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7月はメキシコ・カンクンとモルディブへのダイビングで大忙しであったため、8月は反動で休養の月となった。

しかし、この休養中にJALのマイレージも溜まったおり、
此れを利用して、次回のダイビングとして色々考えた結果がバリ島とメナドである。


その切っ掛けは
「インドネシア・スラウェシ島のマナド近くのソプタン山の噴火活動が活発化し、噴煙や溶岩が上空1200メートルにまで噴き上げた」
の8月18日のニュースである。

え、あのマナドの近くで火山が噴火?

更に調べると7月14日にはマナドからたった25キロぐらいしか離れていないロコン山が大規模な噴火を起こし、
火山灰や溶岩を地上1500メートルまで噴き上げたと報道されており、真っ赤な溶岩が夜空を焦がす写真が掲示されていた。


地球科学に強く興味を抱く私としては、
ダイビングしながら蠢動する地球を現す火山活動という現場に立てるということで、
即、次回のダイビング地をマナドに決定したのだ。

そして、どうせインドネシアへ行くならば、
昨年同時期にバリ島
で見たあの奇妙姿で愛くるしいマンボウを再び見てみようとバリ島へも行くことにした。


さて、マナドのダイビングというと、
ブナケン島、世界最大級のドロップオフと魚影の濃さでダイバーを引き付けているのだが、
此処のドロップオフは水深1600m以上と言われる。

ダイバーにとって水深がいくら深くても、行けるわけでも、又見えるわけでもないので同じではないかと思うであろう。

が、実はドロップオフの水深が深い事は、深海の栄養素を豊富に含んだ深層水がドロップオフ沿いに湧き上がり、
そこに無数の魚が集まり、それを目掛けて更に回遊魚が集まるというダイナミックなダイビングポイントが期待できるのだ。


更に、此処では驚くことに、4億年前のデボン紀に栄えた古代魚で化石と同じ形をしているシーラカンスが発見されている。

生きた化石と呼ばれるシーラカンスが最初に発見されたのは、1938年マダガスカル沖のコモロ諸島である。

だが、インドネシアでも1997年マナドの魚市場偶然発見され、
1998年海洋学者が魚師に依頼し、サメ捕り網で捕獲に成功している。

2005年には日本の撮影隊が深海に潜む生きたシーラカンスの撮影に成功した。

そして、2007年に、マナドの地元魚師が釣り糸一本の伝統的漁法で深海に棲むはずのシーラカンスを吊り上げている。


ダイバーに人気のジンベエやマンタの出る場所は世界中数多く存在すれど、
古代魚シーラカンスが生存しているのは、
世界でもコモロ諸島とインドネシアのマナドだけだ。

折角行くならば、ダイビング中に「古代魚シーラカンスに遭遇」などというショッキングなハプニングを期待してもいいかと思うのだが?


マナドがあるスラウェシ島(独立前まではセレベス島)は日本本土の8割ぐらいで、複雑怪奇な地形はK字型に例えられる。

マナドはこのKの字の頭にハタタテダイのように伸びた半島の先端にある。


スラウェシ島は地形的にも、生物学的にもそして民族的にも複雑なところである。

この島周辺は、ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯が重なり、
250万年前頃にアジア大陸棚とオーストラリア大陸棚の別々の棚の島どうしがぶつかって一つの島になったと推測され、
そのため、島はねじれて変形し海岸線は長く、周りの海も深い。

活火山は11あるが、北スラウェシ半島に集中している。

此れは、日本列島と同じように、近くにモルッカ海プレートとバンダ海プレートの沈み込みがあるためだ。

(インターネットでスラウェシ島の形成をアニメーションで見られページを見つけました。

http://searg.rhul.ac.uk/current_research/plate_tectonics/sea_2001_svga.mov

色分け  黄色:アジア陸塊  赤:オーストラリア陸塊  緑:太平洋諸島
画面の数字は時の流れで現在は0です。 ご参考に)

このように、複雑を極め興味深いスラウェシ島・マナドであるが、
JALのマイレージを利用した特典航空券ではルート決定には苦労しました。

勿論、マナドまでの直通便はなく、JALは経営建て直し中でかなり経路が削減され、
かつ特典航空券は早くから席が埋まってしまい、結局

大阪/成田/クアランプール/バリ島/マナド/ジャカルタ/成田/大阪と、
複雑なルートとなった。

ダイビングはバリ島で2日、
マナド(ついでにマクロ天国と言われるレンベまで遠征してかの有名なバンガイ・カディナルフィッシュなるものを見てみようと追加した)で3日と
全体工程11日間にしてはダイビングの効率はよくない。

しかし、それを補う多彩な経験が出来るものと期待している。

それでは、行ってきます。