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今度2月末JALチャータ便でパラオに行くことにきめ、航空券の予約をしたが昨日旅行会社から1月11日発以降の飛行機便の燃油サーチャージが値上げされたので旅行代が変更になった旨連絡があった。

燃油サーチャージ代は12、000円/往復が15、000円になるという。
 
ちょっと待ってくれ15、000円といえば今度の旅費・宿泊代の1割弱ではないか。

いとも間単に値上げされても困るのはこちらである。
格安航空券の場合はもっと顕著である。成田よりニューヨークへの往復で航空運賃58,000円に対して燃油サーチャージを26,000円支払うようなケースもあるという。何のための格安航空券だ。

そもそも何故こんな高額の追加料金を支払わなければならないのか、無駄な抵抗と知りつつちょっと仕組みを調べることにした。

燃油サーチャージ(Fuel Surcharge)は、原油高騰に伴って、航空会社の企業努力で吸収しきれない燃油価格の一部を、乗客に負担して貰おうと考えたもので、運賃と別に徴収するサーチャージ式の導入を1997年にIATA(国際航空輸送協会)が認可し、2001年に導入された。

日本の場合、各航空会社が個別に国土交通省に申請し、認可されているもので、航空会社や区間により料金の違いがある。
この燃油サーチャージは3ヶ月ごとに見直される。指標となるものは航空燃料(シンガポールケロシン)市況価格の3ヶ月平均価格(今回の場合は昨年8月-10月)であり、今回は平均で1バレル90ドル超えた事により大幅な値上げとなった。

勿論追加徴収料金であるから燃油価格が下がれば料金も下がるのだが、廃止される条件は一定期間燃油価格が1バレル45ドルより下回ったら廃止される。
1月29日現在のシンガポールの市況を見ると101.8ドル/バレルだから廃止なんて何時のことやら、逆に4月以降さらなる大幅な値上げが予想される。
燃油サーチャージは航空会社によって違うと言う。
 
それは航空会社毎に燃料を購入している会社が異なることと(とは言っても、そんなに何社もあるわけではないですが)、支払いのための外貨のレートが航空会社ごとに異なっていたりするためとのことだが、ANAは今回の値上げは見送ったと聞く、航空会社の購買の実力とか、ポリシーなんかが大きいのではないかと思うが・・・。

JAL頑張ってくれ、実力のなさをか弱いお客にかぶせても困ります。
又、燃料高騰で困っているのは航空会社だけでないのに、なぜ航空会社だけに追加料金が認められるのか? 

JAL-CARGOのHPにそれらしき回答が記載されていたが、それによると航空業界(JAL)の営業経費のうち燃料費が23%(06年度)で他の陸上輸送機関のそれに比較して2~3倍程度高く、さらに世界的精製能力不足で航空燃料の価格上昇が著しいため、企業の自助努力だけでは対応しきれないとのこと。

本当だろうか? 資源エネルギー庁のHP 「エネルギー白書2007版の部門別エネルギー消費の動向」に各産業別の総費用に占めるエネルギー費用の比率が掲載されているが、これによると(2000-2005年の)航空輸送業界:約9% 道路輸送業界:約8.1%とある。確かに航空業界の方が大きいが、そんな差はない。要は競争が激しく自助努力を強いられるところと、寡占的でお国に泣きつきられる業界との違いだろう。

さらに、燃油サーチャージは燃料高騰分の一部を乗客に負担とあるが、疑い深い私は一部とはどのくらいか試算してみた。

・ベースとなる燃料費よりの値上がり分金額 
90$-45$=45$/159L (1バレル=159L) 45$x107\/159=30.3\/L
・飛行機の燃費 40mから60m/L というから50m/Lとし、パラオまで3000km飛ぶと3000kmx1000/50m/L=60,000L 
値上がり費用分は 60,000x30.3=181万円
・徴収される燃油サーチャージは乗客300人とすると300x7500=225万円

おかしいじゃないか、超概算(燃費も乗客数も超仮定である)だが値上がり分の一部の負担のお願いと云うけれど、値上がり分すべてを負担させ、さらにおつりが来る。
航空業界しっかりせよ強く言いたい。
燃油サーチャージの値上がりへの溜飲を少し下げた私です。

参考資料
日本旅行業協会 「燃油サーチャージについての説明」
http://www.jata-net.or.jp/0708surchrge_guide.htm
此処には、JAL、ANA,シンガポール市況価格のLinkもあります。

資源エネルギー省 「エネルギー白書2007版の部門別エネルギー消費の動向」
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2007energyhtml/html/1-1-1-3.html
JAJ CARGO
http://www.jal.co.jp/jalcargo/fuel