いよいよ年の瀬も押し詰まり何かと慌ただしい毎日だが、巷のメディアでは”14年の重大ニュース”や”15年の経済予測”なる情報で満載だ。
 
15年以上も続いたデフレマインドが2年前からのアベノミクスにより明らかに潮目が変わり、そして本年10月の日銀の大規模な追加緩和により、更に一段の株高、円安が進行した。
が、消費増税の影響もあり、14年のDGP成長率はマイナスに沈んでおり、失業率は低下したが、実質賃金はマイナスだ。
 
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日米株価推移(東洋経済より)
                 日経新聞より
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 一方、このところの原油安の中でも、OPECは11月の総会で原油の減産を見送ることを決定しており、当分原油安状態が続く様子で、我々の消費マインドや企業の業績などの向上や日本の財政支出面にも改善が期待されそうだ。
 
 
こんな中、私的には来年も海外でのダイビングを積極的に続けたいと思っているのだが、そのためには来年の景気、特に株価や為替の動向に大きく左右されるため、”経済予測”なる情報に敏感にならざろを得ないのだ。
 
というわけで、最近の各種の経済雑誌の”15年経済の大予測”なる記事やインターネットでの関連記事を拾い読みして景気の動向を探り、私の来年の海外でのダイビング目標が達成出来るのか否かを推測してみた。
 
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                            東洋経済より
 
まず始めに、色々な予測記事の中で特に目についたのが
 
2015年仰天予想 内外の政治・経済・市場・社会分野から10項目選抜 」
という1226日の日経新聞電子版に掲載された記事だ。
 
これは日経QUICKニュース社(NQN)が2015年中に実現するかもしれない「仰天10大予想」をまとめたもので、国内外の政治、経済、市場、産業、社会、スポーツなどの分野を対象とし、関係者への取材をもとに「確率は低いが、実現すれば影響が大きい」事象を選んだという。
その選ばれた10項目は
 
(1)日経平均株価、3万円に
(2)政府・日銀が17年ぶり円買い介入
(3)長期金利、ついにゼロ
(4)日銀が原油を買い入れ
(5)政府が移民受け入れ決定
(6)女性登用進む、日銀審議委員の半分が女性に
(7)「現代版タケコプター」が実用化
(8)米国の物価低迷、FRB利上げ断念
(9)中国が「一国二制度」を廃止
(10)錦織圭選手がテニス四大大会で優勝
(ランキングは順不同)
 
である。
なん嬉しいことに「日経平均株価が3万円」という項目があるではないか。
 
これらの選ばれた10項目はいずれもそれを主張する人がいたり、実現の可能性をうかがわせる兆候があるものばかりだという。
 
それでは、「日経平均株価が3万円」を主張する人たちの根拠たるものを見てみると
(下記は記事を引用する)
 
「背景にあるのは円安を追い風に好調な企業業績と、日銀の強力な金融緩和、岩盤規制改革など安倍晋三政権が掲げる成長戦略への期待だ。
現状より7割近く高い3万円という水準を目標に掲げる市場関係者はまだ少数だが、日本株の先行きに強気な見方はじわりと広がっている。
 
 強気が目立つのは長期のチャート分析を専門とするテクニカルアナリストだ。日経平均は2007年の第1次安倍政権時につけた高値である1万8261円に接近中。米バンクオブアメリカ・メリルリンチのマクニール・カリー氏は「同水準の突破は、280003万円に向けた長期的な上昇余地を意味する」と指摘する。」
 
とありました。
 
頼もしいことを言ってくれる人たちがいるものだ。
これならば私の来年の海外ダイビング計画は問題ないのだが・・。
 
因みに、昨年の末に同じように予測した「2014年仰天予想」を見てみると
(1)日経平均、25000
(2)政府・日銀が16年ぶり円買い介入
(3)安倍首相が衆院解散・総選挙を決断
(4)日銀、2%のインフレ目標を修正・撤回
(5)ソフトバンク、国内時価総額首位に
(6)米バブル崩壊、NYダウ1万ドル割れ
(7)中国、あらたに「二人っ子政策」導入
(8)自殺者2万人に減少も
(9)気温40度、日本各地で続出も
(10)サッカーW杯、日本がベスト4
であったが、
 
見事に予想的中いている項目もあるのだ。
 
(3)安倍首相が衆院解散・総選挙を決断 である。
消費税が再増税され、国民の人気を失う前に解散・総選挙をして政権を不動のものにするであろうという読みとのことだが。
 
嬉しいことだ、「仰天予想」も当たることもあるのだ。
ならば、「日経平均株価が3万円」の実現も有りかも・・・。
 
 
もう少し現実的になって、多くのアナリスト達はどのように予想しているのかと見てみると、やはり26日の経新聞 電子版に
 
2015年の株式市場予測 2万円台目指すとの見方 市場関係者に聞く」
という記事があった。
 
この記事によると
アナリスト12人へのアンケート調査の結果、12年からの株高が来年も継続するとの見方が多く、日経平均の高値予想平均は2958円、安値予想は16625円(最高値は25000円、最低値は16000円)で、年前半から年央に安値、年末に高値を付けるとの見方が大勢を占めた。
 
その要約として
株価上昇の根拠としては、国内景気と為替の円安・ドル高による自動車を中心とした輸出関連、および建設や小売りなど訪日外国人需要の取り込みも期待され、企業の業績が14年以上に向上が期待できる。
かつ、株式の需給面では、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)買いや年金資金の株式運用増などを背景に旺盛な買い需要が続く見通しだ。
 
反面、不安材料が年前半から年央にかけては上値を抑えると見ている。
原油価格の下落は当面続くとの見方が多く、企業のコスト削減につながる半面、ロシアなど産油国の財政や金融システムを揺さぶり、投資家心理を冷やす局面もありそうだとのこと。
 
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日経新聞より
 
米連邦準備理事会(FRB)による4月以降と思われている利上げも不安材料の1つで、実施されれば、米株安を通じ、日本株の売り材料になりそうだが、その後は米利上げが円安・ドル高を加速するとの見方で、日経平均は年末に向けて2万円台を目指すという。
 
リスク要因としては、米景気の急失速、産油国や新興国の金融・財政危機、日銀の早期出口観測の強まりなどを挙げている。
 
 
総じて、市場関係者の多くは来年は企業業績の向上の期待から株価の更なる上昇を予想し、年中央に予想される米国の利上げで株安に転じるが、年末に向けて株価は2万円近くまで上昇すると見ているようだ。
 
かなり、来年は明るい見通し様だ。
喜ばしい限りだ。
私のダイビング計画は期待してもよさそうに思える。
 
 
だが、喜んでばかりおられない、海外でのダイビングにおける外貨建てのダイビング費用、ホテル、旅費、現地滞在費など円安によりかなりキツイことになっているのだ。
  
急激な円安で、黒田日銀総裁が、最近になって「これ以上の円安は必ずしも日本経済にとってプラスにはならない」というニュアンスの発言をしているが、円安により日本国民は豊かさを実感できていないのだ。
 
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                 上下挿入図日経新聞より
 
折角の株価上昇も、GDPも外国人が見るドル換算ベースではほとんど上昇しておらず、逆にどんどん国力が低下しているのだ。
 
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121日の日経新聞朝刊に
 
「ドル換算GDP、中国の半分に 円安進行で縮む日本 訪日客は増えたが… 」
という記事が掲載されていた。
 
この記事によると
 
「日本の実質GDPは2013年に1.5%成長した。国際通貨基金(IMF)の予測では消費増税を経た14年も0.9%のプラス成長を確保する。13年1~3月期から14年7~9月期に、実質GDPは約8兆6千億円増えた。
 
しかし、外から見た日本は必ずしも「強い経済」とはいえない。
経済力の各国比較でよく使われるIMFのドル換算した名目GDP見通しを見ると、14年の日本は4.8兆ドルで、中国の10.4兆ドルの半分以下に沈む。
日中のGDPが逆転したのは09年だったが、その後も差は広がり続ける。
 
大きな理由は2年間で約5割も円のドルに対する価値が下がったことだ。
日本は13年にドル換算の名目GDPが前年比17.5%減った。14年もマイナス2.6%成長を見込む。
日本のGDPはアベノミクスの2年間で1.2兆ドル縮む計算だ。
 
国民1人当たりのGDPも14年時点で世界26位前後に下がる可能性が高い。
1990年代半ばにルクセンブルク、スイスに次ぐ3位だったころとは隔世の感がある。
日銀によると、家計の金融資産は146月末で1645兆円にのぼる。株高で12年末に比べ6%増えたが、ドル換算では9.8%減っている。」
 
とありました。
 
折角の株価,DGPや家計の金融資産の上昇もドル換算で他国と比較すると大きく低下しているのだ。
 
円安のおかげで海外からの旅行者は増加し、日本人の海外旅行者は少なくなっている。
 
「実際、1~10月に日本人の出国者数は前年比3%減っている。
この間、台湾、韓国、中国からの旅行者を中心に外国人訪日客数は同27%伸びて1100万人を超えた。
4月には日本人旅行者が海外で使ったお金よりも外国人が日本で使ったお金が多くなった。
70年の大阪万博以来、44年ぶりとなる旅行収支の黒字だ。」
 
と同記事は述べている。
 
 
以前、日本がバブルの絶頂期頃は「トリプル高」と言って、「株高、債券高、円高」となっていた。
日本経済が良かったから、日本の株や債券が海外から買われ「円高」にもなっていたのだ。
 
現状の円安、株高は官製相場ともいわれ、真の日本経済を反映したものでなく、依然として、長期に経済が低迷した構造的な要因を抱えたままである。
当分円安傾向は続くと見られるため、政府の強い主導力と不退転の意志で、大胆な成長戦略を実行しない限り、経済・国力は改善できないということらしい。
 
 
その点、先の選挙で安倍政権は国民の信を受け、安定した長期政権が得られたのだから今まで出来なかった構造改革を果敢に取り組み、「この道しかない」と供に「このチャンスしかない」という意気込みでやり遂げてほしいものだ。
 
 
今年は、コスタリカ・ココ島のダイビングで潜水艇に乗船して水深300mの深海の驚くべき世界を実際に目にする体験が出来た。
いくつになっても新しい経験は心踊らされるものだ。
来年も是非何か新しい体験をしてみたいものだが、そのためにはどうか多くの市場関係者が予想するような喜ばしい景気になって欲しいと祈願するのみだ。
 
 
正月休みは遠出はせず、買い集めた経済紙の「15年の経済予測」じっくり読み解くと共に大量に平積された未読の本を引っ張り出し読書三昧の正月の予定です。
 
それでは良いお年を