先月(11月20日~22日)ダイビングの合間を縫って、一人旅で二泊三日の島根県の隠岐島に行ってきました。
目的は「松葉ガニと新鮮な海鮮料理」を食し、隠岐の「ユネスコ世界ジオパーク」を見て回ることであった。
が、今回は最初から不具合が重なり思惑通りにはいかなかった。
一人旅は気ままでいいが、いざトラブルとなるとその対応に追われて観光どころでなくなってしまうことがあることだ。
今回の不具合はまず、伊丹空港/隠岐空港の往復のフライトを確保したが、出発の少し前に復路の隠岐14時出発便が欠便となり、10時発の出雲経由伊丹への変更要請があり、最終日の午前中の観光が出来なくなるがしたがなく容認した。
隠岐に着いて松葉ガニの事を聞いたらまだ解禁前だという。
「え~、山陰では解禁されているのに・・・」
私の事前調査不足のミスで今回の第一目的が敢え無く頓挫。
第二目的のジオパーク見学はレンターカーで回ったのだが、今年の8月7日に日本海に停滞した前線の影響で隠岐島、特に島後で50年ぶりと言われる記録的な豪雨被害による交通規制がまだ一部残っており、予定していた数か所に行くことが出来なかった。これも私の事前調査不足なのだが・・・。
さらに、帰宅日に10時発の飛行機が最悪なことに隠岐空港の強風のため欠航になってしまった。
航空会社と交渉するも、明日の便への乗り換えか又は飛行機運賃の返却しか出来ず、ホテル代などの負担は自然災害だから補償対象でないとのこと。
もともと翌日は予定があるため、本日中に帰れる方法を模索していたら
フェリ(隠岐→七瀬)→バス(七瀬→JR米子駅)→特急(米子→岡山)→新幹線(岡山→新神戸)→タクシー又は地下鉄のルートで9時間ほどかけて帰れるのだ。
飛行機であれば伊丹へ1時間ばかりで帰れるのだが仕方ない。
最終的に代替ルートで1万6千円以上の費用が掛かったが返ってくる飛行機代は1万円弱だ。
大きな持ち出しと疲れた体を何とかしてくれっと言いたいのだが・・・・。
追い打ちをかけるように米子駅でスマホを券売機の側に置き忘れてしまったのだ。
米子駅までのバスが渋滞で15分ほど遅れ、特急出発まで5分しかなく、スマホのSuicaで入り車内で清算と思ったが駄目で、慣れない券売機操作で更に慌ててスマホを券売機の側に置きそのまま特急に飛び乗ってしまったのだ。
スマホを忘れたことに気が付いたのは乗車後しばらくしてで、車掌に米子駅に問合わせて貰って、“見つかった”との返事が返ってくるまでの小一時間は本当になにも手に着かなかった。
スマホは殆ど財布代わりになっており、生活に必要な個人的情報がすべてと言っていいほど記録されおり、悪用されたらどんなことになるのだろうと心配しまくりであっのだが、最終的にはJRの忘れ物センターに電話をかけ、色々な質問に答えて、米子駅に保管中のスマホは私のものだと認定してもらい、米子駅から着払いで3日後に手もとに戻った。
JRの皆様には親切に対応いただき、何よりもスマホを黙って届けてくれた人(中年の男性だったとのこと)には本当に感謝一杯だ。
年とともに忘れ物が増えているが、今まで周りの善意の人達に支えられ事なきを得てきているが、もっとしっかりと気を引き締めなければしなければと決意する次第だ。
さて、前段が長くなったが、今回の観光の第二の目標であった隠岐の「ユネスコ世界ジオパーク」の観光について述べます。
まず「ジオパーク」とは、「私たちが住む地球のプレート活動や火山活動によって造られた大地と、その大地の上に広がる生態系、そして、私たち人の営みである歴史や文化などとのつながりを楽しく知ることのできる場所です。」(隠岐ユネスコ世界ジオパーク:http://www.oki-geopark.jp/features/)とのこと。
現在世界で44か国・161のユネスコ世界ジオパークが認定されており、日本は隠岐を含めて9地域(日本認定は43地域)が認定されている。
日本の認定43のジオパーク隠岐ユネスコ世界ジオパークは2013年9月に認定され、その特徴は「目の前に広がる絶景や不思議な生態系、地元独特の文化から、大地がどうやって生まれたか、人と自然はどうつながっているかを、まるで探検するように学べるからです。」(隠岐ユネスコ世界ジオパークより)
隠岐ジオパークは、島根半島の北40~80kmの日本海に点在する4つの有人島と多数の無人島によって構成されており、陸域だけではなく海岸から1kmの海域もあわせた673.5km²(陸域346.0km²、海域327.5km²)をジオパークの範囲としている。
隠岐諸島は、太古の時代からその姿を大きく変化させた歴史を持つ。
2.5億年ユーラシア大陸と一体だった時代、湖の底だった時代、深い海底にあった時代、火山活動によって隆起した時代、そして島根半島と陸続きになった時代、離島となった現在と大きく変化している。
このような成り立ちの過程が隠岐諸島の島々のジオサイトを見る事で垣間見れるというから地球地学が好きな私にはたまらない所だ。
種類別に多数のジオパークが表示される(http://www.oki-geopark.jp/geosite-map/)より
今回時間の都合で、島後しかも道路規制で行けなかった所も多かったが、それらを簡単に紹介します。
私がレンターカーで回ったルート地図
1.
銚子ダムの隠岐片麻岩
西郷港から車で20分の銚子ダム周辺に日本が大陸の一部だったことを証明する岩石のひとつ片麻岩が見られる。
この岩石は大陸がまだ一つ(超大陸バンゲア)であった2.5億年ほど前、地下15kmの圧力と高温に出来たものである。
この岩石は北陸地方でも見られ、日本が太古の時代は大陸の一部であったことを証明するものである。
小さな石一つで太古の時代を推し量ることが出来るなんてワクワクする。
2. 浄土ヶ浦の湖成層と火山岩類
浄土ヶ浦は、国の名勝として指定されており、この周辺は、約2600万年前の火山活動による地層や、湖の底にあった地層が観察できる。
3. 小路の石切り場跡
約2000万年前の湖の底にできた地層を見る事が出来る。
ここの岩石は、「五箇石」と呼ばれ、加工がしやすく敷石などに利用されてきた。
白島海岸は、国の名勝にも指定されている。
隠岐諸島の大半は500~600万年前に噴出した溶岩や火砕岩で覆われており、これらの岩石はアルカリ岩石で日本では珍しい。
ここでは「流紋岩」、「粗面岩」、「玄武岩」の3種類の火山岩が見られ、岩石の成分の違いが景観に与える影響を見ることができる。
5. 代の火道
約550万年前の火山活動のマグマの通り道が観察できる。この場所は、昔の火山の内部にあたり、通り道に残されたマグマがそのまま固まったもので、ここから流れ出た溶岩で南北の山の山頂部がつくられている。
6. ローソク島
パンフレットでよく見る尖塔のような離れ岩。残念なことに道路規制で見ることが出来なかった所の一つだ。
ローソク島は侵食海岸地形の一種で、離れ岩と呼ばれ、もともと陸地の一部であったが、波風の浸食により沖合に取り残されたものである
7.
島後の三大杉
島後は島前と違って自然林が多く温暖、多雨のためか巨大杉が多い。
圧巻は玉若酢命神社の八百杉だ。国の天然記念物でもあり、樹齢い2000年とも言われ、高さ30m、幹回り11mの巨木だ。
岩倉の乳房杉も高さ30m、幹回り11mの巨木だが、大きな特徴はその異形さだ。
幹の上部から大きな乳状のが根が多数垂れているのだ。
溶岩質の土壌で水はけが良いため土の中の根を補うために出来たのだとか。
もう一つが布施の大山神社の巨大杉だ。神社と言っても鳥居とこの巨大杉だけで
巨木信仰の名残が残されている。天を突くこの巨木は樹齢800年、高さ50m、
幹回り7mという巨大さだ。
隠岐島後島の巨大杉
右から玉若酢命神社の八百杉、岩倉の乳房杉、布施の大山神社の巨木
今回訪れたのは隠岐諸島の島後島だけで、それも1日だけの観光で回り切れないところが多く残されている。
是非近いうちに島後の残されたジオサイトと島前地域のジオサイトに時間をかけてゆっくり回わってみたいものだ。
今回の掲載した写真は各ジオサイトにおける分かりやすい説明が記載されていた
隠岐ユネスコ世界ジオパーク:http://www.oki-geopark.jp/features/ の観光案内の看板の写真を掲載させて頂いた。
ありがとうございました。