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マーシャル諸島共和国はオーストラリアとハワイの中間、赤道の北、日付変更線の西に位置します。
 (厳密に赤道より4~14度、東経160~173度ですが、私には赤道と日付変更線の真下にあるイメージです)。

200万km2に
広がりますが、陸地はたったの181km2で日本で2番目に大きい湖、霞ヶ浦ほどの大きさです。

マーシャル諸島の29の環礁は、1,225の島と870のリーフで構成されており、コバルトブルーのラングーと白い珊瑚のつくる環礁はその美しさから「太平洋に浮かぶ真珠の首飾り」と呼ばれている。

私をマーシャル諸島に惹きつけたのはコバルトブルーの海や白い珊瑚礁でもなく、ダークブルーの海の中に正面を向いた大きな大砲の口径を一人のダイバーが眺めている一枚の写真であった。

それはマーシャル諸島の北側、ビキニ環礁における沈船、戦艦長門の主砲の写真であった。

ビキニ環礁は、ご承知のごとく1946年、アメリカ軍が行う原爆実験に反対して、フランスのデザイナーが新作発表の水着に”ビキニ“と名付け有名になったのだが、米軍は実験の際に環礁湖に70余りに及ぶ大小艦船を標的に浮かべた。この中には、アメリカの空母サラトガや日本の戦艦長門も含まれていた。

現在、ビキニ環礁は実験による放射能汚染は短期間の滞在では問題ないレベルで安定していると発表されており、ビキニ州はダイビングサービスを立ち上げ、世界でも類を見ない沈船ダイビングスポットとして世界のダイバーの憧れの地となっている。

前述した写真はこのビキニでのダイビングを紹介したものだった。

大物好きで地形、沈船派の私としては、直ちにビキニ環礁でのダイビングの計画を始めたわけであるが、調べていくと実現するためには色々問題があることが分かってきた。

一つは、ここは水深が深く、テクニカルダイビングの分野であること。

テクニカルダイビングとはオーバーヘッド環境(閉鎖環境)と減圧を伴う大深度への潜水であって、直接水面まで浮上することが出来ない洞窟や沈船などの潜水を行うために開発されたもので、通常、我々のレジャーダイビングの領域は普通の空気を使用して安全に潜るには、
最大水深は40mとされていて(体内酸素分圧が1.4気圧を超すと神経系(急性)酸素中毒の危険性が大きくなることより1.4気圧超さない水深56m((5.6+1気圧)x(0.21:1気圧での酸素分圧)≒1.4)からきている)、
 
これ以上深く潜るためには通常の空気より酸素量が少ない空気を使用すればいいのだが、窒素濃度が高くなることで、窒素酔いなどの問題もあり、窒素の変わりに体に吸収されても作用しないヘリュウムを混ぜたものトライミックスというが、テクニカルダイビングではこのような特殊な空気を使用する。

さらに大深度では身体的・精神的ストレスとリスクも増大することより常に継続したトレーニングを必要とするダイビングでもある。
ということで、経験3年の私にはチョット無理な話のようだ。

もう一つの問題は、ビキニ環礁へは首都マジョロから国内線「エアーマーシャル」を利用することになるのだが、これが又、定期飛行といいながら殆ど不定期で(私が調査したときも機材の故障でスケジュールは未定であった)、
欠航が多く、ビキニに行けたとしても帰りはいつになるか分からない。要は一週間程度の休暇では無理で、じっくり腰を落ち着けた工程でなければダメである。

ということで、あえなくマーシャル行きを断念した。

のだが、しかし、めぐり合わせは不思議なもので、前回の沖縄・粟国島でのダイビング帰りに沖縄本島・南部戦跡アブチラガマ(糸数壕)を訪問時、真っ暗な洞窟の中で足を滑らせ、カメラを壊してしまった。

仕方なく、新しいカメラを購入したのはいいのだが、私は水中では度付のマスクをすることより、遠くは見えるが手元の細かい文字などが見えなくなる。

今までのカメラは何度も使うことで“感”と“馴”で操作をやっと覚えたのだが、新しいカメラとなると
操作をじっくり習得する必要がある。

そこで、透明度が高く、カラフルで魚影が濃く、ゆったりと写真に集中できるポイントは・・・と探したのがこのマーシャル諸島となったわけです。

ということで、今回、新しいカメラを試すのと、操作に馴れるために、ビキニ環礁には行けませんが、ゆったり、のんびり、じっくりと潜ってきます。

しかし、ここ、今は平和な南国の島々も先の大戦で、日本軍は何千人もの軍人が玉砕をする悲惨な歴史の島でもあった場所でもあります。
詳しくは次回ダイビングの結果と共にレポートします。

それでは行ってきます・・・・。

写真はマーシャル諸島のダイビングショップ「Marshalls Dive Adventures」さんから拝借しました。
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