先日(19日)「アンボン・バンダ海・ラジャンパットクルーズダイブ」と銘打つ2週間にわたる長いクルーズダイブから無事帰国しました。
 
通常のラジャンパットのクルーズダイブに「マクロの宝庫秘境アンボン」、「手つかずの珊瑚礁とドロップオフのバンダ海」のダイビングを追加した特別企画のダイビングで、通常8日のクルーズが11日と長く贅沢なダイビングツアーだ。
 
日本から参加するには普通二週間は必要で、参加者を見ると男性11人女性7人と男性が多くく、参加者の年齢は中高年齢者多かった。
期間が長いツアーためか、やはり高齢者が多くなるのは必然か。
 
構成もアメリカからの父娘以外は日本からで、宮崎からの夫婦以外は単独参加である。
初めてのラジャンパット参加者は私含めて5人のみで後はリピーターで45回の強者もいた。
 
 
それだけラジャンパットは魅力的なのか?
 
ダイビングの内容を記載する前にアンボン、バンダ海、ラジャンパットについて前回のブログで述べたので、ここでは簡単に場所の紹介をし、そしてそこへのアクセスをまず説明します。
 
 
アンポンはパプアニューギニアとスラウェシ島の間に位置するマルク州の州都で、香辛料の輸出貿易で賑わい、スパイスアイランドとも呼ばれるところである。
 
バンダ海はアンポンがあるモルッカ諸島の南に位置し島嶼に囲まれているが、海域内には大きな島嶼はなく、バンダ諸島などの小規模な諸島のみが分布している。
 
そしてラジャンパットはインドネシアの西パプア州に位置し、ワイゲオ、バタンタ、サラワティ、ミソールの4つの大きな島と、600以上の小さな島々からなる、南北約350キロ東西約250キロにわたる地域のことを示す。

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Banda  SeaとRajaampatの地図

このようにインドネシアの最東部に位置し、「秘境の海」「未知の海」と云われるぐらいだからアクセスも中々大変だ。
 
私の場合、神戸在住なので、往路は6日夕刻伊丹から羽田へそして羽田国際空港内のホテルに一泊後、翌71010発ガルーダー航空でジャカルタに16時頃到着。
ジャカルタは日本より2時間遅れの時差なので家を出て既に丸一日が経過したことになる。
 
クルーズ船が停泊している、アンボンへのガルーダ航空の国内線はその日の23:45発なので、ジャカルタ空港のラウンジで7時間ばかり時間をつぶすことになった。
 
もっと効率的なルートやジャカルタでの時間つぶしにオプショナルツアーなども考えたが、直行便でなく途中の乗り継ぎ時間が短かったり、ジャカルタでのツアー参加には交通渋滞で所有時間が読み切れないためか、その日に空港を発つ人は断られたりして、結局空港での7時間待ちを選択することになった。
 
心配したジャカルタからアンボンまでの国内線は予定通り翌朝06:50に到着し、そこからタクシーなどに分乗し停泊中のクルーズ船:マーメードⅡに8日の8時頃(日本との時差1時間遅れ)に乗船出来た。
 
目的のクルーズ船に乗船するまでに自宅を出てから約40時間もかかったことになる。
やはり、日本からは遠い「秘境の地」である実感が長旅の疲れとともに感じられた。
 
 
復路は、1110泊のクルーズダイブはアンボンから、バンダ海、ラジャンパットと各地でダイビングをしながら移動して最後にソロンに18日朝に到着し、日本へはここソロン空港から出発となる。
 
ソロン14:35発ジャカルタ行きに乗りジャカルタ着18:40に着き、23:15発ガルーダで羽田に翌朝08:50に到着そして羽田から伊丹へと自宅へは15時過ぎに到着した。
ソロンは日本時間と同じだから約24時間の旅程であった。
 
ジャカルタで4時間、羽田で3時間(国際線の遅れを見越して少し遅めの便を予約)ほどのラウンジ待ちがあったが、往路に比べればずっと楽だった。
 
しかし、ラジャンパットは時差がなく快適なのだが、神戸との温度差が25℃以上あり体調を崩しがちだが、同じ船に乗り合わせた米国ミネソタからの父娘は、お前達はまだいい方だ、私らは温度差が45℃もあるとミネソタの自宅付近の温度がマイナス14℃であることをスマホで見せてくれた。
 
厳冬の南国への逃避はTシャツ一枚の天国の快適さなのだが、やはり帰りの温度差の辛さはそのおまけみたいなもので仕方ないものとし、しっかりと体調管理をすることが必要だ。


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今回の旅程ルート Googl Earthで下記fileを開いて見て
くださ。どこでウロチョロしているかよくわかります
MapUtility(20150206-0219RajaampadCruiseDiving).kmz
 

ちょっと旅程の話が長くなったが肝心のダイビングの話をすると
今回のダイビングは総計34本(内ナイトダイビング5本)を潜った。
 
アンボン島周辺  2

バンダ島周辺   7

クーン島周辺    3本   ラジャンパット
ミソール島周辺   8本   ラジャンパット
ペナム島周辺    4本   ラジャンパット
ダンピール海峡  10本   ラジャンパット
である。
 
アンポン島周辺のダイビングはマクロの宝庫でもあり、新種のカエルアンコウをはじめ、レアなマクロ生物が盛り沢山との前宣伝であったが、それと打って変わって地域住民の居住地域に近いポイントのためか海底は瓦礫の山で、その中を小さな生物探しをするダイビングは全く魅力なく、最初から残念なダイビングとなってしまった。
 
 
バンダ島周辺のダイビングはバンダ海の中央部であるためか、ダイナミックなドロップオフで魚影が濃く、まだダイバーの数が少なく、秘境のダイビングサイトとのことだが、実際にアンポンとは打って変わって透明度は高く、何百メートルと一気に下降するドロップオフの壁には色鮮やかなソフトやハードの何種類ものサンゴが群生する中のダイビングは豪快そのものであった。
 
しかし、今回は何故か流れがなく、そのため大物の群れなどもあまり見ることがなく少し物足りないダイビングであった。
 
 
そして最後はラジャンパット。
前のブログにも書いたが、この地域は他のインドネシアの地域に比べて、地域の破壊もすくなく、大きく成長したハードコラルや、色とりどりのソフトコーラル、シーファンが幅広く群生しており、その種類の多さ、大きさ、カラフルな美しさが、一番の魅力だ。
 
201212月のナショナル・ジオグラフィック・トラベラー(電子版)の「絶対行くべき世界20カ所(Best Trips 2013)」の中で
「海のアマゾン」とも呼ばれるラジャアンパットは、熱帯雨林の島々からなる諸島。
「奇跡の海」「生命の海」とも称されるほど多くの海洋生物が生息している。
地球上に存在するサンゴのうち4分の3の種が集まってできたサンゴ礁や、マングローブ礁、輝く砂浜があり観光客はダイビングやクルージングを楽しむことができると云わしめた所だ。
 
確かにサンゴの種類は多く、鮮やかで、大きく、生き生きとして見事だ。
シーファンなどはいくつも重なりながら大きく広がっている様子は見事だ。

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また、マクロ派にはたまらないほどのレアな生物が多く(名前を色々聞いたがすぐ忘れてしまった)写真に収めようと嬉々としていた。
 
マクロに縁がない私としては大物との遭遇が一番の関心事であるが、この点になると今までに聞いた話と今回ではちょっと様子が変わっていた。
 
いつも流れがあるところでも流れがほとんどなく、そのため大型種の群れが少なく、あっても小さく期待したほどではなかった。
といっても、グルクン、イエローダッシュフュージラー、ギンガメアジ、カスミアジ、バラクーダー、ロウニンアジ、カンムリブダイなどの定番の群れはそこそこ見られた。
 
人気者のナポレオンもかなりの頻度で遭遇出来た。
 
また、サメ類ではホワイトチップ、グレーリーフシャークなども数少なかったが見られたが、皆小型であった。
 
だが、今まで見たことがない頭が扁平な珍しいウォビゴンシャーク(オオセサメ)やラジャエポレットウォーキングシャーク(歩くサメ)を見ることが出来たのは貴重な経験だ。
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         左:ラジャエポレットウォーキングシャーク(歩くサメ)
         右:ウォビゴンシャーク(オオセサメ) 
 
何度かマンタ狙いのポイントを潜ったが、大きなブラックマンタが二度ほど見れたぐらいで、全体的に透明度が悪く、流れもすくなく、大物の出現に乏しいダイビングという印象だった。
 
 
ダイビングの詳しい内容はこれから作成予定のホームページに掲載することにするが、今回のダイブクルーズでは長いクルージングの間飽きさせないように色々なサービスもしてくれた。
 
二回の島上陸とデインギによるラグーン巡りと380段の階段を上って行きつく素晴らしい景色が見渡せるビューポイントへの登頂などだ。
 
島の上陸の一つはアンボン島で17世紀ごろのスパイス戦争の中心的なところであったが、現在は静かで長閑な島で眩しいほどの強い日射しだが海風が快い素敵ところだ。
 
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胡椒の島アンボンに接岸中 本当に穏やかな島です

狭い町だが、オランダが植民地化した時の島民への虐殺の様子が小さな博物館に残され、高台には大きな湾を見渡せるがっしりした要塞が残されており当時の様子が思い起こされる。
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アンボン島の桟橋横のホテル
要塞に上り海峡を望む
 
もう一つの島はケウィエリアのアルボレック島に上陸。
小さな素朴な島だが無邪気に遊ぶ島の子供たち、そして練習中の民族ダンスの披露とゆっくりとした時間が流れるところだ。

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子供たちが一生懸命民族踊りを披露してくれました

 
また、380段の階段を上るきると視界いっぱいに広がる青のグラディエーションのラグーンが見渡せる素晴らしい景色も印象的だった。

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              展望台からの眺めは本当にきれいでした

最後に今回利用のクルーズ船マーメイドⅡ号の話をすると
全部でゲストキャビンは9室で今回は18人で満室だ。
 
部屋は少し狭いく上下2段のベットだが室内は清潔で、毎日ベッドメーキングやタオル替えもしてくれ、空調は効きすぎるほどでシャワーは熱いお湯も十分で(皆が同時に使うとチョロチョロとなるが)快適だ。

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マーメイドⅡ号のの客室 2段ベッドだが清潔で心地よい
 
談話室やサンデッキも広く伸び伸びと寝転んで寛げる。
ダイニングルームは18人では少し狭く感じるが食事は我々の味覚に十分あった料理を毎日メニューを変え飽きさせないように工夫してくれている。
 
肝心のダイビングデッキは広く機能的でダイビング前の緊張感を和らげてくれた。
 
何よりも34本ものダイビングを楽しく、安全に潜れたのは12人のクルーと5人のダイビングガイドそして一人のDVD撮影プロと皆が朗らかで親切で細かいところまでよく気づきアシストしてくれたおかげであり本当に感謝します。
 
それにジャカルタから同行して頂いた主催者である「eDive」の高見沢 昇治、蛭子 泉さんにはダイビングのガイドからポイントの説明と何から何まで面倒を見てもらい本当にありがとうございました。
 
そして、今回ご一緒させて頂いたダイバーの皆様、色々ありがとうございます。
またどこかの海でお会い出来ること期待しています。

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バンダ島要塞で全員集合 
後ろはBandam ariaという標高500m程度の火山です

それでは楽しいダイビングをありがとうございました。
明日からはダイビングで遅れた確定申告書作成に精を出します。

(尚一部の写真は同行カメラマン Alexさんの写真を使わして頂きました
 ありがとうございます)