メキシコ!! 一体どうなっているのだろうか? 
年初早々悲惨なニュースが飛び込んできた。
 
首都メキシコ市の南に隣接するモレロス州のテミスコ市で2日、就任直後の女性市長モタ氏が暗殺された。市長は麻薬組織との癒着が疑われる警察の改革を目指したことが暗殺の背景にあるとこと。
メキシコ全土では過去10年間に、100人近い市長と1000人以上の自治体職員が襲撃の犠牲となっており、警官一般人そしてマフィア双方で10万人もの死者が出ているのでは?
 
エルヴィス・プレスリーの映画「アカプルコの海」で有名で、世界中のセレブが別荘を建て、年間数百万の観光客が押し寄せた人気のリゾート都市アカプルコは麻薬戦争のあおりで殺人事件多発都市となり、今では全く観光客訪れなくなってしまったとのこと。

 
今回私が行くユカタン半島カンクンはどうかというと、「外務省 海外安全情報」では一応安全なようだが、勿論海外旅行何があるかわからない。
注意していこう。
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さて、今回のダイビングの主目的はバンショウカジキだ。
メキシコ・ユカタン半島東端のカンクンのすぐ対岸にあるイスラ・ムヘーレスで冬季限定でイワシの群れにバンショウカジキがアッタクするシーンが高確率で見れるということで、昨年の夏より計画していたものがやっと実現したのだ。
 
バンショウカジキは他のカジキと同じく、前後に細長い紡錘形の体型で上顎が伸び、第一背鰭が大きく発達しているが、外洋回遊性のカジキの中では最も沿岸に近づく種である。
 
此のため、ダイバーや釣り人には人気者である。
といっても、外洋回遊性であることよりそう簡単には会うことは出来ない。
 
ダイビングを初めて10年ほどであるが、大物好きにもかかわらず未だバンショウカジキにはお目にかかっていない。
ということで、今度こそはと積極的に見にくくべきと、冬季限定のイスラ・ムヘーレスでのバンショウカジキ・シュノーケルツアー行きを計画したわけである。
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                      共に越智 隆治氏の写真を拝借
          この写真をみてますますバンショウカジキが見たくなった
 
 
しかし、色々調べていくと、このバンショウカジキ・シュノーケルツアーはかなり体力が必要であるようだ。
荒れる海の中で、高速で動きまわるカジキをシュノーケルでゲットしようとする体力勝負の過酷なツアーなわけで、まず幸運にもバンショウカジキの群れを発見して海中に飛び込んだとしても、体力の弱体化が進む私としては、高速で動きまわるバンショウカジキに追いついて見ることができるかは甚だ心配なのだ。
 
そんなことで、以前は今回のダイビングは全てバンショウカジキ・シュノーケルツアーをトライすることにしていたが、もしカジキを見ることが出来なくても落胆しないようにと保険をかけ、一部のダイビングをカンクンそしてセノーテのダイビングに割当、さらに最近大注目のキューバの観光をも追加したちょっと豪華なツアーとなってしまった。
 
それにしても、メキシコ・カンクン、セノーテのダイビングは4年強ほど前の20117月(私のHP参照ください)より2度目である。
 
此の時メキシコのコスメル、カンクンの豪華なリゾートとカリブ海の透明な海にカラフルな魚達、さらに神秘的なセノーテのダイビングなどに魅了されたことを強烈に記憶している。
が、一番心に残っていることはほかでもない、地球上では5度にわたって大規模な生物の絶滅が起き、その5番目の6550万年前に起きた大絶滅は一億年以上の長き間に地球を君臨するような繁栄をしてきた恐竜や地上の生物種の実に70%をも絶滅させてしまったという、その原因がこのユカタン半島の北端部に小惑星が落下したためといわれ、そんな歴史的な重大イベントが起きた現場にやっと行けたということだった。
 
この小惑星の落下の跡はチチュルブ・クレーターと言われるが直径160kmでその形状は現在では侵食等により目視で判断出来ないが、地磁気異常、重力異常、およびセノーテの分布によってこれらはいずれもきれいな円弧を描いて分布しており、その円の中心が衝突地点であると推定されている。
この衝突地点がユカタン半島の北部海岸近くでなのである。
 
小惑星の大きさは直径10-15km、衝突速度は約20km/s、衝突時のエネルギーは広島型原子爆弾の約10億倍、衝突地点付近で発生した地震の規模はマグニチュード11以上、生じた津波は高さ約300メートルと推定されている(Wikidediaより)。
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共にインターネットより

想像を絶するものすごい衝撃であろうと思うが、現在はその衝撃の凄さを表す痕跡は目で見ることが出来ないが、ここが地球の生物歴史を変えてしまった現場だと思うだけでゾクゾクする。
 
そんなことで、仕事を辞めてから、長く仕事の糧になった機械工学には一向に興味が湧かないのだが、全く専門外なのだが、何か地球科学と言うか地球46億年の歴史というか、此の手のものに最近ますます興味を惹かれ、関係図書を書店で見つけたら買いまくってしまうのだ。
 
特に、またユカタン半島に行くことが決まった秋口から加速した。
 
きっかけは
 
6度目の大絶滅」 エリザベス・コルバート著 NHK出版刊  2592
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であった。
内容は別記するとして此の書籍を読むうちに色々誘発されて購入したものは
 
「地球科学を知る厳選33の絶景」 ニュートンプレス刊  2800
「地球全史スーパー年表」  岩波書店刊  1404
46億年の地球史図鑑」  高橋典嗣 著 ベスト新書  1188
「富士山噴火」  高嶋哲夫 著 集英社刊  2052
「超巨大火山」  佐野貴司 著 講談社刊   972
「地球はどうしてできたのか」 吉田晶樹 著 講談社刊  1058
「地球と生命 46億年のパノラマ」 ニュートンプレス刊   2800円  
であった。
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似たような内容でかぶっているのもあるが、それはそれで、専門家からの評価がどうであるかは関係なく、書店で衝動的に購入したものばかりで、パラパラとページをめくっただけのものもあり、ゆったりとした時間が取れた、この年末年始の休みを利用して一気に読破しました。
 
さて、問題の 「6度目の大絶滅」だが、
 
ピュリツアー賞(ノンフィクション部門)を受賞した360ページにもわたる大作である。
 
地球上では、過去5度の生物大絶滅が起きており、そして、現在6度目の大絶滅が密かに進行しているという。
過去の大絶滅は隕石衝突、火山活動、氷河期到来など、いずれも突然の大規模な自然災害であったが、6度目の原因は我々人類によるものだ。
人類文明の繁栄と引き換えに生命の衰退が始まっている。
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                    5大生物絶滅史

恐竜時代には1000年に1種だった絶滅が、今は毎年推定4万種もの生物が姿を消しているという。
サンゴ類の1/3、淡水産貝類の1/3、サメやエイの1/3、哺乳類の1/4、爬虫類の1/5、鳥類の1/6、植物の1/2がこの世から姿を消そうとしている。
 
この書は人類への警告書である。
このままでは、2050年には種の半分が消えてしまうかもしれないという。
地球誕生はおよそ46億年前、最初の生命が誕生したのは38億年前。
それに対してわれわれ人類はわずか10万年前かそこら。
 
その新参ものが地球を大きく痛めているのだ。
 
世界各地でいったい何が起きているのか?そして原因は何なのか?
絶滅の最前線で、歯止めをかけようとする研究者たちの時間との闘い、色鮮やかなカエルが姿を消しつつある熱帯雨林、コウモリがバタバタと死んでいる北アメリカ東部、インドネシア・スマトラ島のサイ、そして、熱帯の海では、海水の酸性化によって溶け始めている珊瑚など・・・時には命がけでその現地を追い、克明に記録し、科学的にそして歴史的に解説している。
 
いずれも人間の狩猟、食、環境破壊・・・など人間の所業が生物の多様性を急速に奪っているのだ。
世界中の生物にとって、人間は最悪の「外来生物」だという。
 
ナショナル ジオグラフィックの著者へのインタビューで
――現在は本当に6度目の大量絶滅に直面しているのかという論争がありますが、あなたのご意見は?
 
「率直に言って、論争そのものが的外れだと思います。決定的な答えが出る頃には、地球上の生物種の4分の1まで減ってしまっているかもしれないのです。答えが確定するまで事態を放置しても意味はありません。
いずれにしても、明らかなのは、現在、過去の大量絶滅の時期に匹敵する速いペースで生物種が失われている事実です。これは議論の余地はないでしょう。もちろん、大絶滅は何千年もかけて進むものかもしれませんが。」
 
――改めてお訊きします。人類は、今回の大量絶滅を生き延びられるのでしょうか?
 
「たくさんの生物種が絶滅するのだから、人類も生き延びることはできない、とまでは言えません。事実、私たちはこうして生き延びています。人類は適応性が高いのです。本音で言えば、そんなこと、知りたくはありません。
ただ、二つの疑問はあるでしょうね。一つは、これまで、他の生物種が失われる事態のなかでも、人類は生き延びてきた。だから、今後も同じように生き延びられるはずだと言えるのか。もう一つは、人類はやがて自分たちを生かしてきたシステム自体を破壊し絶滅することになるか。
人類が大量絶滅を生き延びたとしても、多くの生物種が失われた世界で生きていきたいですか? あるいは、私たちの子孫が、そうした世界で暮らしてほしいと思いますか? どちらも、きわめて深刻な問題だと、私は考えています。」
 
どうなるのだろうか、
人間の”活動”のために生物の生息環境の変化が加速しているのは明らかで、地球上の人口は70億人を超え、資源・エネルギーの探査や消費などで今後も環境負荷が増え続けることは間違いない。
人間は近い将来、生物種の消滅の拡大を止めるため環境負荷を減らす”賢い決断”をすることができるのだろうか。
 
 
さて、此の休みに読んだ他の本を簡単に紹介すると
 
 
「地球科学を知る厳選33の絶景」
,ヒマラヤ山脈やアイスランドの火山,アフリカの溶岩湖,桂林,ギアナ高地,みごとなサンゴ礁をもつボラボラ島ほか,世界の33か所の絶景を取り上げ,その成り立ちを紹介し、,地形をつくる要素である,プレートテクトニクスや火山のしくみ,川や氷河のはたらきについてイラストで解説することで,写真集としても,地球科学の本としても楽しめる一冊である。
 
「地球全史すスーパー年表」
地球46億年の全歴史が、一枚の特大ポスターに! 地球と人類に「いつ、何が起きたか」が一望できるように工夫されている。
 
「富士山噴火」
3年前の平成南海トラフ大震災の際に妻と息子を失った元陸自のヘリパイロットの主人公はたったひとり残った娘とは絶縁状態で、今は富士山の近くの御殿場で養護老人ホームで働きながら喪失と悔恨の念に苦しんでいる。
ある日、旧友から「富士山の噴火が近い」「御殿場市は、全市民の避難が必要になる!」という情報を得て、古巣の自衛隊、消防や警察などを巻き込んで、避難計画を立ち上げ、最大の危機に市民の救助のため真っ向から挑む姿を描いている。
 
同じ頃、米映画「カルフォルニア・ダウン」を見たが、同じ災害救助に当たるプロの家族への考え方が日本と米国で大きく違うことを改めて知らされた。
映画はサンアンドレアス断層による大地震が発生し、ロサンゼルス消防局のきレスキュー隊員の主人公は窮地に立つ妻や娘の為救助ヘリコプターを駆使して救助に向かう姿を描いている。
 
「富士・・」はまず”公”のため”私”はあとで、「カルフォルニア・・」はまず”私”が優先し”公が”が後からというような描き方をしている。
どちらが正しいかということでなく、どのように描けば観客は喜ぶかで描いていると思う。こうも国民性は違うものだと感心させられた。
 
「超巨大火山」
1億年以上前には超巨大火山があちらこちらで活発に噴火活動をして、大地を引き裂きながら、広大な大地を形成し、いまの地球をつくりあげてきたと考えられている。いったい超巨大火山はどうやってつくられたのか?

「地球はどうしてできたのか」
大陸はなぜ動くのか?超大陸はどのように誕生し、分裂したのか。この謎を解き明かすカギを握るのが地球内部に在住するマントル。大陸移動の謎をさらにおいかけていくと、マントルの動きが、ときに気候変動や極移動にまでかかわることが明らかになってきた。
 
「46億年の地球史図鑑」
地球は赤くて、白かった! ! 宇宙の始まりから生命の誕生、古代生物、恐竜、人類の文明まで地球の歴史をヴィジュアルを中心に読み解く。

「地球と生命46億年のパノラマ」
46億年の地球と生命がつむいできた数々の大事件の歴史を最新の知見にもとづきわかりやすく楽しく記載している。

文字数の制限より超簡単な説明なってしまい申し訳ありません。
 
 
ダイビングをそっちのけで地球46億年の歴史に夢中になってしまいましたが、それでは明日よりメキシコ・カンクンそしてキューバのダイビングに行ってきます。