明日から待望のスリランカへ観光、今回はダイビングは抜きで、行ってきます。
 
スリランカといえば昔セイロンと言って紅茶が有名で、九州の1.2倍の面積の小さな(?)な島に2100万人もの人口を有し、世界遺産が8つもあり(日本には21ありますが)、世界のガイドブック「ロンリープラネット」の2013年版でもっとも旅行したい国No.1に選ばれた国と聞くが、チョット前の2009年までの26年間は、シンハラ人とタミル人との大規模な民族対立が起こって、事実上の内戦状態が続いていて、とても観光で行くというような雰囲気でなかった。
 
内戦終了後の最近のスリランカの状況は、治安情勢好転と8つもの世界遺産を有する観光資源により、外国人観光客が急増して、ホテル建設ブームも起き、景気を押し上げる要因となっている。が、今まで、福祉や分配を重視する社会主義的な経済運営を続けてきたための財政面が脆弱になっているという。
財政赤字・公的債務残高の対GDP比率などを見ると、スリランカは、アジア諸国の中でもかなり高く、財政状態の悪さが目立つ。

国際通貨基金(IMF)によると、政府債務の18年予想額は11兆ルピー(約7兆6千億円)で、国内総生産(GDP)の77%に当たる。シリセナ政権誕生前から港湾、空港、道路の整備に借金を重ねた結果、今や1年の債務返済額(18年予想でGDPの14.1%)が歳入総額(同14.4%)と肩を並べる。債務の約半分が外貨建てで、通貨安は返済負担を膨らませる。(日経新聞電子版より)

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こんな中、前ラージャパクサ前大統領は、中国との関係を深め、中国の援助によって港湾や空港といったインフラ建設を約13億ドル(約1400億円)を投じて進めてきたが、赤字のたれ流しで、中国側が設定した最高6.3%の金利の高い負債を返済できず、施設の権益を譲り渡すという、中国の「一帯一路」の罠にハマってしまった。。
 
スリランカ政府は1712月、ハンバントタ港の運営権(99年間)を中国に正式に譲渡した。
アラビア海とインド洋の中間地点にあり、中国が国境紛争を抱えるインドの鼻先に位置する港だ。
 
中国の遠望なる画策が見える。

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さらに
「世界一寂しい国際空港」の運命は 「一帯一路」の負の遺産、スリランカがインドに支援要請 という記事が
201882日産経電子版ニュースに記載されていた。
 
スリランカ南部ハンバントタで中国の支援で建設された国際空港が経営難に陥り、政府が苦慮している。
建設費は2億1千万ドル(約234億円),9割が中国からの融資で賄われたとされ、工事も中国企業が請け負った。
そもそも需要がほとんどないが、元大統領の強権で地元に建設されることになり、1日の平均乗客は10人以下で定期便もゼロという有様だ。
中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が生み出した負の遺産ともいえ、スリランカ政府はインドに支援を求める方針を決めた。
 
インドも自分の鼻先ですでに中国に譲渡されたハンバントタ港とその近くの空港までが中国のものになることは強烈な脅威を感じるが、なにせどこかと違って民主主義国家、収益のないものへの投資に思い悩むようだ。

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マッタラ・ラジャパクサ国際空港は1日の平均乗客は10人以下の「世界で最も空っぽの空港」と呼ばれる


スリランカに行くにあたって、中国の「一帯一路」について色々調べたところ、その罠にハマってしまっている国々が他にも多くあることが分かった。
だが、内容は後述することにし、まずは楽しい話で、今回スリランカの観光で訪れる予定の場所で特に行きたいとおもい、気になったことを紹介します。
 
普段、お盆や正月休みのダイビングや観光は、高く、混むので殆ど出かけることがないのだが、今回この季節にスリランカに行くことを決めたのはキャンディ・ペラヘラ祭りを見たいがためである。
今年は816日~25日の開催で、後半ほど盛り上がるということなので、でこの時期に決めたのだ。
このペラヘラ祭りはスリランカ最大の祭りで、豪華な衣装に身を包み仏歯をのせた象が踊り子たちと練り歩くものだが、その電飾の豪華さは必見という。

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もちろんスリランカ観光のハイライトであるシギリヤロックも地形、歴史好きには興味津々である。

ジャングルの中に突然現れる高さの200mばかりの聳え立つ奇岩。
更に、その頂上には狂気の王カッサパ1世が5世紀に建てた豪華な宮殿跡があり、中腹には色鮮やかなフレスコ画「シギリヤ・レディー」と知られる女性像があるという。。当初は500体ともいわれたが、風化が進み現在は18体だけが残る。
その当時の豪華さを垣間見るためにも、自分の足で登れるうちにと今回のスリランカ行きを決めた理由でもある。

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                         「シギリアロック」と「シギリア・レディー」そして「象の足」              


 まだまだ素敵なところは一杯あります。なに世界遺産だけでも8つもあるので。


ペラヘラ祭りが行われるキャンディには仏陀の歯を祀った仏歯寺はスリランカ仏教の重要な聖地となっており一見の価値がある。

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貿易港として栄えたコロニアルな雰囲気な城塞都市ゴールにも行きます

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スリランカ最古の都市アヌラダプーラやダンプラ石窟寺院、そしてもちろんスリランカ名物の紅茶の産地スワラエリアにの訪れて色々試飲してみます。

 
宿泊予定のホテルも世界的リゾート「アマン」のデザインに大きな影響を与えたスリランカの建築家ジェフリー・パワが手がけたゴールのリゾートホテル「ジェットウイング・ライトハウス」

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更に、シギリアの広大な敷地に猿やリスも生息する自然を感じながら寛げるという「シナモンロッジ」にも宿泊する予定です。

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全行程9日間でまだまだ色々回ってくる予定だが、詳しい内容は帰ってきてから報告することにして、中国が提唱している「一帯一路」でスリランカをはじめ多くの国々できしみが出ているいるというのでインターネットで調査した内容を報告します。
 
まず「一帯一路」とは
 
中国国家主席の習近平が広域経済圏構想「一帯一路」を発表したのは13年9月 陸のシルクロード「一帯」と、海のシルクロード「一路」からなり、沿線の70カ国以上で、南太平洋や北極圏も含まれ、中南米も取り込もうとしている。

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インフラ整備を支援して中国企業の進出の足がかりとし、政治的・軍事的にも存在感を高め、豊富な資金力を背景に中国主導の国際秩序の構築を図る野心的な試みだ。

総投資額は約10年間で1.5兆ドル(約170兆円)以上に及ぶと予測されている。
 
国際秩序は従来、米国が主導してきましたが、中国が新たな秩序づくりを進める考えを示したものだ。
 




「一帯一路」計画とプロジェクト内容(日経新聞より)
 
凄い構想だが、もちろんその裏には中国の領土・権益拡大の野心が隠されている。
中国のこの手のプロジェクトのやり方は決まっている。

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強権政治家に取り入り、採算を度外視で高い融資比率で(金利も高く)計画を決定させ、実行段階では中国企業が受注し、作業者もすべて中国人を採用。
地元には大きな経済効果をもたらさず、計画が完了して、事業は大赤字で、膨大な債務と金利が重くのしかかる。
そして最後には中国は借金を棒引きすることで完了した施設や資源の権益を自分のものにしてしまうのだ。

 
「中国「一帯一路」が生む借金地獄 米機関が指摘する「高リスク」8カ国とは」
という記事(2018.5.13 付け 産経新聞)があった。
 
それによると
「援助を受けていたはずが、巨額の借金を抱えた上でインフラも奪われる-。中国が推し進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が生み出す巨額債務への警戒感がここに来て急速に広がっている。」と記し
 

 
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は18412日北京で開催された「一帯一路」に関する会議の講演で、一帯一路について 「参加各国は、(中国によるインフラへの投資などを)フリーランチ(無料)と考えるべきではない」
IMFトップが一帯一路にともなうリスクを公に警告した。 と紹介している。

そして、巨額の債務による“代償”を背負う形となった代表例が、スリランカだと述べている(内容は冒頭で紹介)。
 
そんな中、米シンクタンク「世界開発センター」は今年3月、一帯一路参加各国の債務について済能力や債務の中国への依存度などについて、IMFのデータなどから検証した結果を報告している。
 
債務返済が困難となる恐れがある国は、ジブチ、キルギス、ラオス、モルディブ、モンゴル、モンテネグロ、タジキスタン、パキスタンの8カ国だ。
細かな債務内容が記載されているが要は
「対外債務がGDP8割…返済能力に疑義」
ということだ。
 
中国は特に強い海洋国家を意味する「海洋強国」への布石を着々と打っている。

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産油国の中東と中国大陸をむすぶシーレーン(海上交通路)上の要衝に港湾の利用権を相次いで獲得、将来は軍事転用する可能性が指摘される。大陸国家の中国には、エネルギーや物資を安定調達できる海路の確保が国家経営の優先課題の一つだ。海洋での勢力拡大はとどまらない。












中でも目立つのが、産油国の中東と中国を結ぶ海上交通路(シーレーン)の要衝だ。
 
「真珠の首飾り」。
米国防総省は中国がインド洋で展開するシーレーン戦略をこう名付けた。
ミャンマー、スリランカ、パキスタンなど中国が権益を握る港湾を線で結ぶと、インド亜大陸を取り囲むネックレスのように見えるためだ。中国はエネルギーや物資の安定調達が狙いと説明するが、インドは「制海権を奪おうとする試みではないか」と警戒する。

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だが、ここえ来て「一帯一路」陰りが見えているという。

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中国本体の方が米中貿易戦争で景気が減速し、外貨準備額も減少しておりおいそれと大型プロジェクトに投資する余裕がなくなりつつある。

又、融資を受ける方も、中国の強引なやり方と債務の大きさに二の足を踏んでおりプロジェクトの中止、延期を表明する国が多くなっている。






 
政権が代わったマレーシアではマハティール首相は東海岸とシンガポールへ鉄道建設の中止とマレーシア東部のボルネオ島とマレー半島で中国石油天然気集団系の企業が手がけるガスなど2本のパイプラインの建設も中止を通告した。

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トランプ米政権は激化する米中の「貿易戦争」を視野に、インド太平洋地域で米国主導の「自由で開かれた」経済圏の確立に向け、中国が進める「一帯一路」構想と対決していく姿勢を明確に打ち出した。

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そして、ポンペオ国務長官は、ASEAN各国との外相会議の席上、「米国は太平洋国家だ」と強調、 ポンペオ氏が先月設立を発表した、インド太平洋の成長支援のための地域ファンドは約1億1350万ドル(約127億円)は「一帯一路」の推進に向けたインフラ整備の融資を担うものであり、日本、オーストラリアも賛同し協力することを表明した。
 
 
南シナ海では中国に強く云うことが出来ず、島の埋め立て軍事化を既成事実化されてしまったが、「一帯一路」での資源の囲い込みや地域の隷属化など世界が連帯して防がなくてはいけない。
 
 
難しいことは後回しにして、明日から「世界で今一番行きたい国」スリランカに行ってきます。