。
 
 
今回のココ島ダイビングクルージングツアーは、予約してから出発まで長期間待たされ上、キャンセル料金などに悩まされるが、いい状況の変化もある。
 
春ごろには、この夏にエルニーニョが発生か? と報じられたが、最近の予想ではかなり遅れると変わってきているのだ。
 
もう一つは防水ケースなしで水深25mまで水中撮影可能なカメラが発売され、即購入したことだ。
 
 
まず、エルニーニョの件は
 
8月11日付けの日経新聞に
 
「エルニーニョ、秋から冬にかけて発生する可能性低下、気象庁」
 
気象庁は11日、ペルー沖のエルニーニョ現象について、秋から冬にかけて発生する可能性がこれまでよりもやや低下したとする観測結果を発表した。
 
当初は今夏の発生を予測。その後の7月に「秋から冬にかけて発生の可能性が高い」としていたが、今回はさらに内容を下方修正した。
とあった。
 
エルニーニョ現象は太平洋東部赤道海域で海面水温の高い状態が続く現象で、異常気象の原因となるものだ。
 
太平洋の赤道付近では普段、東から西へ貿易風が吹いているが、時に風向きが逆転する。
これが西風バーストで、海水温の分布を大きく変えて「エルニーニョ」のきっかけをつくることがある。
 

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ダイビングへの影響面から見てみると、
 
地球の海底のを数千年かけてゆっくり流れる、冷たく栄養分を豊富に含んだ深層水(熱塩循環)はアメリカ大陸の西岸にぶつかり海面まで上昇すると、太陽の日射によりプランクトンが大量に発生し、小魚が集まり、それを狙う大型魚類も回遊する豊かな海となる。
 
だが、西風が強く吹くと、海面の暖かい海水がペルー沖まで押しやられ、冷たい深層水の上昇が抑えられ、プランクトンが発生しにくくなり、魚も少なくなってしまうのだ。
 
ダイビングでは見れる魚が少ないとか、冷たい水を好むハンマーヘッドが海面近くまで上がってこないため見ることが出来ないとかいう問題ですむが、エルニーニョの発生は冷夏などの異常気象をもたらし、世界中の農作物に影響を与えると共に、小魚の発生が少ないということは、それを捕食する海洋生物が繁殖をやめてしまうような生態系に大きな影響を与える大問題なのだ。
 
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何はともあれ、エルニーニョの発生の可能性が後退したということは、世界の気象、食糧、生態系にとって喜ばしいことであるとともに、私共ダイバーにとっても、小物や大物が乱舞する豊穣の海を存分に見ることが出来ることで、ますます期待が膨らむ所以である。
 
それにしても、最近の異常気象は驚きの連続だ。
 
6月24日、首都圏に大量の雹(ひょう)が降り「あっという間に真っ白に」となったかと思えば、50年に1度起きるかどうかの異常事態に対して出される特別警報(台風の場合、死者・行方不明者が5000人を超えた1959年の伊勢湾台風級が予想されるときに出す)が7月に沖縄に発令された。
 
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更に今月20日未明に広島に局地的な豪雨による土砂崩れが発生して多くの人がなくなっている。
 
この時の雨量が半端でない。
 
20日午前350分ごろ、安佐北区で1時間雨量が120ミリを超えため、「記録的短時間大雨情報」がだされたが、午前4時半までの3時間雨量は観測史上最大の217ミリに達し、平年の8月1カ月雨量(143ミリ)を上回ったとのこと。
 
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人間の活動により世界の平均気温が上がっているとされるが、現在は気温の上昇にブレーキがかかったようになっているらしい。
これは、地球の受け取る熱が太平洋の深層に蓄積されやすい状態になっているためらしく、海がより多くの熱を吸収するので大気の温められ方が弱く、気温上昇が抑えられているとのこと。
 
何かのきっかけでこの状態が崩れ、海から大気へ急激な熱量の転換が起きれば、大気の流れに変調をきたし、世界各地で豪雨や竜巻、干ばつなどが頻発る恐れがある。
 
コンピュータによる天候予測技術は進歩しているが、まだまだ地球規模の巨大な気候変動メカニズムを解き明かすことは難しいようだ。
 
日々災害に個々に備えろということか。
 
 
さて、最後にダイバーにとって嬉しいカメラが発売された.
 
 
86日付けの日経新聞の新製品紹介欄に オリンパス、リコーイメージング、キヤノン3社の
アウトドアで気兼ねなく使えるという防水コンパクトデジタルカメラの紹介記事が掲載されていた。
 
それによると、各社ともアウトドア使用を念頭に堅牢性と防水性機能を向上させ、更に、顕微鏡のような拡大撮影や全地球測位システム(GPS)による位置情報記録など機能も充実し、さらには防水ケースなしでスキューバダイビングに使えるような機種も登場したとある。
 
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私は現在ダイビング用に、「オリンパスμTough」というカメラを防水ケースに入れ、大きな魚眼レンズをつけ、フラッシュライトと最近購入した「Sony Action Cam(頭等につける小型ビデオ)をとりつけて使用しているが、何しろ嵩が大きく、重たく機動性がないことに不満を持っていた。
 
 
そんな中、デジカメむき出しで水深25mまで撮影可能というカメラがCanonから発売されたのを知り、口コミなどを調べてみると、”水深25mまでの撮影は何ら問題なく、34mまで潜っても本体は壊れることなく、ただ、水深が25m以上になると水圧で操作ボタンが常に押されて撮影は出来なかった”などと書かれていた。
 
勿論、即購入したのはいうまでもない。
 
水中撮影するダイバーなら誰しもが、防水ケースのシールのケアーに神経を尖らしている。
が、このカメラであれば気楽にジャケットのポケットにでもいれて飛び込めるのだ。
 
ダイビングスタイルが大きく変わるかもしれない。
 
 
だが、やはり水中写真にはライトが不可欠で、このカメラについているフラッシュはレンズの直ぐそばにありダストの映り込みが心配だ。
 
結局、今の装備も持って入らなければいい写真は撮れないのかもしれない。
 
ということは、ダイビングに行くときは オリンパス、ソニー、イノン(フラッシュライト)、パナソニック(陸用一眼)に加えてキャノン(今回購入のD30)用の充電器、予備電池及び記録用メディアを持ち運ばなければならなくなってしまったことになる。
 
今でも30kgを超す荷物で、少しでもを軽減しなければならない時に逆行することになってしまったが、大、小のカメラ、その場その場にあった使い方をすればよりいい写真が撮れるかもしれないと期待しよう、
 
 
エルニーニョは後退し、ハンマーヘッドの大群の出現も見込め、新しいカメラも手に入れて、より楽しいダイビングが期待できそうだ。

 
あっという間に8月に入り、夏休みも後半戦に突入したというところか。
仕事を辞め、生活パターンが単純化してきたためか、または単に年のせいなのか、時の移り変わりが益々早くなるような気がしてならないのだが。
 
毎日が日曜日の私にとって、暑く、混んで高くなる夏休みに敢て出かける必要もなく、今年の夏もいつものように、家じゅうの窓を開け放ち、涼しく吹き込む風にさらされながら読書三昧と決め込んでいます。
 
こんな暑い夏だからと、身も心もスキットとなるようにと、過去購入して平積していた本の中から私の好きな歴史・アクション小説を数冊取り出し読破したのでご紹介します。
 
 
ただ、やはり気になる中国の話にちょっと触れてから読書の話にしたいと思います。
 
まずは食の問題で、「上海福喜食品」という外資系の会社が使用期限切れや、カビだらけになった肉を使った加工品を出荷していたの問題は日本の消費者に大きなショックを与えた。
 
放映されたビデオ見ると吃驚する。
青黒くカビが一面に付着した大きな肉の塊ベルトコンベアー運ばれ加工機へ、そして床に落ちた肉を手ですくい機械に戻している作業員たち。
 
問題が発覚した後での従業員へのインタビューで、
「どこでもやっている事でしょう」、「なんでそんな些細なことを問題にするの」、「食べても死にやしない」・・・・
 
本当に愕然とする。
”食”作りに与るものとしての、モラル、自覚、矜持なるものは一切感じられない。
 
 
 不思議な国民だ。
中国国内に出回る加工食品などいったいどんな混ぜ物が混入されているのか、人体に有害な違法な薬物がどれだけ使用されているのか、わかったものではないと、自国製品に対する不信感を世界の誰よりも根強く抱いているのは、ほかならぬ中国人自身で、日々の安全な食物の確保に躍起になっている。
 
なのに、自分が作る側になると目先の利益が優先され、他人のことは考えなくなってしまう。
 
そのうえ、中国は水もダメ、空気(PM2.5)もダメ、人間が健康的に生きられる環境がすでに失われているというのに・・・。
 
年々深刻化する環境汚染は中国人の健康を確実に脅かしている。
データにもはっきりと表れている。
 
世界保健機関(WHO)によると「肺、胃、肝臓、食道」の4つのがんの発生数、死者数は世界一。
新規患者の国籍は、肝臓がんと食道がんの5割が中国人。
胃がんは4割、肺がんも3割を超す。
世界人口に占める中国の比率(19%)を大きく上回る。
大気汚染などの原因で平均寿命は5年半縮まったという。
8/4付 日経新聞電子版「環境亡国・中国 「不!(NO)」突き付けた市民」より)
 
 
それに中国の国技ともいうべき「汚職」が絡む。
 
今回の事件が露見した直後、上海福喜食品の5人の中国人幹部が当局に逮捕された。 やはり、事件の背景には汚職が絡み、彼らの私利私欲がおぞましい事件を引き起こしたのであろう。
 
中国の「汚職」は全く規模が違う。
 
中国共産党は29日、周永康・前党政治局常務委員を「重大な規律違反」の疑いで調査し、立件・審査を進めていると発表した。
習近平指導部が「虎(大物)もハエ(小物)も一緒にたたく」とのスローガンのもと進めてきた反腐敗運動が、最終局面を迎えつつあるとの見方が広がった。
 
2012年秋に引退するまで中国の最高指導部の一角を占めていた周永康氏は、胡錦濤前国家主席時代に党最高指導部まで上り詰めた実力者で、「石油閥」の中心人物だ。
 
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ネット情報では、拘束された周氏関係者は300人を超え、当局が周氏と親族から900億~1千億元(約1兆5千億~1兆6千億円)相当の財産を押収したとも伝えられている。
汚職の金額大きさもさることながら、その関与者の規模も信じられないほどの大きさだ。
 
習氏が国家主席に就任してから、反腐敗キャンペーンは政権の最重要課題となっているが、今までに、閣僚級以上の役職を持った党高官の3分の1近くは党による調査・追及を受けているという。
13年に収賄などの汚職で摘発された中国の公務員は5万人超、13年初頭以降、70名近くの高官の多くが自殺しており、その大半は党による追及・審査を受けた後であるという。
さらに、14年の最初のわずか5カ月間で約63000人の政府高官が汚職容疑で懲戒処分を受けたといわれている。
 
ただ、懸念されるのは、党内の腐敗摘発と平行して、党の外では情報統制や抑圧的な宗教・民族政策など締め付けを強めていることと、習主席の仲間は粛清を免れており、最も人目を引くような粛清対象者は、同氏の政治的野心にとって最大の脅威となる人物ばかりだと批判の声もある。
 
そんな中、
中国の国営新華社は3日、新疆ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県で7月28日起きた襲撃事件で、死者が容疑者と市民を合わせて96人に上ったと伝えた。
 
刃物で武装した容疑者グループは28日朝、地元政府庁舎や警察署を襲い、市民37人が死亡した。死者のうち35人が漢民族、2人がウイグル族だった。
 
当局は容疑者グループの59人を射殺し、215人を拘束したという。
ウイグル族を巡る暴力事件では、区都ウルムチで197人が死亡した2009年の暴動以来の規模である。
 
当局の弾圧とウイグル族の抵抗の悪循環が続き、自治区の治安は悪化している。
 
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中国は一体どうなるのだろうか? 食の問題、環境、治安、汚職、不動産暴落・・問題だらけだ。
 
「反日」なんて言っている暇はないのだが・・・国内に問題だらけだからこそ反日なのであろうが。
 
 
中国の問題を書きだしたら尽きないが、今回のテーマである読書に移る。
 
今回の夏休みに読んだ「歴史・アクション小説」は次の4冊だ。
 
1. ケルトの封印 (上下) ジェームズ・ロリンズ著  竹書房文庫刊 各700
2. 蛮族王アッティラの秘宝を探せ (上下)  クライブ・カッスラー著
                              SB文庫刊 各650円 
3. ヘラクレスの墓を探せ (上下) アンディ・マクダーモット著
                              SB文庫刊 各780
4. テロリストの回廊 (上下) トム・クランシー著 新潮文庫刊 上790円 下840
 
であるが、4番目の「テロリストの回廊」は歴史・遺跡のテーマと関係ないが、著者トム・クランシーが昨年10月に66歳で急逝された後発刊された本で、発売即購入したが読む機会がなく今回になってしまった。
 
氏は軍事・諜報をテーマにしたアクション小説を書き、私のよく読む作家の一人であったが、大変残念だ。
 
それでは、各本の簡単な内容と感想などを紹介していくことにします。
 
 
1.「 ケルトの封印」
 
この作品はジェームズ・ロリンズの「シグマフォース・シリーズ」5作目でシリーズ外で「アイス・ハント」という本も発刊されている。
 
共に、氏の作品は、歴史的事実・科学的事実に関する豊富な知識を背景に、スピード感のあるアクションが特徴で、私の大好きな作家で翻訳済みの全てを読んでいるが、いつも歴史的事実の詳細な調査には驚かさせ、楽しまさせて貰っている。
(氏の紹介や作品などは「ウバールの悪魔」のブログを参考にしてください)
  
内容をBookデーターから紹介すると
癒しか、呪いか? その封印が解かれし時・・人類は未来への扉を開くのか? それとも破滅へ一歩を踏み出すのか?
 
ケルトの伝説、アーサー王伝説、環状列石、黒い聖母マリア、聖マラキの預言といった歴史的側面と、遺伝子組み換え作物、地球の人口問題、世界種子貯蔵庫、蜂群崩壊症候群(ミツバチの謎の失踪)といった科学的側面・・それらが結びついたその先にあるのは、人類の運命がかかった「ドゥームズデイ・ブックの鍵」その鍵を求めて、シグマとギルドが対決する最終決戦の地は、世界有数の厳重な警備を誇る場所だった……
 
DARPA〈国防高等研究計画局〉の新長官の就任で〈シグマフォース〉はどうなるか? 『マギの聖骨』以来の登場となるレイチェルとグレイソンの関係は? そして謎の女・セイチャンの存在とは? そして〈ギルド〉とは何か……? 様々な要素が絡み合い、物語は新たな展開を迎える!
 
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いつものごとく盛り沢山の歴史的側面と科学的側面を組み合わせに、シグマと謎のテロ組織ギルドの熾烈な戦いが絡む。
 
だが、今回の作品の背景の主要テーマは「地球の人口問題だ」。
 人口問題はすでにローマクラブの「成長の限界:人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と1972年に警鐘が鳴らされていたところであるが、その解決策として有効な手段がない。
 
それは
「人は幾何学級数的に増加するが、食料は算術級数的にしか増加しない」ということで、食糧増産を化学肥料や農薬の大量投入により図ろうとすると、土壌の塩害、酸性化、地下水の汚染等による新たな問題を誘起し、
一方、人口減少策は人権や倫理面の問題も絡み難しいため、人口爆発は依然として衰えを知らず、このままでいくと食糧問題、エネルギー問題で人類の将来は非常に暗い。
 
このような状態の中で、本作品ではテロ集団が自らの生き残りのために、世界の人口を減らす計画を画策するさまを描いている。
 
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難しい問題だ。
折しも、2014/8/3日本経済新聞 朝刊に
 
 
人は生きるために食べ、食べものは農が育む。
日本の国内総生産(GDP)のうち農業は1%にすぎず、食べものは4割しか国内でまかなえない。2050年には90億人が胃袋を満たそうと競い合う世界が待っている。
備えは十分か。市場の広がりを追い風にできるか。環境を守り、安全と安心をどう確保するのか。
日本の食と農も変わらなければ生き残れない。

と書き出し、 本作品の舞台となった、北極海に浮かぶノルウェー領スピッツベルゲン島のスバールバル国際種子保管庫を紹介している。
ここは、米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ(58)の財団による寄付などで08年に稼働した現代の「ノアの箱舟」だ。イネと麦は各15万種、トウモロコシは4万種……。世界中から集めた80万品種の種が零下1718度で凍って眠る。
 
話が長くなったが、ジェームズ・ロリンズ氏の作品は単なるアクション小説でなく、現在問題となっている世界的課題についてそれとなく思い越させてくれるので好きだ。
 
 2. 「蛮族王アッティラの秘宝を探せ」
 
本作品はトレジャーハンター・ファーゴ夫妻のシリーズで
 
Bookデーターによると
西暦453年、フン族王アッティラが毒殺され、その遺体と共に膨大な宝物が隠された。知り合いの考古学者フィッシャー博士から、ハンガリーでのフン族のものらしき遺跡発見の報を受けたファーゴ夫妻は、アッティラの墓のありかを示す暗号を解くことになる。
 
ハンガリーにはフン族の遺跡に強い関心を持つ財界の大物アルバド・バコという男がいて、自らをアッティラの子孫と主張しアッティラの墓と財宝をわがものにしようとしていた。バコはファーゴ夫妻らに王の墓を発見させ、それを横取りしたのち彼らを亡き者にしようとしていたのだ・・・。
 
フン族王アッティラに関して色々記述してあり興味深く読んだが、共同執筆者が変わったためか、今までの作品と雰囲気が変わってアクション主体になってしまった感じがするのが残念だ。
 
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それにしてもこのファーゴ夫妻はお金持ちで、力があり、知恵は人一倍で政治力もある。
アメリカ人の理想家の夫婦なのであろう。
 
 
3. 「ヘラクレスの墓を探せ」
 
「アトランティス殲滅計画を阻め!」に続く、冒険スリラー小説第2弾。
 
Bookデーターによると
世界各地の文化遺産保護のため、国連に新たに設置された国際遺産保存局(IHA)は、水中探査船で遺跡の引き上げ作業を行っていた。
そこへ謎の集団が現れ、作業員を抹殺、機密ファイルを奪うと探査船を沈めて消えた…。
 
一方、IHAの役員を務める考古学者のニーナ・ワイルドは、プラトンの幻の著書『ヘルモクラテス』に、ヘラクレスの墓への言及を発見し、墓は実在すると確信する。
『ヘルモクラテス』原典に何千年ものあいだ隠されてきた暗号は解読できるのか?彼らに迫る、謎の組織の正体は?
 
 
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ヘラクレスはミーノータウロスを退治したテセウスとともにギリシャ神話の2大英雄として有名で、なかでもヘラクレスは美徳の道を行くか、悪徳の道を行くかの「ヘラクレスの選択」や「ヘラクレスの12功業」などの逸話が多く、私も何度かブログに書いた記憶がある。
 
このヘラクレスに関して本書で更に詳しく書かれているのでないかと期待したが、
ギリシャの哲学者プラトンが著した対話集・『ティマイオス』・『クリティアス』・『ヘルモクラテス』で、クリティアスではあの有名なアトランティスのことに詳しく触れているが、ヘルモクラテスについては書かれなかったということが定説であるが、
 
本作品ではその原本がが見つかり、そしてそこにはヘラクレスの墓の地図が暗号化されていいたという仮説で話を展開させている。
 
歴史的考察はここまでで後は善悪入り乱れたアクションとインディージョンズなどにも出てくる墓のいくつもの(ヘラクレスの12功業になぞられているが)秘密の仕掛けを解き明かしながら通過していく話だ。
 
歴史的側面の記述が少なく、単なるアクションものになってしまており、ちょっと物足らず残念だ。
 
 
4. 「テロリストの回廊」
 
トム・クランシーが1310月に急逝された後発刊された小説で大変印象深い作品だ。
 
Bookデーターによると
パキスタン沖三海里、会合点F・・。
CIA工作員ムーアは、タリバン捕虜をインド政府から密かに引き渡してもらうためパキスタン海軍の高速攻撃艇で現地に向かう。
しかし、突如、同海軍の潜水艦が出現、魚雷攻撃を受けた。辛くも難を逃れたムーアは事件の調査を開始。
やがてタリバン組織の幹部二人が浮かび上がる。
アメリカが最も恐れる二大巨悪組織、南米麻薬カルテルとタリバン・テロリストが手を組んだのか。
メキシコ国境の警備を強化する中、全米を震撼させる超大型テロ計画が見え隠れしてきた。
あの911の悪夢を阻止すべく、ムーアは大胆かつ意外な行動に出るが・・。
 
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南米麻薬カルテルとタリバン・テロリストが手を組で米国内にテロを仕掛けようとする話だが、色々登場人物と場所が飛び中々全体が理解できなかったは残念だ。
 
 
著者のトム・クランシーは13101日に出身地であるボルティモアの病院で急逝されたのだが
氏の作品はデビュー作で映画化もされた「レッドオクトーバーを追えから、最近作の「ライアンの代価」、そして今回の「テロリストの回廊」まで大抵は読んおり、本当に楽しませてもらった。
 
まだ未翻訳の本もあるようで是非読ましてもらおうと期待している。
 
それにしても66歳で急逝されるとは・・益々円熟して素晴らしい作品を世に出してくれると思っていたのに・・・。
 
残念です。ご冥福をお祈りします。
 
 
話が長くなりましたが、読書は本当に奥が深く、読む人に感動と知恵と熱情を与えてくれるものです。
 
時間ある限りどんどん読んで紹介していきたいと思います。
 
 

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