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3月のニューカレドニアでのダイビングが不完全燃焼であったため今回の行き先選定には苦労した。

いつもの通り、私の候補地選定のキーワードは「安く」「大物」「透明度」そして「リゾート雰囲気」などであるが
前回は「リゾート雰囲気」は大満足だったがその他は今ひとつであった。

もともとダイビングだけを目的に行くような所でなかったのだが、日本が冬の時、南半球の真夏の国に行ってみようと安易な気持ちで決めてしまったためだ。


今回はまず安くということで、「コンチネンタルエアー(現ユナイテッドエアー)」のマイレイジが溜まっていたので、まずこれを利用して、まだ行ったことがない近場のダイビングサイトで安上がりに行こうと目を着けたのがミクロネシア連邦のポンペイ島であった。

ここポンペイはダイビングポイントの数は多くないが、ブラックマンタが有名でその数の多さは世界でも類を見ないと言われている。
が、更に、透明度も高く、美しいサンゴそして、ギンガメアジ、バラクーダ、ザメ等の群などから小物まで魚種が豊富でこれらが一つのポイントで見られると言うことがダイバーに人気だという。

更にここには、およそ1万2000年前、太平洋上にあり、きわめて高度な文明が栄えていたとされるが、大規模な地殻変動のため一夜にして海に沈んでしまったという幻の大陸「ムー」の都:ナン・マドール遺跡があると言うのだ。


歴史好きの私としてはこれで決まりだ。


しかし、マイレイジ利用は中々難しい。
私の希望する日程、便が見つからず、マイレイジ利用を諦め何時もお世話になっている旅行会社に手配一式をお願いしてしまった。

それもダイビング4日間、島内観光など自由日程が3日間とし、更に南太平洋が一望でき、緑豊かな山の中腹に建っていて、客室はすべて独立したコテージスタイルで自然と一体になれるというヴィレッジ・ホテルを利用することにした。

このホテルの建物は全て現地の木材を使用しており、部屋の窓にはガラスも無く、エアコンもテレビも、そして電話もない。
部屋には唯一つ大きなウォーターベットがあるだけであるが、このベッド中々涼しく快適であるという。

自然の中に在り、人工の設備を排除し自然そのものを感じさせようとする野趣に富んだホテルだと言う。


そんなことで、ダイビングサイトの選定要素であった「安さ」については今回も叶えることが出来そうもないが豊富な生物が見られるダイビングや年間雨量が5000mmを越す熱帯雨林の豊かな自然と謎多き海上都市:ナン・ドール遺跡見学が十分補ってくれるものとして期待している。


さて、ポンペイと云われてもダイバー以外には中々知られていない。
昔の名前でポナペイというと思い出す人も多いのではないかと思う。
先の大戦中に日本軍の基地があった所だ。


ポンペイはミクロネシア連邦を構成するポンペイ、チューク、ヤップ、コスラエの4つの州のひとつで、そのポンペイ島は西表島より少し大きいぐらいの島だが、美しい海とサンゴ礁に囲まれ多くの観光客が訪れる。

島の北端には素朴な雰囲気のポンペイの州都コロニアと、ここから少し離れて、自然の緑と調和して美しく整然と並ぶ議事堂や大統領官邸、官庁などがあるミクロネシア連邦の首都パリキールが置かれている。


さて、このミクロネシアなど太平洋諸島が「ムー」大陸の名残だとする、ムー大陸伝説は、ジェームズ・チャーチワードの著作「失われた大陸ムー」によるもので、今から約1万2000年前に太平洋にあったとされる失われた大陸とその文明をさす。

大陸の大きさは、東西8000キロ、南北5000キロ。
人口は6400万人を数え、異なる10種類の民族が住み、ムー王国が統治し、国民は極めて高度な学問と文化を持ち、特に建築と航海の術にすぐれていた。

ところが今から約1万2000年前、地下のガス・ベルトの爆発により、この超古代文明は突然、一夜で海中に没してしまったのである。

ジェームズ・チャーチワードによるとポンペイ島のナン・マドール遺跡やイースター島の巨大な「モアイ像」などはムー大陸の名残であると主張した。

今ではムー大陸の存在は地質学的にも否定されているが、彼が唱えた「失われた超古代文明」というモチーフは、小説や映画などに取り上げられ、今なお我々に夢とロマンを与えてくれている。


又、ポンペイ島の海に浮かぶ92もの巨石による人工の島々からなるナン・マドール遺跡もこれまた謎の多い遺跡だ。

この遺跡を築いたポナペイ人は文字を持たず、この遺跡がどのような経緯で造られたのか良くわかっていない。

少なくとも、この地にかつて強力な王朝が存在し長期にわたって造営が繰り返されてきたのだが、あるとき突然放棄され朽ちるままとなってしまった。


今回のダイビングはブラックマンタを見るのも楽しみだが、ムー大陸の名残といわれる遺跡に立ち、
古代の夢とロマンに想いを馳せるのはなんとも爽快なことだ。

では行ってきます。