My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

ようこそ私の日記に。
ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

先月(1120日~22日)ダイビングの合間を縫って、一人旅で二泊三日の島根県の隠岐島に行ってきました。

目的は「松葉ガニと新鮮な海鮮料理」を食し、隠岐の「ユネスコ世界ジオパーク」を見て回ることであった。

が、今回は最初から不具合が重なり思惑通りにはいかなかった。

一人旅は気ままでいいが、いざトラブルとなるとその対応に追われて観光どころでなくなってしまうことがあることだ。

今回の不具合はまず、伊丹空港/隠岐空港の往復のフライトを確保したが、出発の少し前に復路の隠岐14時出発便が欠便となり、10時発の出雲経由伊丹への変更要請があり、最終日の午前中の観光が出来なくなるがしたがなく容認した。

隠岐に着いて松葉ガニの事を聞いたらまだ解禁前だという。

 「え~、山陰では解禁されているのに・・・」 

私の事前調査不足のミスで今回の第一目的が敢え無く頓挫。

001-松葉ガニ1428054033_1_3R
             こんな松葉ガニが食べられたのに              

第二目的のジオパーク見学はレンターカーで回ったのだが、今年の87日に日本海に停滞した前線の影響で隠岐島、特に島後で50年ぶりと言われる記録的な豪雨被害による交通規制がまだ一部残っており、予定していた数か所に行くことが出来なかった。これも私の事前調査不足なのだが・・・。

002-島後交通規制Map20200807大雨R
            かなりの部分で道路規制が

さらに、帰宅日に10時発の飛行機が最悪なことに隠岐空港の強風のため欠航になってしまった。

航空会社と交渉するも、明日の便への乗り換えか又は飛行機運賃の返却しか出来ず、ホテル代などの負担は自然災害だから補償対象でないとのこと。

もともと翌日は予定があるため、本日中に帰れる方法を模索していたら

フェリ(隠岐→七瀬)→バス(七瀬→JR米子駅)→特急(米子→岡山)→新幹線(岡山→新神戸)→タクシー又は地下鉄のルートで9時間ほどかけて帰れるのだ。

飛行機であれば伊丹へ1時間ばかりで帰れるのだが仕方ない。

最終的に代替ルートで1万6千円以上の費用が掛かったが返ってくる飛行機代は1万円弱だ。

大きな持ち出しと疲れた体を何とかしてくれっと言いたいのだが・・・・。

003-20201120Oki2KobeTravelRouteMap103R
            神戸の自宅まで約10時間かかった

追い打ちをかけるように米子駅でスマホを券売機の側に置き忘れてしまったのだ。

米子駅までのバスが渋滞で15分ほど遅れ、特急出発まで5分しかなく、スマホのSuicaで入り車内で清算と思ったが駄目で、慣れない券売機操作で更に慌ててスマホを券売機の側に置きそのまま特急に飛び乗ってしまったのだ。

スマホを忘れたことに気が付いたのは乗車後しばらくしてで、車掌に米子駅に問合わせて貰って、“見つかった”との返事が返ってくるまでの小一時間は本当になにも手に着かなかった。

スマホは殆ど財布代わりになっており、生活に必要な個人的情報がすべてと言っていいほど記録されおり、悪用されたらどんなことになるのだろうと心配しまくりであっのだが、最終的にはJRの忘れ物センターに電話をかけ、色々な質問に答えて、米子駅に保管中のスマホは私のものだと認定してもらい、米子駅から着払いで3日後に手もとに戻った。

JRの皆様には親切に対応いただき、何よりもスマホを黙って届けてくれた人(中年の男性だったとのこと)には本当に感謝一杯だ。

年とともに忘れ物が増えているが、今まで周りの善意の人達に支えられ事なきを得てきているが、もっとしっかりと気を引き締めなければしなければと決意する次第だ。

 

さて、前段が長くなったが、今回の観光の第二の目標であった隠岐の「ユネスコ世界ジオパーク」の観光について述べます。

まず「ジオパーク」とは、「私たちが住む地球のプレート活動や火山活動によって造られた大地と、その大地の上に広がる生態系、そして、私たち人の営みである歴史や文化などとのつながりを楽しく知ることのできる場所です。」(隠岐ユネスコ世界ジオパーク:http://www.oki-geopark.jp/features/)とのこと。

現在世界で44か国・161のユネスコ世界ジオパークが認定されており、日本は隠岐を含めて9地域(日本認定は43地域)が認定されている。

004-日本ジオパーク01
             日本の認定43のジオパーク

隠岐ユネスコ世界ジオパークは20139月に認定され、その特徴は「目の前に広がる絶景や不思議な生態系、地元独特の文化から、大地がどうやって生まれたか、人と自然はどうつながっているかを、まるで探検するように学べるからです。」(隠岐ユネスコ世界ジオパークより)

隠岐ジオパークは、島根半島の北4080kmの日本海に点在する4つの有人島と多数の無人島によって構成されており、陸域だけではなく海岸から1kmの海域もあわせた673.5km²(陸域346.0km²、海域327.5km²)をジオパークの範囲としている。

005-隠岐ジオパーク範囲R
            隠岐ジオパークの範囲
隠岐諸島は、太古の時代からその姿を大きく変化させた歴史を持つ。

25億年ユーラシア大陸と一体だった時代、湖の底だった時代、深い海底にあった時代、火山活動によって隆起した時代、そして島根半島と陸続きになった時代、離島となった現在と大きく変化している。

このような成り立ちの過程が隠岐諸島の島々のジオサイトを見る事で垣間見れるというから地球地学が好きな私にはたまらない所だ。

006-ジオパーク説明設置場所R

 種類別に多数のジオパークが表示されるhttp://www.oki-geopark.jp/geosite-map/)より

今回時間の都合で、島後しかも道路規制で行けなかった所も多かったが、それらを簡単に紹介します。

007-20201119OkiKankouTravelMap102R

                  私がレンターカーで回ったルート地図

1. 銚子ダムの隠岐片麻岩

西郷港から車で20分の銚子ダム周辺に日本が大陸の一部だったことを証明する岩石のひとつ片麻岩が見られる。

この岩石は大陸がまだ一つ(超大陸バンゲア)であった2.5億年ほど前、地下15kmの圧力と高温に出来たものである。

この岩石は北陸地方でも見られ、日本が太古の時代は大陸の一部であったことを証明するものである。

小さな石一つで太古の時代を推し量ることが出来るなんてワクワクする。

008-銚子ダム片麻岩1-3R

2. 浄土ヶ浦の湖成層と火山岩類

浄土ヶ浦は、国の名勝として指定されており、この周辺は、約2600万年前の火山活動による地層や、湖の底にあった地層が観察できる。

009-浄土ヶ浦の湖成層と火山岩類2-1R 

3. 小路の石切り場跡

2000万年前の湖の底にできた地層を見る事が出来る。
ここの岩石は、「五箇石」と呼ばれ、加工がしやすく敷石などに利用されてきた。

010-小路の石切り場跡2-4R
4. 白島展望台から見る白島海岸の岩石

白島海岸は、国の名勝にも指定されている。

隠岐諸島の大半は500600万年前に噴出した溶岩や火砕岩で覆われており、これらの岩石はアルカリ岩石で日本では珍しい。

ここでは「流紋岩」、「粗面岩」、「玄武岩」の3種類の火山岩が見られ、岩石の成分の違いが景観に与える影響を見ることができる。

011-白島展望台から見る白島海岸の岩石3-17R    

5. 代の火道

550万年前の火山活動のマグマの通り道が観察できる。この場所は、昔の火山の内部にあたり、通り道に残されたマグマがそのまま固まったもので、ここから流れ出た溶岩で南北の山の山頂部がつくられている。

012-代の火道3-20R    

6. ローソク島

パンフレットでよく見る尖塔のような離れ岩。残念なことに道路規制で見ることが出来なかった所の一つだ。

ローソク島は侵食海岸地形の一種で、離れ岩と呼ばれ、もともと陸地の一部であったが、波風の浸食により沖合に取り残されたものである

013-ローソク島・馬背岩4G-11R     

7. 島後の三大杉

島後は島前と違って自然林が多く温暖、多雨のためか巨大杉が多い。

圧巻は玉若酢命神社の八百杉だ。国の天然記念物でもあり、樹齢い2000年とも言われ、高さ30m、幹回り11mの巨木だ。

岩倉の乳房杉も高さ30m、幹回り11mの巨木だが、大きな特徴はその異形さだ。

幹の上部から大きな乳状のが根が多数垂れているのだ。

溶岩質の土壌で水はけが良いため土の中の根を補うために出来たのだとか。

  もう一つが布施の大山神社の巨大杉だ。神社と言っても鳥居とこの巨大杉だけで

巨木信仰の名残が残されている。天を突くこの巨木は樹齢800年、高さ50m

幹回り7mという巨大さだ。

014-隠岐三大大杉R

                隠岐島後島の巨大杉 

    右から玉若酢命神社の八百杉、岩倉の乳房杉、布施の大山神社の巨木

 

今回訪れたのは隠岐諸島の島後島だけで、それも1日だけの観光で回り切れないところが多く残されている。

是非近いうちに島後の残されたジオサイトと島前地域のジオサイトに時間をかけてゆっくり回わってみたいものだ。

 

今回の掲載した写真は各ジオサイトにおける分かりやすい説明が記載されていた

隠岐ユネスコ世界ジオパーク:http://www.oki-geopark.jp/features/ の観光案内の看板の写真を掲載させて頂いた。

ありがとうございました。

最近、日本の美術展の裏事情を解説した「美術展の不都合な真実」という本を読んで日本特異な形のビジネス化した“美術展業”を知りましたが、この詳細は後段で記載しますが、やはり、美術愛好家としては先日(915,16日)一泊二日の弾丸美術館巡りをしてしまった。

 

だが、最近のコロナ禍で美術館巡りも大変難しくなってしまった。

自由な時間には行くことは出来ず、前売の日・時間指定で、それも二週間前以降にならないと購入できないのだ。

 

美術館ぐらい気が向いたときに行きたいものだと思っていたのだが、「浮世絵展」が22日に終了してしまうので、やむなく、まず美術館の入場券をゲット、そしてそれに合うフライト及びホテルを確保。

コロナ禍でフライトもホテルも空きがあったが、通常状態に戻った時このシステムでは遠方からの来館者にとってかなりスケジュール的にも金額的にもかなり“重し”になるかもしれない。

 

だが、夕刻前に入った「浮世絵展」はいつものように混雑していたが、翌日の9時半に入った「ロンドンナショナル…展」はほぼ先頭で入ったため自分のペースでゆっくり(後半部分は少し混雑して来たが)見ることが出来、時間指定の前売りのシステムのメリットを実感できた。

 

では、ここから美術展の内容について触れてみる

 

まず、東京都美術館の「日本三大浮世絵展」

 

そもそも「日本三大コレクション・・・」とは、浮世絵は海外にかなりのものが流出しているが、日本国内にて大きなコレクションを所蔵している「太田記念美術館」「日本浮世絵博物館」「平木浮世絵財団」のコレクションのことで、これらの膨大な作品の中から約450点を集め、そのうち重要文化財、重要美需品は100点以上を集めて展示したのが今回の浮世絵展である。

001-大浮世絵展ポスター
002-浮世絵展東京都美術館-2

そもそもこの「浮世絵」というのはどんなものかちょっと調べてみると、

「浮世」という言葉は「憂き世=辛い事多き世」の意味で平安時代の短歌で「うきよ」が使われていたが、その後仏教思想の融合で「憂き世」は「無常の世」というような意味に転化され、儚い状況を示す「浮」と言う漢字が使われ「浮世」と書かれるようになったという。

 

江戸時代に入ると「儚(はかな)い世の中ならば、いっそ思い切り浮かれて暮らそう」と享楽的な世間感が生まれ、「浮世」という言葉に“儚い世の中”という表現に”浮かれて生きよう“という意味が共存するようになったとのこと。

 

江戸時代に花開いた文化はこの「浮世」 “憂さ”、”儚さ“を内包した”浮かれ=清濁あわせもつ“という意味を昇華・発展させたものだという。

 

 

今回展示された浮世絵の数々を見ても美人、役者、食物、芝居・・・どの風俗、娯楽テーマの絵も衣装も華やかで豪華で遊び一杯で豊かな生活を楽しんでいる感じだ。

浮かれ、憧れの幾分非現実的な世界を描いたということもあるかもしれないが、美人画や役者絵が今のプロマイド的な感じで争って買われたということは一般庶民も文化的にも豊かな生活をしていたこと窺わせる。

 

浮世絵は絵画的にもその繊細さ、色彩の豊かさ、構造の奇抜さなど特出した素晴らしさがあり、江戸時代の末期に西欧の人々に目に触れ、当時の印象派などのアーティスト達に大きな影響を与え”ジャポニズム”旋風を巻き起こしている。

 

江戸時代の末で日本の人口は3000万人ぐらいと、そして江戸の人口は100万人強(当時のパリやロンドンは70万人程度といわれ世界最大の都市であった)の人々が自然災害などはあったものの、外部との接触もなく政治的に300年も長きに安定した生活を送り、その結果昇華させた文化の一つが世界に誇れる素晴らしい浮世絵のであろう。

 

今回展示された作品で私が印象に残った作品の一部を添付します。

003-鈴木春信《鷺娘》
004-菊川英山 「青楼美人春手枕 鶴屋内橘」
004-鳥居清長「六郷渡船」ex03_04
005-東洲斎写楽 「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」
006-葛飾北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴」
007-葛飾北斎富獄三十六景神奈川沖浪裏
008-歌川広重ー東海道五十三次之内ー庄野白雨
009-歌川国芳《高祖御一代略図 佐州塚原雪中

 

  次に国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」

 

200年続く“世界屈指の美の殿堂・ロンドン・ナショナル・ギャラリー”と謳い、史上初めての大規模な展覧会が英国外、しかも日本で初公開と高らかに宣伝されているが

確かに、趣味の偏った王室母体のコレクションが主体の欧州の他の著名な美術館と違って、英国議会によって設立され、作品は市民の寄付により成立している。

 

所蔵点数は約2300点と少くないが、作品のどれもが高品質で、時代やジャンルは広範囲に及んでいることから「西洋絵画の教科書」と呼ばれている。

 

ダヴィンチ、ミケランジェロ・・・のルネッサンス期の作品から、ゴッホ、ゴーギャン、ルノワール・・・などの印象派に至るまで、美術史に名をとどろかす巨匠たちの名作が所狭しと展示されているという。

 

今回の美術展は「屈指の名画61点、ロンドンから日本へ」と、全作品が日本初公開でイタリア・ルネッサンスからバロックを経て、19世紀末のポスト印象派まで、ゴッホの「ひまわり」やモネの「水連の池」などのハイライトを含め、まさに「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」の縮小版である。

101-posuta-650x_11630659
102-入り口ポスター650x_66600396

 

ここまで、誇大とは言わないが、美辞麗句で宣伝されると、入館料もグッズも高いな、長い行列で混むのだろうと思いながら足を運んでしまう人も多い。

私もその一人で、なぜ外国の美術館に比べて、こう混むのか?、入館料も高く、グッズなど馬鹿高だと日頃思っていた。

 

そんな疑問に答えてくれた本があり、最近読みましたので、少し余談となりますが紹介したいと思います。

 

それは

「美術展の不都合な真実」  古賀 太 著 新潮新書 760円(税別) 

という本で、その本の帯には

・入場前から大行列

・チケット高騰

・お土産ショップに強制入場・・・全部ワケがある

と大きく書かれ、それにつられて買ってしまったのだが・・・

100-美術展の不都合な真実RtTtp9hrL

 

この本によると

世界の美術館・博物館の入場者数について「アート・ニュースペーパー」というロンドンの発行の月刊誌の2018年のデーターで

 

・一日当たりの来館者のベストテン

1位はニューヨークメトロポリタン・・・1919

         ・

6位 国立新美術館(東山魁夷展)・・・6819

9位 東京国立博物館(縄文一万年の美)…6648

 入館料無料の館を除くと、日本のものは34位となるという。

 

・一年当たりの来館者のベストテン

1位 ルーブル美術館・・・1020万人

2位 故宮博物館・・・861万人

3位 メトロポリタン美術館・・・695万人

        ・

日本勢はベストテン居らず

17位に国立新美術館・・・299万人 という。

 

一年あたりの年間入場者数で17位に入った国立新美術館は常設作品を持たず、すべて企画展などで運営しているので、日本の美術館・博物館がいかに企画展や特別展などで人を集めて常設展の入場者は少ないことがわかる。

 

・人の集まる企画展や特別展は

 ・新聞社やテレビ局などマスコミが企画して資金を出すことが多い

 ・企画には3年から5年もかかり不安要素も多く資金も人も必要

 ・マスコミが企画するのは巧みな宣伝で人を集めることが出来る

 ・大きな企画展では5,6億円もかかるが主催者(マスコミ)が払う

 ・美術館同士の美術品の貸し借りはお互い様なので通常無料

 ・日本の場合主催者が相手の美術館にすべてを払う

 ・主催者は展示開催のもぎりの係員からすべての費用を持つ

 ・美術館の収入は企画展のチケット代に含まれる常設展入場料

 

日本特有のシステムで費用がかさみ、費用回収のため美辞麗句の宣伝で人を集め、ミーハーで我慢強い私たちは行列や混雑はなんのそのと高い入館料やグッズでにおしみなく支払うという日本特有のビジネスが確立しているのだ。

 

(この本は色々と美術館・美術展の裏側について書いているので興味のある方は是非ご一読ください)

 

 

ビジネス化した美術展であるが、世界各国から憧れの作品が目の前にずらっと並び気の向くままにじっくり見られることはこの上もなく幸せでありがたいことだ。

 

さて、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に話を戻すと、日時指定の一番早い9時半の先頭部で入ったのでガランとした室内に壁面高さ一杯に並ぶ絵画の大きさやその重量感の迫力が前日浮世展を見たせいもあるのか、強烈に感じた。

 

流石は西洋美術、浮世絵とは全く両極端の世界だ。

 

今回日本初という61点もの作品が展示されているが、私が気になった数点を紹介します。

 

まず入り口近くに高さ2mを超すカルロ・クリヴェッリの大作

 

『聖エメディウスを伴う受胎告知』1486

 

お決まりの天使ガブリエルが聖霊によってキリストを身籠った事を処女マリアに伝える場面だが、町の中を設定しており、遠近法を用い建物の立体感と飾りなども克明に描いている。

受胎告知におけるお決まりのモチーフ、マリアへの聖なる光、白いハト、ユリ・・などを見つけるのも面白い。

103-聖エミディウスを伴う受胎告知

  

 そして、ヤコブ・ティントレット 『天の川の起源』1575

 

言わずと知れたギリシャ神話のゼウスが不倫の子ヘラクレスに不滅の命を与えようと、妻ヘラが眠っている間にヘラクレスにヘラの乳を吸わせたが、あまりにも強く吸ったためヘラがヘラクレスを振り払った時乳が飛び散った。

これが天の川(Milky Way)になった。

人物を特定する神々の持ち物、鷲や孔雀が配置されている。

104-天の川1

 

 ヨハネス・フェルメール 『ヴァージナルの前に座る若い女性』1670-72年

 

フェルメールのいつもの絵では左側の窓から光さす光景であるが、この絵はどうも夜に、高価な衣服を身に着けてヴァージナルを演奏する女性の背後に「取り持ち女」という置屋を表現した絵が掛けられていることから女性の職業は?と想像たくましくなるが、絵は丁度待ち人来たれりの瞬間を見事に表現している。

105-ヴァージナルの前に座る若い女性


 フランシスコ・デ・ゴヤ 『ウェリントン公爵』1812-14

 

ワーテルロった押しの戦いでイギリス軍の指揮をとりナポレオンを倒し、のちにイギリスの首相にもなった人のゴヤの肖像画。

あまり偉そうに描いてないが胸の勲章など緻密に描いている

106-ウエリントン公爵5922

 

ディエゴ・ベラスケス 『マルタとマリアの家のキリス』1618

 

日常的な台所の風景で、右上にマリアとマルタ姉妹の家にキリストが訪ねて来た時の聖書で有名な場面を描いた絵がかかっている。ベラクレスが19歳の時の絵で、左側人物の衣装の襞や肌の色合いなど表現に早くも才能表している。

107-マルタとマリアの家895da

 

ピエール=オギュスト・ルノアール 『初めてのお出かけ』1876-77

 

19世紀のフランスにおいて劇場へ出かけることは社会的ステーサスでお互いに誰が誰と、何を着てと舞台の始まる前や合間に探しているようなざわめきの時を描写しているのかも。しかし中央にはおめかしして生まれて初めて劇場に行く無垢な少女の

嬉しさと不安表している。

ルノワールは幼い無垢な少女を描くのが凄くうまい。

2018年国立新美術館で開催された「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」でのルノワールの作品「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」を思い出す。

108-初めてのお出かけ8331_615


クロード・モネ 『水連の池』1899年

 

モネがセーヌ川沿いのジヴェルニーに生活の場を移し、川の水を引き池を作り日本風の太鼓橋かけ、水連を植え、その水連の絵を描き始めた初期のもの。

109-水連の池

 

 フィンセント・ファン・ゴッホ 『ひまわり』1888年

 

ゴッホはヒマワリの絵を全部で7点描いている。南仏アルルでゴーギャンとの共同生活を歓迎するためにパリで4枚のひまわを描き、その後アルルで3枚おを描いた。

1番は個人所有で公開されてない。

2番は個人所有であったが兵庫・芦屋で空襲で焼失。

3番はミューヘン所蔵で背景はブルーグリン。この絵の構造がその後のひまわりの原点になる。

4番がロンドン所蔵で初めての黄色のバックで、サイイン入り、ゴーギャンの部屋を飾るため描いた。

5番がSONPO美術館所蔵でゴーギャンとの共同生活の中で描く。

6番がフィラデルフェア美術館所蔵でゴーギャンと仲たがいし別れた後に請われて描いた。

7番がファン・ゴッホ美術館所蔵。4番も模写でゴーギャンの手紙に鼓舞されて描いたがゴーギャンに贈られることはなかった。

110-ひまわりNo4


最後に靖国神社 遊就館 水中写真家 戸村 裕行氏の「群青の追憶」

 

終戦75年 靖国神社 遊就館の企画展で「海底に眠る大東亜戦争の戦争遺産追う」

と題して、水中写真家 戸村裕行氏が大東亜戦争を起因して、現在も海底に眠る日本の船、航空機、潜水艦に実際に潜り写真に撮り続けた記録である。

 

撮影エリアは南太平洋、アジアと広範囲にわたっており、私も潜った事のあるフィリピン、パプアニューギニア、チューク・・・等大変懐かしく拝見させて頂いた。

海中の遺跡は年々波や腐食で崩れ、消滅していく。

氏の長年の努力で数多くの遺跡が写真に収められ後世に残すことが出来ることは大変有意義なことである。

 

私個人的に氏の写真を見て、はまだ行ったことのないマーシャル諸島のビキニ環礁水深50mに沈む戦艦長門の雄姿を是非見たいという気持ちをさらに強くした。

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新型コロナウイルによる感染者拡大が一時落着いたかに見えたが、緊急事態宣言や外出の自粛が解除され経済行動が再開された韓国や中国の武漢では集団感染が報告されおり、日本でも525日の緊急事態宣言解除後東京を中心に感染者増大している。

また、一旦落ち着きを見せた米国でも、南部を中心に再び増加傾向となっており、一方、南米ブラジルでは感染拡大続いており、19日、累計の感染者数が100万人を超えた。

 

この様な状況をうけ、WHO19日「世界は新たな、危険な局面に入っている」と、警戒を呼びかけた。(20日付け日本経済新聞 電子版記事)

 

更に、24日国際通貨基金(IMF)は24日改定した世界経済見通しで、2020年の成長率をマイナス4.9%と予測し、4月時点から1.9ポイントさらに下方修正した。

 25日付け日本経済新聞 電子版記事

 

この記事によると、IMFは新型コロナウイルスで先進国と新興国がそろって景気後退に陥り、経済損失は2年間で12.5兆ドル(約1300兆円)と試算した。

さらに、IMFは「世界経済は『大封鎖』に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」とした。大恐慌時の193032年は、世界経済が1718%も縮小したとされる。感染第2波が避けられれば、21年は5.4%のプラス成長に回復するとみるが、同年の予測も4月時点から0.4ポイント下方修正した。

 

1月時点では20年の成長率をプラス3.3%21年も同3.4%と予測していた。移動制限などによって21年の世界の国内総生産(GDP)は、当初予想に比べ6%強も小さくなり、2021年の損失規模は1300兆円強に達すると試算した(18年の世界のGDP85兆ドル=9100兆円)。日本のGDP536兆円)の2.4倍に相当し、雇用などに大きなダメージとなる。

 

20年の先進国経済は歴史的な落ち込みとなる。感染者数が比較的少ない日本も20年の成長率はマイナス5.8%と予測され、リーマン・ショック後の09年(同5.4%)を超す景気悪化だ。米国は8.0%減と、第2次世界大戦の特需が消えた1946年(11.6%減)以来、74年ぶりの大幅なマイナス成長となる。

英国のGDPは前年比10.2%減と予測。イングランド銀行(英中銀)のデータと比較すると、大寒波があった1709年(13.4%減)以来、311年ぶりという記録的なマイナス成長だ。フランスも12.5%減と、統計がある1950年以降で最も厳しい落ち込みとなりそうだ。と記述している。

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 こんなコロナ禍も終息せず、世界景気も大恐慌以来の落ち込み、気分的にも真っ暗な中、先日、日本政府の対コロナ政策として我々国民に直接支給される特別定額給付金とマスクが届いた。

マスクにも給付金に関しても遅い、少ない等色々文句を言う人もいると聞くが、私にとっては日本政府が直接我々に目で見える形で配慮してくれたものとして感謝している。

 

特に給付金に関しては、経済の活性化という意味で、どの様に使うかという事も大きなポイントかと思うが、先日(26日)の日本経済新聞の記事に「10万円給付金で膨らむ預金 困惑するメガバンク」という記事が掲載されていた。

 

国民に支給される給付金は一旦銀行の口座に振り込まれるので、銀行などはウハウハなのかと思っていたがそうではないらしい。

 

記事の概要は

 

5月の国内銀行の預金残高は772兆円と前年同月に比べ6.2%増えた。メガバンクなど大手行に限れば8.2%の大幅増でさらに6月に支給が進むと預金残高増加する。

 

三菱UFJ銀行など大手行は4月に足並みをそろえて定期預金の金利を4年ぶりに引き下げたが、それでも押し寄せる預金に、あるメガバンク行員は「預金はもういらない」と漏らす。

銀行にとって給付金が「ありがたくない」存在になった大きな理由は、日銀の当座預金の一部にかかるマイナス金利だ。

民間の金融機関は日銀に開く当座預金にお金を預けるが、そこに適用される金利は預ける残高が多いほど低くなる3層構造になっており、それぞれプラス0.1%、ゼロ%、マイナス0.1%の金利が適用される。

002DikyoukoCoronaGDP002

 大手行は20166月以降はマイナス金利になっていないものの、ゼロ%が適用される当座預金が今年2月までは上限値の99%に接近していた、マイナス金利を避けようと、ギリギリのやりくりをしてきたことがうかがえる。

 

新型コロナで苦しむ企業の資金繰りを支える金融機関の支援策として、日銀は3月から企業の貸し出し原資をゼロ金利で金融機関に供給する新たな手段を始めと供に金融機関にも、貸出金の増加がマイナス金利ならないように優遇処置をとり、ゼロ金利が適用される大手行の当座預金は5月時点では上限値の90%まで下がっている。

 

だが、この支援策は20213月には終了するため、給付金など増え続ける預金でマイナス金利が適用されるようになる懸念はぬぐえないという。

 

子供の頃銀行マンが子供預金のような少額預金まで頭を下げて集めていた頃とは全く異次元の世界だ。

 

さて、ここからが本題で、安倍さんから頂いた貴重な10万円の給付金、銀行の口座に振り込まれままでは銀行も困るというし、いつもまにか無くなってしまったということも面白くないので、何か形になるもので残したいと考えた末、最近不調気味のノートパソコンの後継機を購入することにした。

 

Sonyファンの私は、まずはと、ネットでソニーストアを覗いてみたら、

「鮮烈な""を身にまとう、VAIO SX14 RED EDITIONを数量限定販売中」

とういう文語と更に、「誰もが息を呑む、吸い込まれるような赤」という言葉と写真を見て"これだ"と即断で購入することにしてしまった。

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 パソコンなどをまず""で決めてしまう事など今までなかったのだが、最近はどうも年をとったのか、""に惹かれて購入することが多い。

4月に購入した車も鮮烈な""だった。

 

このSX14RED EDITIO というモデルはサイズが13.3型とほぼ同じながら14型のモニターを備え、重量は1kg切るというスグレモノで、さらなる売りはCPU最大6コア12スレッドの最新の第10世代インテルCore i7-10710U1.10GHz)を採用して、高速で多重なジョブを同時にこなすことが出来るという。

 

さらにこの機種はベースモデルが約20万円ぐらいなのだが、ユーザーの要望に合わせ機能のグレードアップ、アプリの追加などが出来るオプションが多数用意されており、必要かどうか疑わしいが、ついつい追加してしまった。

 

主なもので

ディスプレイをよりきめ細やかな表示の、4K解像度(3840×2160ドット)(通常はフルHD解像度=1920×1080ドット表示)

メモリーを16GB(通常は8GB

ストレージ(SSD)を512GB(通常は256GB

LTE通信モジュール追加

TPMセキュリティチプ追加

Microsoft office2019追加

 

など追加、変更して合計(税込)36万円程となり、クーポンや割引で税込み32万ちょっとなった。

 

本機のユザー評価を調べてみると、ハイエンド使用で6コアのCore i7-10710Uにより高度な仕事が高速でこなせ、その割には薄く、1kg程度とモバリティに優れているとのこと。

更にノートパソコンでは省略しがちな出力ポートが多数設置されており、USB Type-C Power Deliver)ポートでは充電も画像出力も出来る手軽さが受けだ。の動作チェックです。

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 勢いで買ってしまったが、やはり今ではメールやSNS、写真整理などが中心でスマホでほとんど用事が済んでしまっている私には無用の長物、宝の持ち腐れというところか。

だが、経済の活性化には少しは貢献したし、折角だからこれを機会にマンネリ化したホームページを最新の技術とテクニック(これから勉強して)で見栄えの良いものへ衣替にチャレンジするいいチャンスかもしれない。(写真は自宅以外はインターネットより拝借しました

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