本年第2弾の日付変更線越えダイビングだ。
6年前にダイビングを始めてすぐ、ダイビングの事を深く知らないうちから、紅海とカリブ海が憧れの場所だった。
そのうち、紅海はエジプト・カイロ観光をかねて09年7月(私のホームページ参照)に実現さすことが出来た。
だが、カリブ海でのダイビングは中々実現できなかった。
それは、私のダイビングの嗜好が大物、回遊魚、地形であって、
それらが特徴的であるサイトを専ら追いかけて来たことと、
カリブ海は日付変更線を越えて行かなくてはならず、
仕事を持つ身としては行きにくかったからである。
それが昨年9月末、仕事を辞めてから時間的な制約がとれ、
日付変更線越えのダイビングも問題なく行けるようになり、
第一弾が本年2月のメキシコ・ソコロ諸島で、
第二弾として今回のカリブ海・コスメル/カンクンダイビングだ。
この地をベースにしたダイビングは、大きくは3つのエリアに分けられるという。
ひとつは、カンクンの近くでのダイビング。
カンクンはカリブ海きってのリゾートでユカタン半島の先端にあり、
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大型豪華リゾートホテルが建ち並ぶ。
澄み切ったコバルトブルーの海と煌く太陽を求め、
一年を通じて世界中から数多くの観光客が訪れるメキシコ随一のリゾート地だ。
此処でのダイビングは、すぐ近くに沈船ポイントもあり魚影も濃く、豪華なリゾートライフをエンジョイしながらダイビングが楽しめる。
もうひとつのダイビングエリアはコスメル島だ。
コスメルはユカタン半島の沖に浮かぶメキシコ最大の島であり、
カリブ海クルーズの寄港地として毎日何隻もの大型クルーズ船が寄港し、
観光客で賑わっているが、ここは、世界中のダイバーが憧れるポイントでもある。
島自体が外洋からの波を防いでいるので穏やかで、
透明度もよく、魚影も濃く、海底の地形も変化に富んでおり、
ドロップオフやホール、白い砂地など、いろいろな光景を楽しむことができる。
大物は少ないが、「カリブ海3大固有種」といわれる
フレンチエンジェルフィッシュ、グレーエンジェルフィッシュ、クイーンエンジェルフィッシュをはじめコスメルでしか見ることができないといわれるトードフィッシュやスポッテッドドラムなどが見られ、大物の代わりになる魚が目白押しだ。
更に、三つ目のセノーテでは他では体験出来ない特徴的なダイビングが出来る。
セノーテとは、聖なる泉という意味で、ユカタン半島の地下を流れる水脈のことで、カンクンから南へクルマで約2時間のところにある。
つまり、セノーテのダイビングは、淡水のケーブダイビングである。
洞窟の中は石灰層でろ過された無限の透明な水に満ち、静寂で、光のカーテンが岩に反射し、息をのむほど幻想的な光景を味わうことがでる。
長い年月をかけて作りあげられた壮大な鍾乳石は、太古の歴史を感じさせる。
地形好みのダイバーには堪らないダイビングだ。
このように特徴的なダイビングが出来るのはユカタン半島の地球の地殻創造の成り立ちに大きく影響されている。
ユカタン半島は、面積約日本本島の3倍もあるが、
先カンブリア時代(数10億年-約6億年前)という古い時代の造山運動により作られた岩石を土台にしてその上に地層が堆積した、
全体が石灰岩などからなる非常な広大な台地である。
そのため、地表は高低さがなく川がない。
土を含んだ濁流が海に流出することもなく、侵食による地形変動を起こしにくいため、カリブ海の抜群の透明度が保たれているのだ。
地表に降った雨は、土に染み込み石灰石のフィルターを通過して、
地下水脈を流れ、海に流出することなく、その一部はセノーテとして湧き出している。
又ユカタン半島はダイビングに直接関係ないが、
巨大隕石の衝突による恐竜の大絶滅を引き起こした現場でもあるのだ。
6500万年前、ユカタン半島北の海岸町、チチュルブ付近に直径10kmほどの隕石が衝突し、地球上の生物の75%が死滅したという。
この時出来たクレーターは直径180km、深さ20kmにもなり、
今は堆積物が蓄積しわからないが、衝突の衝撃波の痕が地下1kmにある6550万年前の岩石に残り、地表でもNASA衛星画像によりセノーテ・リングとして知られるようになった。
又、此処は古代マヤ文明の風情を色濃く残す場所でもある。
永い地球の歴史に思いを馳せながらダイビングを楽しんできます。