My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

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先日、3月24日オランダ・ハーグで米中首脳会談が行われた。

米国が中国にウクライナ情勢で協力要請をしたものだが、中国は国内に新疆ウイグル、台湾問題等を抱え、うかつにクリミアの住民投票を認めれば民族問題に火がつきかねないため、中国から「中立」の態度の表明を得るのが精一杯であった。

だが、これと引き換えに日本および東南アジアの諸国にとって大変重要な事がやり取りされている。

この会談の共同声明で、オバマ大統領が「新型の米中両国関係の強化と構築」を宣言し、習国家主席は「米中両大国の新型関係」を強調し、「対決や衝突をなくし、相互尊重、ウィン・ウィンの協力」を築くことを力説した。


この「新型大国関係」は昨年6月ハワイでオバマ大統領と習国家主席の会談の時に中国が提案したもので、中国の主旨は表向きは、米中両国が共に大国として特別の絆を結び、国際秩序の運営に主導的な役割を果たすというものだ。

だが、その本音は、米中は対等であり、「米国は、中国が核心的利益とみなすチベットや新疆ウイグル両自治区、台湾などに口出しない。
その代わり、中国は経済や安保の共通課題について、米国に協力する。」
というもので、中国の核心的利益には南シナ海、東シナ海も入るであろうし、米側としては受け入れることは出来ず、このときは軽く受け流した。


しかし、一年も経たないうちに、米国は何故か中国の腹黒い意図を承知しながら、中国の言う「新型大国関係」の話にのるような態度を見せたのだ。


国際ルールを守らず、捏造と恫喝と暴力的な振る舞いで周辺国に脅威を与えている中国がどんな国際秩序の運営を図れるというのだろうか?

中国はインド、パキスタン、ロシア、北朝鮮の4つの核保有国に囲まれ、さらに尖閣問題、南シナ海やインド国境など難しい国境問題に直面している。

加えて国内では環境破壊、経済格差、台湾、国内移民、汚職、人権侵害、新疆地域やチベットでの民族独立問題など多くの内政問題がある。

こんな国が米国と世界を二分して、対決や衝突がなく、相互尊重し、ウィン・ウィンの世界を構築できるはずがない。


小説の世界では中国がからむ近未来のシナリオは中国が突然東南アジア諸国に武力侵攻し、米国との開戦となる話がほとんどだ。

最近読んだ本でも

「米中開戦 1~4」トム・クランシー著 新潮文庫刊
「中国軍を阻止せよ 上下」ラリー・ボンド著 二見文庫刊

共に中国の南シナ海強奪を切っ掛けに米国を巻込んだ世界大戦を描いている。

簡単に内容を紹介すると

「米中開戦」は最近急逝したトム・クランシーのジャク・ライアンシリーズの作品で2014年1月13日のブログで前半の1,2巻について触れたが、今回後半の3,4巻も出版されたので改めて記載するが、

強力な軍事力により、中国は一方的に南シナ海を封鎖宣言し南シナ海を強奪し、インドの航空母艦が海域に侵入したとたん、対艦ミサイル四発を発射した――。

その一方、中国のサイバーテロによる、米国全土の都市インフラを始め、金融システム、原子力発電所、軍事偵察衛星へまでの陰湿・巧妙・非常で激烈な攻撃に襲われたジャック・ライアン米国大統領が決断を下す・・・。

本著はサイバー空間での戦いを中心に据えた軍事・諜報・謀略・政治小説である。



「中国軍を阻止せよ」は、以前私のブログでも紹介した「レッド・ドラゴン侵攻シリーズ」で中国による侵略戦争を書いているラリー・ボンドの作品だ。

前作「レッド・ドラゴン・・」は温暖化により飢餓が進む中国はベトナム軍が中国へ侵攻したと口実をつけ、肥沃な農地と豊富な海洋油田を持つベトナムへ侵攻し、アジア全土を制圧しようとする野望いだく中国とそれを阻止しようとする米国の話だ。

今回の「中国軍を阻止せよ」は中東からの石油資源の減少に悩む中国は南シナ海の資源に目をつけ、強力な戦闘攻撃装備を持つ巨大な石油プラットフォームを密かに建造し設置しようと計画する。

それ察知した日本は、関係諸国(インド、韓国、ベトナム)と「沿岸同盟」を作り中国の作戦を阻止するため、密かに中国に向かう巨大タンカーや商船を次々と攻撃、撃沈していく。

「沿岸同盟」の動きを察知した中国は同盟国の主要都市にミサイルを発射する・・・。

不干渉の立場をとっていたアメリカは戦いをやめさせるために原子力潜水艦にある指令を出す・・・。



この小説では米国は不干渉の立場で、中国の不穏な動きを一切掴んでいない。

先日の中国との「新型大国関係」で、米国はアジアでの中国のすることには口出さないとする関係をいみじくも表している。

2年ほど前に書かれているため、韓国が日本との同盟に参加するというのはご愛嬌であるが。

いくら米国が中国との経済の結びつきが無視できなくなったとしても、中国はちょっとスキを作ると強引で暴力的な手段で我が物し、それを既成事実化してしまうので、この「新型大国関係」は本当に油断できない。

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厳しい寒波の中、2月初めに行ったチュークでのダイビング写真の整理もそっちのけで笹本稜平氏の小説に没入していた。

笹本氏の小説に嵌まった切っ掛けは 昨年末、書店の棚の中の分厚い「遺産」を何気なく手に取ったことである。

アクション、冒険小説が好きな私だが、ほとんどが海外の作家のものが主体で、笹本氏の小説は初めてであった。

だが、この「遺産」は、私の2014年1月27日付けのブログでも紹介したように、海洋冒険ロマン小説だが、それだけで終わっていなかった。

日本から2000km、太平洋の真ん中に眠るマニラ・ガレオン船とこの船と運命を共にした大航海時代に海に生きた一日本人とその子孫である若い考古学者とのの魂の邂逅を描き、

さらに水中考古学の取り巻く世界や、地震に火山、新島誕生に国家間の権益争いにも触れながら息もつかさぬストーリーの展開に感嘆させられ、一遍に好きな作家の一人となってしまったのだ。

氏は、調べてみると、海洋と山岳を舞台にした冒険小説と警察のミステリー物を多く執筆しており、「遺産」に引き続きインターネットで購入し、読んだ本が

「その峰の彼方」2014年1月発刊 文芸春秋刊 1900円
「太平洋の薔薇 上下」2006年3月発刊 光文社刊 各667円
「時の渚」  2004年4月発刊 文芸春秋刊 619円

である。

「太平洋の薔薇」は第6回大藪晴彦賞受賞作品で
「時の渚」は第18回サントリーミステリー大賞・読者賞のダブル受賞作品である。

各本の内容を紹介すると


「その峰の彼方」は

孤高のクライマー・津田悟は北米大陸最高峰・マッキンリーに零下70度にもなるという厳冬の最難関といわれる未踏ルートに単身挑み、消息を絶てしまった。

津田はアラスカで山岳ガイドとし高く評価されて、地域、仲間たちからの人望も高く、愛する妻は子供を身ごもり、彼が企画したアラスカを舞台にした大きなビジネスも花開こうとしていた、まさに順風満帆のこの時期に、なぜ今、彼はこのような無謀なチャレンジを行ったのか。

親友・吉沢をはじめとして結成された捜索隊は、やがて津田の脱ぎ捨てられた上着などの驚愕の生の痕跡に接する。

彼にいったい何が起きているのか? 無事生還できるのか?


捜索隊や周囲の人たちの言葉や行動を通じて、彼らが如何に津田を愛し、信頼していたか、そして彼の「生きること」への真摯な気持ちや行動が少しずつ明らかになっていく。

500ページにも達する長編だが、山岳という厳しい舞台を背景に人間の生き様を考えせられる素晴らしい小説だ。

是非読んで頂きたい。


「太平洋の薔薇」
は2003年の発刊で第6回大藪晴彦賞受賞作品である。

内容は

老朽貨物船「パシフィック・ローズ」の伝説の名船長・柚木静一郎は横浜への最後の航海で海賊に襲われる。

海賊の目的は、積荷や身代金ではなく嵐の海を航海できる技倆を持った船乗りを必要としたのだ。

だがその裏では、悪名高いテロリストが糸を引いていた。
乗組員の命を楯に取られ、柚木は無謀とも言える嵐の海への航海に挑んでいく。

同じ頃、ロシアでは100トンにも及ぶ、史上最悪の生物兵器が盗み出されていた―。

柚木を救おうと海の仲間たちが立ち上がる。
海上保安監でIMB(國際海事局)の海賊情報センターに出向中の柚木の娘・夏海は公私混同をいましめつつも父を救おうと情報収集に奔走する。

彼女の同僚や命令に違反してでも柚木を救おうとする海上保安監たち、海の仲間たちの団結力と果敢な勇気、そして熱き思ひに胸が打たれる。

30ページほどの最終章は感動した。

日本の海上保安庁の巡視船、アメリカの駆逐艦、ロシアの原子力潛水艦の乗り乗組員の登舷例のセレモニー、ロシア原潜艦長、米国大統領の柚木の勇気と友愛への感謝のコメント。本当に感動し、ほとんど涙を流していた。

海の仲間たちの勇気、絆に本当に感動する小説だ。


「時の渚」
笹本稜平氏警察物もよく書かれているのだが、2001年5月に発刊され、第18回サントリーミステリー大賞・読者賞のダブル受賞作品で氏のデビュー作ということで読んでみた。

内容は

元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。

茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…。
やがて明らかになる「血」の因縁と意外な結末…。

そんな偶然が…といくつも続くのだが、やはりそのテンポの良さは本書以降の国際謀略やらサスペンス物やらに受け継がれているようだ。


犯罪を起こす人達の人間性の形成は血縁関係より先天的なものとして備わっているのか、あるいは生まれ落ちた環境などの後天的なものに影響を受けるものなのか?

作者はこの重いテーマをデビュー作から取り扱い、警察物のスピーディーな展開にのせながら「人間愛」に行きつくと述べている。


短時間に笹本稜平氏の長編小説を読み漁ったが、まだまだ読みたい著書がたくさんある。
楽しみだ。

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長かった正月の休みもとうに終わり普段の生活に戻っているが、振り返ってみると今年は本当に静かな休みであった。

普段であれば人混みの少なそうなところを見つけてダイビングに行っているのだが、昨年のフィリピン・マラパスクアのダイビングが台風30号災害で中止してからどうも次の計画がうまくいかずとうとう今年の正月はダイビングに行くこともなく本当に読書三昧の日々を過ごすことになった。

長い休みにの期間中何故かアクション小説が多かった。
年初めにあたって、「2014年の経済展望」なる本や雑誌を買い込んだのだが殆ど読まずアクション小説に没頭してしまった。

読んだ本は

「ウバールの悪魔 上、下」 ジェームズ・ロリンズ箸
  竹書房刊 各667円

「失われたノアの方舟 上、下」ボイド・モリソン箸
  竹書房刊 各667円

「米中開戦  1,2 」トム・クランシー箸
  新潮社刊 各630円



まず「ウバールの悪魔」だが

ウバール:砂漠に消えた古代都市・・・最近安倍首相が中東・アフリカ4カ国歴訪で最初に訪れたアラビア半島南端のオマーン国・コーランや『アラビアンナイト』で懐かしい国だが、この国の南部に紀元300年頃、乳香の交易路沿いにあってシバの女王のもと繁栄したが、悪徳が栄えたため神アラーが戒めのために破壊されたとされる都市だ。

その場所は数千年間、不明のままで、その存在は伝説のものとして考えられていたが、1992年、米航空宇宙局(NASA)の協力で衛星画像を用いた調査の結果ウバールの位置が解明され、またその原因が大規模な天変地異だったことが明らかとなった。

古文書の中にしか存在しなかったこの伝説のロマンの都市ウバールを舞台としたのがこの小説である。

本書は「マギの聖骨」「ナチの亡霊」「ユダの覚醒」「ロマの血脈」(2013年5月7日、6月15日、11月30日付けブログを参照)と専門分野の博士号を持ち、特殊訓練を受けた秘密特殊部隊:シグマフォースのシリーズであるが、発刊は遅いが、著作時期は一番早くシリーズ“0”の扱いとなっている。

内容は
激しい雷雨に見舞われた深夜、大英博物館で起きた爆発事件により一人の警備員が犠牲になった。
博物館の学芸員サフィア、彼女の幼馴染みで大富豪のキャラ、サフィアの元恋人の考古学者オマハは爆破事件がキャラの父の死の謎と関連があると、オマーンの砂漠の失われた都市「ウバール」と向かう。

一方、シグマフォースの隊員ペインターは大英博物館爆発事件の陰に、無尽蔵のエネルギー源である反物質の存在をつかみ、サフィアたちに同行する。
だが、テロ組織ギルドも反物質入手を目論んでいたのだ。

ウバールには超大型の砂嵐が迫っており、その影響で不安定になった反物質は膨大なエネルギーを放出し始めた。
果たしてペインターはギルドの野望と反物質の暴走を阻止することができるのか?


いつものように、歴史的な仮説に基づく構成や科学的事実を盛り込んだストーリーに引き込まれるが、反物質、単為生殖、球電、水の分子構造、バッキーボール、地球起源地下水…そして、失われた都市ウバールへの探求と興味尽きず、ただのアクション小説でない所が好きだ。


「失われたノアの方舟」は
著者が自費出版した電子書籍の口コミからブレークした作家で、俳優、バージニア工科大学で工学の博士号を取得したエンジニアでもある異色の人だ。

上述のジェームズ・ロリンズも大絶賛という触れ込みで、歴史的遺跡、科学的解明とスピード感あるアクションと作風がよく似ている。

ただこちらは世界有数の民間エンジニアリング企業の主任エンジニアが主人公だ。


考古学者デイララ・ケナーは、父がライフワークとして長年探し求めてきた“ノアの方舟”と、それによって莫大な数の人間が死ぬ可能性があるという衝撃を知らされ、元陸軍兵だったタイラーの協力を求める。
“ノアの方舟”の謎とは?
そして、人類の文明を壊滅させようと企む、カルト集団の計画とは?
真相に近づきはじめた2人に残された時間は、たったの7日だった…。


ジェットコースターの様なアクションの連続と、アララト山にあるとされている”ノアの方舟“への理論的解析と大胆な解釈には驚かされるが謎ときとしては今一つ。


「米中開戦  1,2」
ジャック・ライアンシリーズの最新作で4編からなる内の前編。
後編は2月初め発売予定の事。

領土拡大を図る中国の脅威は陸、海、空はもとより、宇宙やサイバー空間までが戦場になるのか?
経済破綻が必至となった中国は台湾を取り込むべき、南シナ海で軍備を増強する・・・・。

詳細は後篇を読んでから書きます。

本月9日、米国は中国海南省が最近、南シナ海の公開で外国漁船への規制を強化していることを明らかにした。
規制に触れた場合、外国漁船が海域からの強制退去を命じられる恐れがあるとのこと。

中国は一体何を考えているのだろうか。
小説が事実になりつつある。

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台風30号がフィリピン中部を襲って甚大な被害をもたらしてから約20日が経過するが、現地から届く被害の情報は日々拡大している。

28日の新聞では、
「フィリピンの、台風30号の死者が5500人になり、行方不明者は1757人。負傷者は2万6千人を超えている。」
とあった。

だが、国際支援は日米などを中心に本格化している。

日本は、海上自衛隊の護衛艦「いせ」など3隻をレイテ島近海に派遣し物資輸送などを始め、航空自衛隊の輸送機は被災地にコメを輸送するなどの救援活動を展開している。

自衛隊の海外派遣としては過去最大となる計約1180人による支援であるという。


フィリピンは日本と同じく自然災害の多い国だ。
10月15日にM7.1の地震が南部ボホール島を襲い百人近い死亡者が出たばかりの後のこの台風災害だ。

東日本大震災では多くの国々から暖かい支援、励ましを頂いた。
今回いち早く国が大規模な支援を決定したことは大いに賛同するものである。


しかし、私個人としては、図らずも、11月12日付のブログにも書いたが、11月20日からのフィリピン・マラパスクアでのダイビング行きを中止してしまった。

その後気になりマラパスクアの被害状況をネットで調べてみるとやはり信じられないほどの被害であった。


私がお世話になる予定であったダイビングショップ:BLUE HEAVENのホームページ
よると

奇跡的に死者はないが、島の殆どの家屋が損害を受け、私が宿泊する予定であったホテルの屋根も飛ばされ、ショップも大きな被害が出て、海岸には多くのボートが打ち上げられている。

しかし、災害にもめげず、島民が一丸となって復旧を進め少しずつ明るみが見えてきている様子が窺える。

僅かで気持ちだけだが寄付もさせて頂いたが、是非とも早期の復旧を成し遂げて頂き、元気な島民の皆様や綺麗な海を早く見に行けるように願うばかりだ。


さて、突然空いてしまったスケジュールは例によって読書三昧ということになるのだが、
こんなときは何故か沈んだ気持ち晴らすかのように、平積みされた本の中からクションものに手が行ってしまう。

読んだ本は

神の起源(上下) J・T・ブラナン著 ソフトバンク文庫刊 
各760円
神の積荷を守れ(上下)クライブ・カッスラー著 新潮文庫刊 
710、750円
ロマの血脈(上下) ジェームズ・ロリンズ著 竹書房文庫刊 
各667円

共に過去の歴史事象を誘因として、現在において善・悪入り乱れて闘うアクションものだ。


簡単な内容と感想は

「神の起源」はイギリスの作家のアクションもので、
南極で超高性能素材を身にまとった4万年前の現代人風の男の遺体が発見される。
「神とは遠い過去に地球に来ていた宇宙人ではないか?」という類のテーマのものだが

洪水伝説、アトランティス大陸、ナスカの地上絵……人類史の謎に迫る。

「ダン・ブラウンx Xファイル」と言う触れ込みでだがキャッチコピーに偽り有というところか。


「神の積荷を守れ」はクライブ・カッスラーのダーク・ピット・シリーズ21弾。

エジプトでモスクが爆破され、その直後、トルコのトプカプ宮殿が攻撃され、オスマン帝国時代の聖なるイスラムの至宝が奪取された。

イスラム諸国を震撼させる事件の裏にはオスマン王朝の末裔が企む邪悪な陰謀があった。

一方、ピットたちは偶然発見した古い沈没船が運んでいた、伝説の「積荷証」を手がかりに、歴史に埋もれたキリスト遺物を追う。

第一次大戦中に当時のイギリスの陸軍大臣、キッチナーが乗った軍艦が謎の沈没をした。

それにはその聖遺物の積荷証明書を運んでいたとされるが・・・・。

毎回、ピットたちの波乱万丈の大活躍だが、やはりマンネリ化するところがある。
しかし、歴史的背景へのいつもの念密な調査は楽しめる。


「ロマの血脈」はジェームズ・ロリンズのシグマホースシリーズ4作目のものだ。

「マギの聖骨」「ナチの亡霊」「ユダの覚醒」と読んだが、
歴史×宗教×科学のハイブリッド・エンターテインメントと銘うち、今回も楽しめた。

今回は、巫女たちの占いにて西洋文明に絶大な影響を及ぼした四世紀にローマ軍の攻撃で終焉を迎えたデルポイの神殿と、1955年にロシア軍がロマ(ジプシー)の種族の村を襲撃し、大人は惨殺、子供は拉致された事件が背景だ。

占いや、予知能力等の特殊能力を持人々を集め、遺伝的に、科学的にその能力を高め、それを利用して、世界制覇を狙ロシア政治家とそれを阻止しようとするシグマホースとの闘いだ。

作中にチェルノブイリ原発の厚さ12mに及ぶ巨大な鉄鋼製の新しいシェルターや周辺の信じられないほどの環境汚染に詳細に触れており何時もいい教訓を与えてくれる。


さて、明日から日本列島最古の陸地である能登半島に2泊3日の周遊ツアーに行ってきます。
内容は後で報告します。

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久しぶりに国内ダイビングに出かけた。
先週の9月20日(金)から9月23日(月)の三連休を利用した三泊四日の短期ツアーだ。

しかし、出発の金曜日は仕事を終えてからも参加できるように神戸を夜の7時半出発だが、現地のホテルに到着するのは真夜中の1時過ぎで、翌朝7時には朝食して8時に現地のダイビングショップに到着するかなりのハードスケジュールだ。

行き先は四国高知県・鵜来島。

高知県の南西部にあり愛媛県に隣接する宿毛市より西へ約20kmダイビングボートで50分のところにある。
4,5km南には沖ノ島があり、共に近伊豆諸島・青ヶ島と同緯度に位置する温暖の島であり、島は太平洋の碧い海に囲まれ、ダイバーや釣り人に人気の場所となっている。


なんと云ってもここの特徴は、日本有数の暖流である黒潮がよく当たる為、南から熱帯性の魚が豊富でサンゴの群生とダイナミックな地形が売りだ。
潮当たりが良いので回遊魚に遭遇する確率も高く、その上、マクロ生物も多い。

更に、ここでは超大物の人気生物、ジンベイ、ニタリ、そしてハンマーヘッドが川となって群れているのが目撃されているのだ。

私の今回の目的は(いつも淡い望みを抱きながら裏切られるのが常であるが・・今度こそはと思いつつ)、勿論超大物に会うことである。

その結果は、3日間とも快晴と穏やかな海況と20mオーバーの抜群の透明度に恵まれるという気持ちのいいダイビングが出来、マクロ好きのチームメンバー達は船に上がってくるたびに、色々のマクロ種の名を挙げ“チョウカワイイ”の連発だ。

一方、私といえば何時も下を見ず上ばかりを見ていたが、超大物(当たり前のことだが)はいざ知らず、大物(カメ、エイは辛うじて見たが)にもみ見放される始末であった。


さて、大物はだめだったが、綺麗な小魚たちに癒されたダイビングの詳細については、撮影した写真をこれから整理して載せる私のホームページに譲ることにし、
ここではダイビングの行き帰りに読破した、最近興味を持っている作家の一人:原田マハ(前回のブログでも触れている「総理の夫」の著者)の新作「楽園のカンヴァス」について述べる。


前にも触れたが、今回のダイビングはショップ主催のツアーで神戸から目的地までマイクロバスの後部席で爆睡付きの超楽チンツアーである。

しかし、眠れず本を読みたくなった時にと用意したのが「楽園のカンヴァス」の電子書籍版である。

普段、電子書籍は利用することはなく、紙の書籍が持つ重量感や鮮やかや重厚な装丁に拘っているのだが、夜間やトンネルが多い高速を走る車の中では電子書籍が勝ると、普段持ち歩くタブレットに前日ダウンロードしたのだ。


暇をもてあまして読み始めたら引き込まれ、行き帰りのマイクロバスでは折角くの爆睡付だったが一睡もせず読破してしまった。


「キュレーター」として働いたことがあり、絵画芸術を愛する著者の情熱が生んだ本格絵画アートミステリー小説で第25回山本周五郎賞を受賞作品でもある。

話の概要は

怪物と呼ばれている謎の大富豪のコレクターが密かにスイス・バーゼルの大邸宅に二人の絵画専門家を招く。

彼はニューヨーク近代美術館(MoMA)所蔵の素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作「夢」とほぼ同じ構図、同じタッチの「夢を見た」という作品を所有しており、その作品の真贋鑑定が依頼目的であった。
そして、彼は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。
期限は7日間。

招待されたのはルソーについては第一級の専門家である、ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンと若き研究家、オリエ・ハヤカワ。

古書には前衛的作風が世間の理解を得られず、貧しいながらに絵を描き続けたルソーの生涯が描かれている。
ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が明かされていく・・・・。


本当に原田マハという人はすごい。

これまでも彼女は2005年に沖縄を舞台にしたラブストーリー「カフーを待ちわびて」以来、女性を主人公として人と人の間に生まれる心の機微を描いてきて読む人に感動を与えてきた。

前回もブログで紹介した「総理の夫」「本日はお日柄も良く」も其の一部だ。

彼女の経歴は、自らの人生を「度胸と直感」だったと言わしめるほど、現代アートに目覚めてから、その積極果敢な生き方で、マリムラ美術館、伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室にそれぞれ飛び込みで職を求める。
森ビル在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後フリーのキュレーター、
カルチャーライターを経て2005年小説家としてデビューする自ら切り開いた人生だ。

彼女の小説に当分目が離せない。


明日より昔スーキーでよく行った信州へハイキングツアーに行ってきます。
どんな本を持って行こうか悩む・・・・


「楽園のカンヴァス」 原田マハ著 新潮社  1,344円(電子書籍)

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