28日の東証で日経平均は前週末比7864銭安の1万830258銭で始まった。その後下げ幅は一時150円まで広がり、午前の終値は前週末比14632銭(0.80%)安い1万823490銭だった。
円相場が1ドル=111円台後半で強含んでいる事により歩調を合わせている。
 
日経平均は前週末まで7日続伸するなど、ここ半月ほど一方的な上昇が続いているため、短期的な過熱を警戒する声は増えており、利益確定売りが出やすくなっており、石油輸出国機構(OPEC)総会など注目イベントも控えていて、又、円安が一服している事などが当面の利益を確定するきっかけとなっているという。
 
トランプ氏が米大統領選で勝利を決めてから半月あまり、米次期大統領による減税やインフラ投資を見越した米金利の上昇を起点とし、米金利上昇→ドル高・円安→日本株の上昇というプラスの循環が続いてきたのだが、最終的には28日の日経平均は、前営業日比24円(0.1%)安の1万8356円と8営業日ぶりに反落した。
 
ただ、日経平均は米大統領選後に2000円超上昇し、海外投資家は過去2週間で現物株を約8900億円買い越していおり、足元の上昇ペースは明らかに速すぎると投資家たちが「トランプ相場」を冷静に受け止め、中長期的な相場展開を見極めようとし始めているのは見逃せない変化だろうと言われている(日経新聞28日)。
 
 
米国の大統領選挙(18日)後の日経平均を振り返ってみると、9日の日経経均はトランプ氏の予想外の勝利で大暴落で一時16,111(1,060円の下げ)まで下げる時があったが、終値で16,251円の920円も下げた。
だが、翌日は米国のNYダウが下がらなかった事より日経平均は前日の暴落分を補う1,093円の暴騰をし、その後はわずか二週間ほどで、本年14日の年高値18,450円を一時だが越すほどのうなぎ登りの上昇を続けてきた。
 
積極的な米財政政策の観測で日米金利差が拡大しており、ヘッジファンドなどの円売り・ドル買いが勢いを増し、「トランプ相場」に乗り遅れまいとする投資家によって、円売りが円売りを呼ぶ展開になり、株価上昇に繋がった。

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                      米国と日本との金利差とドル円相場の関係(日経新聞より)
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          最近3ヶ月間の日米株価の推移(日経新聞より)

円相場は25日に一時、1ドル=11390銭まで下落し、3月中旬以来約8カ月ぶりの円安水準を付け、米大統領選後でみるとわずか半月で12円超も円安が進んでしまったのだ。
これは相場の流れに乗って利益を得ようとする欧米ヘッジファンドの存在があるという。
 
ただ今後の為替動向に懐疑的な見方もある。
長期的に日米長期金利差(10年物国債金利の米国マイナス日本)とドル円相場は連動性が高く、過去の推移から見ると最近のドル高・円安ピッチがあまりに急すぎるという。
統計的な計算では25日時点の長期金利差(2.33%)が示すドル円相場は105.5円で先週末には一時113円台であり、いずれ修正される方向に動く可能性があるという。
 
 
こんな大きな為替の変動はやはり異常だ。
こつこつとコストを下げる努力してきた製造会社は馬鹿らしくなり努力の手を緩めてしまうだろうし、原料を輸入して加工する加工会社は永年積み上げてきた製造コスト低減の努力を一夜にしてフイにされ、大きな損失を被ることになる。
 
自分の与り知らぬどこかのマネーゲームの果に事業が不調になってしまうなんて耐えられないことだろう。
 
資金を持つ大きな組織が自己利益のため手段を構わず傍若無人に利益をあげようとする一部の金融機関がまん延しないよな規制が必要だと思うのだが。
 
 
トランプ次期米大統領の経済政策への好感を切掛としたドル高は新興国の経済に大きな揺さぶりをもたらしている。
ドル高による自国通貨安を受け、各国は通貨防衛策に動き出した。
トルコ中央銀行は24日、約3年ぶりの利上げに踏み切り、インドネシアやブラジルは自国通貨買いの為替介入を始めた。
利下げによる景気刺激策などを取りづらくなり、各国経済に打撃を与える懸念が広がっている。
 
今回の選挙結果の衝撃が最も大きいのは米国の隣国メキシコだ。
トランプ次期大統領の保護主義政策が対米輸出にマイナスに働くとの連想から通貨ペソは米大統領選があった8日から25日までに11%超下がった。
メキシコ中銀は17日に政策金利を0.5%引き上げることを決めたが、ペソ安に歯止めがかからず、12月の追加利上げが有力視されている。

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         新興国の米国大統領選挙後の金利と通貨下落率(日経新聞より)
 
強い米国の回復を掲げて選挙に勝ったトランプ氏は政策課題で成長回復と中間層の所得向上、財政政策は拡大(減税・インフラ投資)、金融政策は利上げ(緩和解除)、そして通商政策としてTPP反対、NAFTA見直しを公約している。
 
今のところ、減税やインフラ投資による経済の拡大予測により金利が上昇し、ドル高が進み、円安→株高をもたらしているが、今後トランプ氏の反グローバルな保護主義的政策により世界情勢を大きく変えてしまうことになる恐れが有る。
 
イタリアは124日に上院の力を弱めて意思決定を迅速にする憲法改正への賛否を国民投票でとうが、アマチュアの改憲反対派は米国の動きに勢い付いている。
 
来年に入ると3月にオランダ第二院選挙、4~5月フランス大統領選挙、6月に国民議会選挙、9月ドイツ下院選挙と予定されているが、いずれの選挙も、反EUをかかげている民族主義政党の台頭が警戒される。
 
又、日本に於いても、トランプ氏のアジア外交、貿易問題、安全保障などに関する従来の主張がそのまま米国の政策となれば、TPP取り止めも米駐軍費用負担増や沖縄米軍基地撤退も中国にとって千載一遇の大チャンスと見て中国の覇権主義戦略を利するようなことになり大きな課題となる。

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             各国米駐軍経費負担額(インターネットより)
 
自由な競争や貿易で繁栄をめざすグローバル経済の弊害として、広がる不平等や移民の脅威に民衆は反発し、変化を求めている中、トランプ氏が煽り増々各国は内向きになりグローバルな資本主義に大きな変化をもたらすことになるのかもしれない。
 
 
でもこの人騒がせなトランプ氏のお陰で束の間の?株価上昇により気分晴れやかに先日(26日)京都紅葉見学に行くことが出来ました。
 
今回は計画も立てる間もなく思い立ったら吉日と、自宅の最寄りのJRの駅より出発するというお手軽なバスツアーに参加しました。
 
訪れた場所は
・光明寺 参道を鮮やかなもみじが埋め尽くす紅葉の名所と名高い
・大原野神社 神社の朱塗りと紅葉のコラボが美しい
・大徳寺 利休が秀吉から切腹を命じられた原因となった三門(金毛閣)がある
・嵐山 紅葉に染まる嵐山周辺を散策
・嵯峨野トロッコ列車 トロッコ列車に乗ってライトアップしたもみじを堪能する
 
という内容なのだが、何と言っても今回のツアー参加は光明寺のもみじの参道が目的であった。
 
以前からインターネットで、参道いっぱいに敷き詰められたもみじの絨毯の写真を見ていつか行ってみたいと思っていたが、京都は混むだろうし、車で行くのには駐車場とか色々大変かと躊躇していたが、今回何気なく見ていた旅行社の広告に、自宅近くより出発して光明寺に行くツアーがあったので土曜日出発で混むかなとの心配があったが、即申し込んだ訳である。
 
案の定土曜日ということもあり、どこもやっぱりこのシーズン人でいっぱいでした。
特に、外国人の観光客が多く、嵐山周辺は道路いっぱいに人が溢れものすごい賑わいで、随分昔に訪れたときの静かな面影など全く感じることができずチョット残念でした。
 
さて、目的の光明寺のもみじの参道もやはり人が多く、前の人の背中を見て歩く状態で、もみじの写真を撮ろうとしたらどうしても人ばかりが写り、結局は上を向けての写真が主となってしまい残念でした。
しかし、両側から木々の枝が大きく伸ばし、道は一面に赤い絨毯が敷き詰められたようで本当に紅色のトンネルのようで見事でした。

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        光明寺総門と御影堂と釈迦堂を結ぶ綺麗な回廊
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              光明寺もみじ参道の薬医門
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  光明寺参道のもみじと人が居ないもみじ参道この写真に惹かれた(光明寺HPより)

源氏物語の作者紫式部が氏神と崇めた大原野神社だが、紅葉を見るには少しおそすぎたのかチョット物足りなかった。
しかし京の春日さんと呼ばれ、狛犬の代わりに鹿が鎮座して、猿沢池を模した鯉沢池の周りの紅葉がよく映えて綺麗であった。

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              大原野神社の鯉沢池と朱塗りの神社
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    神社内の綺麗なもみじと狛犬の代わりに鹿が・・京の春日たる所以か

臨済宗大徳寺派の大本山の大徳寺は千利休ゆかりの地として有名で、利休は、自宅近くに建つ大徳寺の三門(金毛閣)の造り替えのための援助をし、三門が完成した時、利休に対する感謝の意を表するために利休の木像を造り、それを三門の上に祀りましたが、それを見て秀吉は「高貴な方が通る三門の上に草履をはいた利休の木像を置くということは、高貴な方の頭を踏みつける行為と同じである」と怒り切腹を命じたと言われている。
 
利休の切腹の理由は諸説ありよくわからないようです。
しかしここは紅葉と共に茶道との関わりの深い寺として静で落着いたお寺であった。

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           大徳寺三門(金毛閣)と静かな庭園

嵐山周辺はおまけみたいなもので、紅葉には少し遅く、ただ人混みを見に行った感じだった。
渡月橋は本当に人の背中にくっついて歩くような感じだった。
遠くから来た外国の観光客はこんな人混みで何を感じて帰ったのかチョット心配だ。
 
嵯峨野トロッコ列車に乗車したときは既に夕暮れになっており、特別企画として、夕刻でもからの乗車でも楽しめるよう、沿線のもみじのをライトアップしたのを列車から見ることになるのだが、走っている列車の中から線路際のライトアップしたもみじを見ても一瞬のことであまり感動が湧かない。
 
それでも5両の列車が満員で企画としては成功なのであろう。
だが、やはり自然溢れる渓谷見ての嵯峨野トロッコ列車だ。
天気の良い陽の光溢れる時に行くべしだ。
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      嵐山渡月橋 この橋には和服がよく似合う 両側の歩道には人がビッシリと
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      桂川遊覧のボート風情があって良いな 渡月橋への道は人で大混乱だ
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    渡月橋付近で買い物をする和装の観光客と嵯峨野トロッコ列車のライトアップ

急遽決めた京都行きであったが、揺れ動く経済と世界情勢の心配事を忘れ、久しぶりの京都の紅葉と京料理を楽しんだ満足な一日を過ごすことが出来た。
 
 
ただ現実に戻るとお騒がせなトランプさんが世界を揺るがしている。
どうか、変節でも約束違反でもいいから現実的な政策をとって穏やかな世界を構築していただきたい。
よろしくお願い致します。