My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

カテゴリ: 読書

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厳しい寒波の中、2月初めに行ったチュークでのダイビング写真の整理もそっちのけで笹本稜平氏の小説に没入していた。

笹本氏の小説に嵌まった切っ掛けは 昨年末、書店の棚の中の分厚い「遺産」を何気なく手に取ったことである。

アクション、冒険小説が好きな私だが、ほとんどが海外の作家のものが主体で、笹本氏の小説は初めてであった。

だが、この「遺産」は、私の2014年1月27日付けのブログでも紹介したように、海洋冒険ロマン小説だが、それだけで終わっていなかった。

日本から2000km、太平洋の真ん中に眠るマニラ・ガレオン船とこの船と運命を共にした大航海時代に海に生きた一日本人とその子孫である若い考古学者とのの魂の邂逅を描き、

さらに水中考古学の取り巻く世界や、地震に火山、新島誕生に国家間の権益争いにも触れながら息もつかさぬストーリーの展開に感嘆させられ、一遍に好きな作家の一人となってしまったのだ。

氏は、調べてみると、海洋と山岳を舞台にした冒険小説と警察のミステリー物を多く執筆しており、「遺産」に引き続きインターネットで購入し、読んだ本が

「その峰の彼方」2014年1月発刊 文芸春秋刊 1900円
「太平洋の薔薇 上下」2006年3月発刊 光文社刊 各667円
「時の渚」  2004年4月発刊 文芸春秋刊 619円

である。

「太平洋の薔薇」は第6回大藪晴彦賞受賞作品で
「時の渚」は第18回サントリーミステリー大賞・読者賞のダブル受賞作品である。

各本の内容を紹介すると


「その峰の彼方」は

孤高のクライマー・津田悟は北米大陸最高峰・マッキンリーに零下70度にもなるという厳冬の最難関といわれる未踏ルートに単身挑み、消息を絶てしまった。

津田はアラスカで山岳ガイドとし高く評価されて、地域、仲間たちからの人望も高く、愛する妻は子供を身ごもり、彼が企画したアラスカを舞台にした大きなビジネスも花開こうとしていた、まさに順風満帆のこの時期に、なぜ今、彼はこのような無謀なチャレンジを行ったのか。

親友・吉沢をはじめとして結成された捜索隊は、やがて津田の脱ぎ捨てられた上着などの驚愕の生の痕跡に接する。

彼にいったい何が起きているのか? 無事生還できるのか?


捜索隊や周囲の人たちの言葉や行動を通じて、彼らが如何に津田を愛し、信頼していたか、そして彼の「生きること」への真摯な気持ちや行動が少しずつ明らかになっていく。

500ページにも達する長編だが、山岳という厳しい舞台を背景に人間の生き様を考えせられる素晴らしい小説だ。

是非読んで頂きたい。


「太平洋の薔薇」
は2003年の発刊で第6回大藪晴彦賞受賞作品である。

内容は

老朽貨物船「パシフィック・ローズ」の伝説の名船長・柚木静一郎は横浜への最後の航海で海賊に襲われる。

海賊の目的は、積荷や身代金ではなく嵐の海を航海できる技倆を持った船乗りを必要としたのだ。

だがその裏では、悪名高いテロリストが糸を引いていた。
乗組員の命を楯に取られ、柚木は無謀とも言える嵐の海への航海に挑んでいく。

同じ頃、ロシアでは100トンにも及ぶ、史上最悪の生物兵器が盗み出されていた―。

柚木を救おうと海の仲間たちが立ち上がる。
海上保安監でIMB(國際海事局)の海賊情報センターに出向中の柚木の娘・夏海は公私混同をいましめつつも父を救おうと情報収集に奔走する。

彼女の同僚や命令に違反してでも柚木を救おうとする海上保安監たち、海の仲間たちの団結力と果敢な勇気、そして熱き思ひに胸が打たれる。

30ページほどの最終章は感動した。

日本の海上保安庁の巡視船、アメリカの駆逐艦、ロシアの原子力潛水艦の乗り乗組員の登舷例のセレモニー、ロシア原潜艦長、米国大統領の柚木の勇気と友愛への感謝のコメント。本当に感動し、ほとんど涙を流していた。

海の仲間たちの勇気、絆に本当に感動する小説だ。


「時の渚」
笹本稜平氏警察物もよく書かれているのだが、2001年5月に発刊され、第18回サントリーミステリー大賞・読者賞のダブル受賞作品で氏のデビュー作ということで読んでみた。

内容は

元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。

茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…。
やがて明らかになる「血」の因縁と意外な結末…。

そんな偶然が…といくつも続くのだが、やはりそのテンポの良さは本書以降の国際謀略やらサスペンス物やらに受け継がれているようだ。


犯罪を起こす人達の人間性の形成は血縁関係より先天的なものとして備わっているのか、あるいは生まれ落ちた環境などの後天的なものに影響を受けるものなのか?

作者はこの重いテーマをデビュー作から取り扱い、警察物のスピーディーな展開にのせながら「人間愛」に行きつくと述べている。


短時間に笹本稜平氏の長編小説を読み漁ったが、まだまだ読みたい著書がたくさんある。
楽しみだ。

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長かった正月の休みもとうに終わり普段の生活に戻っているが、振り返ってみると今年は本当に静かな休みであった。

普段であれば人混みの少なそうなところを見つけてダイビングに行っているのだが、昨年のフィリピン・マラパスクアのダイビングが台風30号災害で中止してからどうも次の計画がうまくいかずとうとう今年の正月はダイビングに行くこともなく本当に読書三昧の日々を過ごすことになった。

長い休みにの期間中何故かアクション小説が多かった。
年初めにあたって、「2014年の経済展望」なる本や雑誌を買い込んだのだが殆ど読まずアクション小説に没頭してしまった。

読んだ本は

「ウバールの悪魔 上、下」 ジェームズ・ロリンズ箸
  竹書房刊 各667円

「失われたノアの方舟 上、下」ボイド・モリソン箸
  竹書房刊 各667円

「米中開戦  1,2 」トム・クランシー箸
  新潮社刊 各630円



まず「ウバールの悪魔」だが

ウバール:砂漠に消えた古代都市・・・最近安倍首相が中東・アフリカ4カ国歴訪で最初に訪れたアラビア半島南端のオマーン国・コーランや『アラビアンナイト』で懐かしい国だが、この国の南部に紀元300年頃、乳香の交易路沿いにあってシバの女王のもと繁栄したが、悪徳が栄えたため神アラーが戒めのために破壊されたとされる都市だ。

その場所は数千年間、不明のままで、その存在は伝説のものとして考えられていたが、1992年、米航空宇宙局(NASA)の協力で衛星画像を用いた調査の結果ウバールの位置が解明され、またその原因が大規模な天変地異だったことが明らかとなった。

古文書の中にしか存在しなかったこの伝説のロマンの都市ウバールを舞台としたのがこの小説である。

本書は「マギの聖骨」「ナチの亡霊」「ユダの覚醒」「ロマの血脈」(2013年5月7日、6月15日、11月30日付けブログを参照)と専門分野の博士号を持ち、特殊訓練を受けた秘密特殊部隊:シグマフォースのシリーズであるが、発刊は遅いが、著作時期は一番早くシリーズ“0”の扱いとなっている。

内容は
激しい雷雨に見舞われた深夜、大英博物館で起きた爆発事件により一人の警備員が犠牲になった。
博物館の学芸員サフィア、彼女の幼馴染みで大富豪のキャラ、サフィアの元恋人の考古学者オマハは爆破事件がキャラの父の死の謎と関連があると、オマーンの砂漠の失われた都市「ウバール」と向かう。

一方、シグマフォースの隊員ペインターは大英博物館爆発事件の陰に、無尽蔵のエネルギー源である反物質の存在をつかみ、サフィアたちに同行する。
だが、テロ組織ギルドも反物質入手を目論んでいたのだ。

ウバールには超大型の砂嵐が迫っており、その影響で不安定になった反物質は膨大なエネルギーを放出し始めた。
果たしてペインターはギルドの野望と反物質の暴走を阻止することができるのか?


いつものように、歴史的な仮説に基づく構成や科学的事実を盛り込んだストーリーに引き込まれるが、反物質、単為生殖、球電、水の分子構造、バッキーボール、地球起源地下水…そして、失われた都市ウバールへの探求と興味尽きず、ただのアクション小説でない所が好きだ。


「失われたノアの方舟」は
著者が自費出版した電子書籍の口コミからブレークした作家で、俳優、バージニア工科大学で工学の博士号を取得したエンジニアでもある異色の人だ。

上述のジェームズ・ロリンズも大絶賛という触れ込みで、歴史的遺跡、科学的解明とスピード感あるアクションと作風がよく似ている。

ただこちらは世界有数の民間エンジニアリング企業の主任エンジニアが主人公だ。


考古学者デイララ・ケナーは、父がライフワークとして長年探し求めてきた“ノアの方舟”と、それによって莫大な数の人間が死ぬ可能性があるという衝撃を知らされ、元陸軍兵だったタイラーの協力を求める。
“ノアの方舟”の謎とは?
そして、人類の文明を壊滅させようと企む、カルト集団の計画とは?
真相に近づきはじめた2人に残された時間は、たったの7日だった…。


ジェットコースターの様なアクションの連続と、アララト山にあるとされている”ノアの方舟“への理論的解析と大胆な解釈には驚かされるが謎ときとしては今一つ。


「米中開戦  1,2」
ジャック・ライアンシリーズの最新作で4編からなる内の前編。
後編は2月初め発売予定の事。

領土拡大を図る中国の脅威は陸、海、空はもとより、宇宙やサイバー空間までが戦場になるのか?
経済破綻が必至となった中国は台湾を取り込むべき、南シナ海で軍備を増強する・・・・。

詳細は後篇を読んでから書きます。

本月9日、米国は中国海南省が最近、南シナ海の公開で外国漁船への規制を強化していることを明らかにした。
規制に触れた場合、外国漁船が海域からの強制退去を命じられる恐れがあるとのこと。

中国は一体何を考えているのだろうか。
小説が事実になりつつある。

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台風30号がフィリピン中部を襲って甚大な被害をもたらしてから約20日が経過するが、現地から届く被害の情報は日々拡大している。

28日の新聞では、
「フィリピンの、台風30号の死者が5500人になり、行方不明者は1757人。負傷者は2万6千人を超えている。」
とあった。

だが、国際支援は日米などを中心に本格化している。

日本は、海上自衛隊の護衛艦「いせ」など3隻をレイテ島近海に派遣し物資輸送などを始め、航空自衛隊の輸送機は被災地にコメを輸送するなどの救援活動を展開している。

自衛隊の海外派遣としては過去最大となる計約1180人による支援であるという。


フィリピンは日本と同じく自然災害の多い国だ。
10月15日にM7.1の地震が南部ボホール島を襲い百人近い死亡者が出たばかりの後のこの台風災害だ。

東日本大震災では多くの国々から暖かい支援、励ましを頂いた。
今回いち早く国が大規模な支援を決定したことは大いに賛同するものである。


しかし、私個人としては、図らずも、11月12日付のブログにも書いたが、11月20日からのフィリピン・マラパスクアでのダイビング行きを中止してしまった。

その後気になりマラパスクアの被害状況をネットで調べてみるとやはり信じられないほどの被害であった。


私がお世話になる予定であったダイビングショップ:BLUE HEAVENのホームページ
よると

奇跡的に死者はないが、島の殆どの家屋が損害を受け、私が宿泊する予定であったホテルの屋根も飛ばされ、ショップも大きな被害が出て、海岸には多くのボートが打ち上げられている。

しかし、災害にもめげず、島民が一丸となって復旧を進め少しずつ明るみが見えてきている様子が窺える。

僅かで気持ちだけだが寄付もさせて頂いたが、是非とも早期の復旧を成し遂げて頂き、元気な島民の皆様や綺麗な海を早く見に行けるように願うばかりだ。


さて、突然空いてしまったスケジュールは例によって読書三昧ということになるのだが、
こんなときは何故か沈んだ気持ち晴らすかのように、平積みされた本の中からクションものに手が行ってしまう。

読んだ本は

神の起源(上下) J・T・ブラナン著 ソフトバンク文庫刊 
各760円
神の積荷を守れ(上下)クライブ・カッスラー著 新潮文庫刊 
710、750円
ロマの血脈(上下) ジェームズ・ロリンズ著 竹書房文庫刊 
各667円

共に過去の歴史事象を誘因として、現在において善・悪入り乱れて闘うアクションものだ。


簡単な内容と感想は

「神の起源」はイギリスの作家のアクションもので、
南極で超高性能素材を身にまとった4万年前の現代人風の男の遺体が発見される。
「神とは遠い過去に地球に来ていた宇宙人ではないか?」という類のテーマのものだが

洪水伝説、アトランティス大陸、ナスカの地上絵……人類史の謎に迫る。

「ダン・ブラウンx Xファイル」と言う触れ込みでだがキャッチコピーに偽り有というところか。


「神の積荷を守れ」はクライブ・カッスラーのダーク・ピット・シリーズ21弾。

エジプトでモスクが爆破され、その直後、トルコのトプカプ宮殿が攻撃され、オスマン帝国時代の聖なるイスラムの至宝が奪取された。

イスラム諸国を震撼させる事件の裏にはオスマン王朝の末裔が企む邪悪な陰謀があった。

一方、ピットたちは偶然発見した古い沈没船が運んでいた、伝説の「積荷証」を手がかりに、歴史に埋もれたキリスト遺物を追う。

第一次大戦中に当時のイギリスの陸軍大臣、キッチナーが乗った軍艦が謎の沈没をした。

それにはその聖遺物の積荷証明書を運んでいたとされるが・・・・。

毎回、ピットたちの波乱万丈の大活躍だが、やはりマンネリ化するところがある。
しかし、歴史的背景へのいつもの念密な調査は楽しめる。


「ロマの血脈」はジェームズ・ロリンズのシグマホースシリーズ4作目のものだ。

「マギの聖骨」「ナチの亡霊」「ユダの覚醒」と読んだが、
歴史×宗教×科学のハイブリッド・エンターテインメントと銘うち、今回も楽しめた。

今回は、巫女たちの占いにて西洋文明に絶大な影響を及ぼした四世紀にローマ軍の攻撃で終焉を迎えたデルポイの神殿と、1955年にロシア軍がロマ(ジプシー)の種族の村を襲撃し、大人は惨殺、子供は拉致された事件が背景だ。

占いや、予知能力等の特殊能力を持人々を集め、遺伝的に、科学的にその能力を高め、それを利用して、世界制覇を狙ロシア政治家とそれを阻止しようとするシグマホースとの闘いだ。

作中にチェルノブイリ原発の厚さ12mに及ぶ巨大な鉄鋼製の新しいシェルターや周辺の信じられないほどの環境汚染に詳細に触れており何時もいい教訓を与えてくれる。


さて、明日から日本列島最古の陸地である能登半島に2泊3日の周遊ツアーに行ってきます。
内容は後で報告します。

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最近、気候の変わり目なのか体調がすっきりしない。
少し風邪気味かなと思っても直ぐ戻るが、再び熱っぽい日が繰り返す。

こんなときこそ読書と、あまり外出もせず、部屋の隅に山のように平積された本のなかから
1冊、2冊と取り出して読んでいる。


私の最近の本の購入はインターネットによるものが多くなっている。

本屋で購入する場合、面白そうな本を見つけても、手にとってぱらぱらと捲って、装丁や活字や値段など内容以外のものを見て購入するのをやめてしまうことが多い。

ネットの場合は殆どが直感だ。

だから失敗も多い。
宅配された本を見て、自分の思惑とチョット違っていると、直ぐ読まず平積みしてしまう。
下のほうに平積みされた本の多くはネットで購入されたもので、中々順番が回ってこないのだ。

しかし、最近はデータ処理技術の進歩のおかげか、私の過去の購入履歴や検索キーワードなどを分析し、私が良く買う著者や趣味の分野の本が発刊されると、私向けに的を絞った広告メールがネットショップから頻繁に送られてくるようになってきた。

好きな著者や、好きな分野の本であるので、ついネットで購入してしまうことになり、ネット購入が多くなるのだが、失敗することは少なくなり、買い損じることもなく重宝している。


このところ、「深海」がブームだ。

今年1月に、NHK が深海に棲む幻の巨大イカ・ダイオウイカの生きた姿を放映されたのに続き、3月には、愛知県の渥美半島沖の海底にあるメタンハイドレートから天然ガスの生産に成功したと報道された。

少し前だが、南鳥島周辺の水深5600mの海底に国内の年間消費量の200年分の「レアアース資源」の発見も大きな話題となった。

この「深海」というキーワードは私にとっては、ダイビングと言う観点意外にも、生物的、科学的、地質学的にも地球の誕生の歴史を紐解く謎が多く隠された、神秘的で冒険的で大いに惹かれるものだ。


さて、そんな中、あるネットショップで「深海」というキーワードで送られてきた書籍広告メールで、購入して、最近読んだ本が次の三冊だ。


「太平洋のレアアース泥が日本を救う」  加藤泰浩 著  
PHP新書  780円
「日本の深海」  瀧澤美菜子 著  講談社 刊  800円
「深海大戦」   藤崎信吾 著  角川書店 刊 1800円

の三冊だ。


「太平洋のレアアース・・・・」は東大の加藤教授が書いたもので、ハイテク産業には欠かせないが、中国が独占的に所有していて政治的にも利用され問題となったレアアースが日本の南鳥島周辺の海底でもその巨大な鉱床が発見されという痛快で喜ばしい話だ。

発見に至る経緯、何故南鳥島に、そしてその開発方法について詳しく述べられている。
是非一読して欲しい本だ。


「日本の深海」は著者の前作「深海の不思議」日本実業出版社刊は深海に関する全般をイラストを用い解説したが、本作はより深海の資源と生物に的を絞り詳しく解説している。

日本の領土面積は世界第61位にすぎないが、領海と排他的経済水域(EEZ)を含めた海の面積は領土の約12倍、世界第6位である。
なかでも水深5000mより深い海域の海水の保有体積は世界第1位であり、日本は深海大国である。

この深海に目を向け、4つのプレートが複雑に絡みあって作り出した日本列島の誕生と多様な生物ならびに海底資源について、上記「太平洋のレアアース・・・・」とかぶるところもあるが、著者は科学ジャーナリストという面から大変わかりやすく説明してくれている。


さて、最後の「深海大戦」の著者紹介に「米国の海洋学を学び、広範囲な科学知識と原始アニミズムや神話のモチーフを縦横無尽に駆使し、スケールの大きな作品を発表している」とありこれまた私の興味を抱かせる内容であろうと、即購入したものである。


内容は
日本周辺海域をはじめ、各地で海洋資源開発が進み、その資源が世界のパワーバランスをも左右するようになった近未来が舞台で、海洋エネルギー供給の役割を与えられている、海を生活の場に選んだ海洋民の利害関係の争いを描いたSF。


小説の冒頭はメタンハイドレート採掘基地での突如暴噴大事故の発生だ。

以前にも紹介した「深海のYrr」フランク・シェツイング著(2008年6月23日付ブログ参照)もメタンハイドレートの異常崩壊による大津波の発生だ。


将来の夢ある資源と期待されるメタンハイドレートだが、圧力と温度の一定条件化で存在するため条件が狂うと大事故になる可能性があるのだ。

およそ8千年前ノルウエー沖でメタンハイドレート崩壊によるメタンの大量噴射がおきており、噴出口の痕跡が海底に1千キロメートルに渡って広がっているという。

地球歴史上、過去5大生物絶滅災害があったとされるがそのうちいくつかはメタンハイドレートが起因だとも言われている。


夢ある資源だが扱い方を間違えると取り返しのつかないことが起こる可能性がある。
人類の英知を集めてじっくりと進めて欲しい。

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8月の初めにサイパンでのダイビングから帰国後あっという間に一ヶ月以上が経ってしまった。

この間、日本中が異常気象に見舞われた。
毎日酷暑の連続で、西日本では夏平均気温が統計開始以降第一位の+1.2℃上昇し、143地点で日最高気温の記録が更新され、8月12日には高知県四万十市江川崎で41.0℃の日最高気温を記録更新した。

一方では日本海側の東北、北陸地方での多雨と中国、東北地方での過去に経験したことのない豪雨に見舞われた。
更に、関東地方では巨大な竜巻も発生し大きな被害をだした。

日本だけでない、世界各国で洪水、山火事、旱魃など大災害が多発している。

いったい何が起きているのだろうか?

気象庁の報告では
「7月以降、太平洋高気圧とチベット高気圧の強まりによって、西日本を中心に全国
で猛暑となり、西に強く張り出した太平洋高気圧の周縁を吹く暖かく湿った
空気が流れ込んだ日本海側ではたびたび大雨となったとし、高気圧がともに優勢となった要因は、海面水温がインドネシア・フィリピン周辺で高く、中・東部太平洋赤道域で低くなったことにより、ア
ジアモンスーンの活動が広い範囲で非常に活発となった」と分析しているようだ。

やはり温暖化の影響なのか?
それとも地球がもつ温度調節機能である、温かい氷間期から極寒の氷期への変化なのだろうか?

過去数十年の間に、異常気象の発生率と発生頻度は急激に上がっており、温暖化が地球全体の気温や気候変動に何かしらの影響を与えていることは確かなのであろう。
最近の様々な科学的調査から温暖化の原因が人為的な温室効果ガスである確率が90%以上だと言われている。

最近、反温暖化論者達はどうしているのだろうか、この異常気象見てどのような珍論を述べるのだろうか?
分が悪いと、だんまりに徹しているのか、それとも、売名や私腹を肥す目的を果たしたからもういいと言うのだろうか。

是非ご高説をお聞きしたいものだが・・・。
それとも「世間をお騒がせして申し訳ありませんでした」の一言ぐらい聞きたいものだ。


こんな鬱陶しい時期に飛び込んできたグッドニュースは2020年東京オリンピック開催決定の通知だ。

東京に決まったことにより、オリンピック関連の株式が高騰し、つれて日経平均も元気良くあがってくれている。

オリンピックの経済効果は巷で3~4兆円と言われているが、今後7年間の中ではそれほど経済を持ち上げる力は無いと言う人もいる。
だが、日本は空気で動く国であり、この「浮かれ気分」で(冷めやすく、忘れっぽいのがちょっと心配だが)、今後は消費税問題をはじめ、全てのことがなし崩し的にうまく進むのではないかと思うのだが。


本当にオリンピックさま様だ。

このオリンピック招致に成功した要因は色々あるようだが、プレゼンテーションが内容もスピーチも大変良かったのが勝利への大きな要因の一つであることは確かであろう。

日本人は感情を表に出して人に訴えるのは苦手なようだ。
私もあまり派手なジェッシャーの人のスピーチにはちょっと引いてしまうところがあるが、外国人相手では別のようだ。

人に訴え、理解して貰い、納得して貰うためのスピーチには真摯に誠実にという面以外の“テクニック”という分野も大きな要素を占めるようだ。


おりしも最近読んだ 原田マハ著 「総理の夫」が思い出される。

簡単な内容は
20XX年、相馬凛子は42歳にして第111代総理大臣に選出された。
凛子は美貌、誠実で正義感にあふれ、高い志と強い意志を持った政治家だ。
その総理の夫である相馬日和が日記形式で古い因習が蔓延る政界に孤軍奮闘する凛子をサポートする様子を綴る物語である。

作者はスピーチに格段の想いを持っており、本作品でも凛子のスピーチ内容の検討に久遠久美というスピーチライターを登場させて其の重要さを表現している。


久遠久美は同氏著「本日は、お日柄もよく」に登場する伝説のスピーチライターで、ここではお互いの人を想う何気ない会話、そして数々の言葉に魂を込めた、語りかけるスピーチの大切さ、重要さを訴えている。
(2011年3月8日付けブログ参照ください)


今回の東京オリンピック招致活動でもスピーチの内容、喋り方、ジェッシャーなど専門家がついて練習に練習を重ねて勝ち取ったものであると思う。

日本の政治家達はこれを機会に誰も聞いていない国会の答弁や選挙演説など内容の見直などスピーチの仕方を専門家に付き特訓して欲しいものだ。


さて、異常気象の夏も終わり、活動しやすくなったと云う事で、早速今夕から高知県鵜来島へ三泊四日のダイビングに行ってきます。

Cカード取得のショップ主催のツアーで行き帰りマイクロバス後部座席にて爆睡付きのラクチンツアーなのだが、過去には鵜来でニタリやジンベイなども見かけたというが果たして今回は・・・

それでは行ってきます。


「総理の夫」 原田マハ著 実業之日本社刊 1700円

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