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昨日の土曜日朝5時に起き、Cカード取得したショップ主催の白浜の近くの田辺に日帰ダイビングに行ってきました。

朝早くてつらいが、ショップに集合した後はすべてお任せで、
行き帰り車の後部座席にごろりとしているだけで着いてしまう極楽ツアーだ。

今回、日帰りで2本しか潜らない中途半端なダイビングに参加した目的はナイトロックスのSPを取得するためだ。


ダイビングショップで通常Cカードを取得すると
「オープンウオーターダイバー(Open Water Diver)」として認定されるが、これは潜水可能深度などが制限された基礎的なダイビングに限定される。

ダイビングにおけるスキルと知識を深めるために各ショップは
Spcial Program(SP)の受講を勧めている。

私の場合でも「ボートダイビング」、「ナイトダイビング」、「デープダイビング」、「ナビゲーション」、「ストレス&レスキュー」や「エンリッチドエア ナイトロクス」などの11のSPを受講している。

このSPは講義と海洋実習が対となっており取得に時間がかかることと、費用も一つのSPで2,3万円もかかるため受講せず現場の実践でスキルアップを図る人も多い。


さて、何故急にナイトロックスSPの受講ダイビングに参加することになった理由は


来年初め、マンタ、ザトウクジラ、ハンマーヘッド、ジンベイザメ・・・などの超大物に遭遇できるメキシコの絶海の孤島クルージングを申し込んだのだが、
このクルーズは1日4本、最高24本ものダイビングをする。

このハードなダイビングをこなすためにはナイトロックスを使用した方がいいと聞き、私のナイトロックスSPの受講記録を調べたら、
講義と海洋実習1回(SP取得のためには2回の海洋実習が必要)の受講で中断していた。


2年前の夏、マーシャル諸島のビキニ環礁ダイビングを計画し、ナイトロックスのSPを取得すべく講義を受講し始めた。

が、色々調べていくうちどうもここはテクニカルダイビング分野であるとわかり、計画が頓挫し、ナイトロックスの受講もそのまま中断していたのだ。
(詳細は2008年7月21日の私のブログ参照ください)


ということで、話が長くなったが、ナイトロックスSP取得のために残された海洋実習を受けるため今回のダイビングの参加となったわけである。


さて、このナイトロックスだが、ナイトロックス(Nitox)とは、Nitrogen(窒素)とOxygen(酸素)からできた造語で、
窒素と酸素の混合体という意味だが、ダイビングでナイトロックスという場合は、
酸素濃度21%の空気よりも酸素の割合を多くしたガスという意味で使われる。

エンリッチド・エアまたはエンリッチド・エア・ナイトロックスなどと呼ばれることもある。

一般的に使われるのは酸素濃度が32%または36%のナイトロックスですが、
テクニカルダイビングの場合17%といった通常より低濃度のものや50%・80%といった高濃度のものが使用されることもある。

このナイトロックスを使用すると減圧症の発症リスクを低減できるなどのメリットがあるが酸素中毒に注意する必要がるというディメリットがある。

そのため、ナイトロックスSP受講者でないとナイトロックスのタンクは借りることが出来ない。


酸素中毒に関し、呼吸する酸素分圧が1.6気圧(地上の1気圧では、酸素分圧は0.21気圧)を超えると神経系(急性)酸素中毒の危険性が大きくなることが医学的にわかっている。

そのため、ダイビングでは酸素分圧が1.4気圧を超えないようにする必要がある。

32%のナイトロックスで潜る場合、何メートルまで潜ると1.4気圧に達するか計算してみると

1.4気圧÷0.32気圧=4.375

つまり、水面の4.375倍の気圧がかかる深度=33.75mで1.4気圧になる。
33mが限界深度となる。
(通常の空気であれば1.4気圧÷0.21気圧=6.666 つまり56.6m)


しかし、ナイトロックスを使用すると、窒素濃度が低い分それだけ減圧不要限界の窒素量に達するまでの時間が長くなる。

例えば、空気だと水深18mに無減圧で潜れるのは56分だが、32%のナイトロックスを使うと96分潜れるようなメリットがある。


深く潜るためには、空気では56mが深度の限界ということになるが、酸素濃度の低い、
例えば酸素濃度17%、窒素濃度83%のナイトロックスでは70mまで潜れることになる。

しかし、窒素酔という問題があり、個人差があるが、深度30~40mくらいであらわれる。

これを防ぐため、窒素の一部をヘリウム置き換えたトライミックスガスが使用される。


私どもレジャーダイビングではそんなに深く潜ることもないが、
いずれにしても今回ナイトロックスSPを無事取得することが出来、
更に一歩楽しいダイビングにつながればいいなと思う。