今回の「暗幕のゲルニカ」は第155回直木賞候補であったが、荻原浩氏の「海の見える理髪店」に負けてしまった。
(本作品読書後直木賞の選評の概要を見てみると、どうも女性作家の評が厳しかった感じであったが、「海の見える理髪店」を読んでおらず、好きな作家への身びいきと言われてしまえばそのとおりかもしれませんが・・・)
「ゲルニカ」は、スペインの画家パブロ・ピカソがスペイン内戦中の1937年に描いた絵画、およびそれと同じ絵柄で作られた壁画である。
20世紀を象徴する絵画であるとされ、その準備と製作に関してもっとも完全に記録されている絵画であるとされることもある。(Wikipediaによる)
ピカソの「ゲルニカ」 スペイン内戦中のドイツ軍の悲惨なゲルニカの空爆を描いた
しかし、「ゲルニカ」はスペイン館のパビリオンに飾られた当初の評価は高くなかったが、やがて反戦や抵抗のシンボルとなり、ピカソの死後にも保管場所をめぐる論争が繰り広げられることになった。
現在のパートは2001年9月11日のニューヨークに飛ぶ。
ゲルニカ空爆と9・11テロ、二つの大きな悲劇が対置され、ピカソの〈ゲルニカ〉が第二次大戦とイラク戦争をつなぐ。
この史実に著者は衝撃を受ける。