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また、「敬老の日」が近づいてきた。

「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨とした祝日だが、

何か最近は祝福される側もする側もこの趣旨が薄れてきているような気がしているが・・私の周りだけかもしれないが。

しかし、この頃になると各省庁が日本の高齢者に関する各種データーを報告しているのでこれらをじっくり眺め、色々考えるのにはいいチャンスかもしれない。


9月16日総務省統計局が「統計からみた我が国の高齢者」を報告している。

それによると、

○高齢者人口は2980万人(総人口の23.3%)で過去最高

 高齢者人口(平成23年9月15日現在推計)は2980万人で、
総人口に占める割合は23.3%。

これを前年(2956万人、23.1%)と比べると、24万人、0.2ポイント増と、人口、割合共に過去最高。


 男性は1273万人(男性人口の20.5%)、女性は1707万人(女性人口の26.0%)と、女性が男性より434万人多くなっている。


○65~69歳の就業率は、男性が46.8%、女性が26.9%

 平成22年の高齢者の就業者数は570万人で前年と比べ5万人の増加。
男性が349万人、女性が221万人である。

 65~69歳の就業率は、男性が46.8%、女性が26.9%。
男女ともに近年緩やかな上昇傾向がみられる。


○高齢無職世帯の家計収支は1か月当たり3万8千円の赤字

 高齢者の無職世帯の平成22年の1世帯当たり月間の家計収支は、前年からほぼ横ばいの18万8千円。

一方支出は、前年に比べ3千円増加し、22万7千円。

その結果、家計収支は3万8千円の赤字となり、不足分は預貯金などの金融資産の取崩しなどで賄われている。


○高齢者の世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2275万円で、3年連続の減少

 高齢者の世帯の貯蓄現在高は、平成22年は1世帯当たり2275万円となり、3年連続の減少。



又、厚生省の報告では

 今年度中に100歳になる高齢者は9月1日現在で2万4952人(女性が85%)に上り、
過去最多を更新し、前年より1683人増え、15年連続の増加。

15日時点で100歳以上の高齢者も前年より3307人増えて4万7756人で、41年連続で過去最多を更新した。


言うまでもないが、日本の高齢化(高齢者とは此処では65歳以上)が急激な勢いで進んでおり、
65から69歳までの男性の半分近くは仕事を持ち頑張っているが、
それでも高齢者の世帯家計収支は毎月約3万8千円の赤字となり、
預金などの金融資産を取り崩して賄われている。

その結果、高齢者の世帯の貯蓄現在高は2275万円で、3年連続の減少している。

日本の国債の購入原資である、日本国民の預貯金がどんどん減っているのだ。


日経新聞電子版9月13日付けに
「人生100年時代の生活設計を考える 」なる記事が掲載されていた。

それによると、

「100歳を越える超長寿はあながち他人の話ではなくなっている。
定年後に待ち受ける長い老後をどう生き抜くか。

現代日本人は「人生100年」も見据え、新たな生活設計が問われるようになってきている。

厚生労働省によると、老人福祉法が制定された63年には153人だったが、2011年には4万7756人に増加。

その下の90代はすでに約136万人に膨らんでおり、厚労省は100歳以上の人口が50年には68万人を超えると予測している。

しかし、老後の生活設計を描き切れず、不安を強めている人は少なくない。

東京海上日動あんしん生命保険が10年、25~65歳の男女832人に聞いたところ、4人に1人は長生き願望がないという結果が出た。

また、長生き願望がある人も含め、約9割が長生きに不安を感じており、理由として「お金」「病気・入院」「介護」を挙げた。」とある。


翻って、高齢者の一員である私自体を眺めれば、
いや応なく年を重ね、更に、最近の株安による資産の目減りで先行きは暗澹たる思いだが、せめても好かれる高齢者となるべく

「みっともない老い方」 60歳からの「生き直し」のすすめ、
なる本を読みました。

要は第二の人生を満足に生きるためにと「男の品格」著者がこの時代に合った「老いの作法」を書き綴ったものだ。

死に物狂いで働いて、ようやく手にした第二の人生。
誰もが豊かな老後を送りたい。

ところが、現役時代にがんばった人ほど、過去の栄光にしがみつき、会社の肩書や人間関係をそのまま引きずってしまう。

いつまでも他人と比べて一喜一憂し、思いどおりにいかないとキレる……。

嫌われる年寄りとして
「昔はよかった」と言う/いつまでも他人と比べる/かつての肩書にこだわる/再就職先を選り好みする/周囲の気遣いに狎れる/緊張感をなくしている/偉そうにすぐにキレる


思い当たる節は幾つもあるが、せめてこの敬老の日を機会に「好かれる老人」となるべく努力をしよう。


「みっともない老い方」 川北義則著 PHP新書刊  720円