My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

2009年08月

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チュークは、ミクロネシア連邦の4つの州のひとつで、カロリン諸島に位置し、グアムから約1時間半のフライトの距離にある。

そのチュークの環礁は直径がおよそ100kmもある世界最大級の円形環礁で、
広大な環礁の中は静かで、浅くきれいなミクロシアブルーの海を湛え、そして中央には、青い空に向かってそびえ、自然美に満ちあふれる島の山々が見える。

環礁を囲むバリアリーフには、椰子の木がある美しい砂地がところどころに散在している。

環礁内には大小合わせて100程の島々があるが、うち人が居住しているのは20ほどである。

本当に自然味あふれる南の天国のようなところだ。

“チューク”・・私ども年配者にとって、チュークというより“トラック諸島”といったほうがなじみがある。

トッラク諸島というと、そうです、南の天国のような島々のここも、太平洋戦争の激戦場だったのです。

まず、その歴史はやはり厳しい列国の支配統治の歴史であった。

1899年、スペインよりドイツの統治下となったが、1914年、日本海軍がマーシャル、カロラインおよびマリアナ諸島北部を軍事下に治め、1920年、国際連盟の委任による日本の統治が始まった。

先住民の人口は、当時40,000人ほどしかなかったのに対し、日本人の人口は、この時代の広範囲にわたる植民政策により、ミクロネシア全体で10万人を超えたという。

太平洋戦争終了の、1947年、国連はミクロネシアの6つの地域(ポンペイ(旧称ポナペ)、コスラエ(旧称クサイエ島)、チューク(旧称トラック)、ヤップ、パラオ、マーシャル諸島、マリアナ諸島北部)を米国の信託統治領とした。

 1978年7月12日には、信託統治領下のトラック(現在のチューク)、ヤップ、ポナペ(現在のポンペイ)およびクサイエ島(現在のコスラエ)の4島が住民投票により、ミクロネシア連邦となることになって現在に至っている。


ところで、チューク環礁内に多くの沈船があるのは、
第二次世界大戦中、環礁の内側では、大日本帝国艦隊が四つに分散し駐留していたが、
1944年2月17日、18日の両日、チューク(旧トラック)諸島の環礁外に停泊した空母から飛び立った米機動部隊戦闘機によってチューク環礁内外に集結していた日本の艦艇や商船などおよそ80隻がつぎつぎと沈められた。

この戦闘で、日本人の犠牲者は15000人にものぼり、其の内の7000人はトラック北方から同島へ向かっていた輸送船団に乗船していた将兵が犠牲になった。

その時の艦船群が環礁内に、現在も、透明度の高い海と、環礁に守られて、原型をとどめて、数多く沈んでいます。
現在、それらの沈没船は海底博物館に指定され、州政府によって厳重に保護・管理されており、
チュークは、世界の沈船ダイビングのメッカとなった。
アメリカの「世界のダイビングスポット・ベスト10」にも選ばれ、今日では世界中から数多くのダイバーがここに集まってきます。
われわれ日本人から見るとなんとも皮肉のように思えるのだが、

見所はというと、資料によると

まず、沈船の最大級のものは全長163mの特殊潜水母艦「平安丸」で16~30mの深さで見ることができ、船首部のマスト先端が折れている以外は、ほぼ原形をとどめている。

また、チューク海底の沈船の中で最も美しい船の一つと言われている、特設給油艦「神国丸」も原形をとどめており、12~35mほどでみることができる。
船首の機関砲やむき出しになった船の支柱部分は、華やかなサンゴやヒドロポリプ、スポンジに覆われ、そこに何千もの魚が渦を巻いている。
また調理室では、今でも食器類や調理器具、大きな調理コンロが当時のままの姿で並んでいる。

さらに、映画「タイタニック」のロケにも使用された航空機運搬船「富士川丸」がチュークの沈船ダイビングを有名にしました。
この船も比較的よく原形をとどめており、一番の見どころは、色とりどりのスポンジやサンゴで覆われた船首に据付けられた銃です。
船首はウミトサカ・ヤギなどのソフトコーラルやイソギンチャクで覆われ、また船室には、水タンク、銃のための弾薬、プロペラ、エンジンカバーなど他の多くの航空機部品が残っている。
操舵室を備えた上部構造、浴室、大広間、調理室およびエンジンルームへは容易にアクセスできるので、気軽にレックダイビングが楽しめるとのこと。

そのほかに、ちょっと深度は深くなるが、ほとんど損害を受けていない「日豊丸」が原形をとどめ静かに沈んでおり、深い深度と相まって、きれいな写真が取れると人気のポイントとなっている。

透明度の高い海の中、原形をとどめた大きな船の内を探索し、当時の状況を窺い知ることが出来る、レックダイビングとあって、期待が大きく膨らみます。

それでは行ってきます。

写真は「富士川丸」エンジンルーム(インターネットより)

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お盆の休みなどを利用して「運命の人」(一)~(四)を一気に読み切りました。

作者は既に84歳という。
が、高齢にもかかわらず、社会の暗部を鋭くえぐる小説の作者という評価はまだまだ健在だ。

1700枚もの大作で、4、5年もかけた精力的で精密な調査に驚かされる。


本書の粗筋は

時は1972年の沖縄の返還の一年前。
毎朝新聞政治部キャップの主人公弓成は行動派で傲慢だが、数々の特ダネをものにした敏腕記者でもあった。

懇意にしている女性事務官から極秘情報が弓成の元へもたらされる。

沖縄返還に際し、米国が復元補償費として支払うべき400万ドルを支払わずに、日本が対価として支払う3億2千万ドルの内に含めるという日米での密約が交わされたという極秘情報だ。

弓成は大スクープのネタを手にしたが、
ネタ元を守るため記事に出来ない。

業を煮やして彼は野党の議員に書類を渡すことにする。
その書類を手に、野党議員が国会で質問をしてから、大きな問題が巻き起こる。

ジャーナリズムが一丸となり、報道の自由、国民の知る権利をかけて体制と闘うなか、
弓成と女性事務官の肉体関係が知られるところとなると、ジャーナリズムも割れ、これまでの核心であった密約に関するマスメディアの疑惑追及は完全に失速。

スキャンダラスな面だけが争点となり、最終的に弓成は最高裁で有罪となり、新聞記者をやめ、家族とも離れ、九州で家業を営む日々を送ることになる・・・・・

この小説は、国家、社会、マスコミが一体となって絡んだ「西山事件」をモデルにしている。

ちょっと気になり調べてみると

Wikipediaには、

西山事件とは「沖縄返還協定を巡って、1972年に毎日新聞政治部記者・西山太吉と外務省の安川壮外務審議官付事務官・蓮見喜久子が逮捕された事件。
沖縄密約事件、外務省機密漏洩事件とも言う。

報道の自由について、いかなる取材方法であっても無制限に認められるかが、裁判上の争点となったが、西山に懲役4月執行猶予1年、蓮見に懲役6月執行猶予1年の有罪が確定した。

30年後、米国外交文書の公開で、当時の外務省・大蔵省高官の偽証と、検察官の証拠隠しが明らかになったとして、国家賠償請求訴訟が提起されたが、民法の除斥期間を適用され、請求は棄却された。」
とある


事件の詳細は、
当初、西山記者が提供した外務省極秘電文のコピーによる国会の追及は大きな反響を呼び、世論は日本政府を強く批判した。

政府は外務省極秘電文コピーが本物であることを認めた上で密約は否定した。

沖縄返還によるノーベル平和賞受賞をもくろむ佐藤首相は、情報源がどこかを内密に調査させ、西山記者と女性事務官の不倫関係を掴むと、「ガーンと一発やってやるか」と一転して強気に出た。

政府の意向に従い、検察官佐藤道夫が書いた起訴状に二人の男女関係を暴露する「ひそかに情を通じ、これを利用して」という言葉が記載されて、状況が一転した。

『週刊新潮』や女性誌、テレビのワイドショーなどが、連日暴露記事を展開し、世論は一転して西山記者と女性事務官を非難する論調一色になった。

裁判においても、報道の妥当性である筈の争点はなく、男女関係の問題、機密資料の入手方法の問題に終始した。

裁判の結果は、西山記者は、最高裁(78.5.30)で有罪が確定する。


だが、その後、日は経ち、次々と新事実が出てくる

2000年5月 琉球大学我部政明教授が機密密指定(25年間)が解かれた密約を裏付ける米公文書を発見。

2002年には 「事件発覚後、日本政府が米国に密約が公にならないよう要求してきた」と記載された1976年6月の米・国家安全保障会議文書が公開された。

2006年2月8日 北海道新聞の取材で、吉野文六 元アメリカ局長が日本側当事者として密約の存在を初めて認めた。

これらの事実を踏まえて、2005年4月 西山氏は国家賠償請求を東京地裁に提訴するが、

一審、二審とも「損害賠償請求の20年の除斥期間を過ぎ、請求の権利がない」として西山氏の訴えを棄却、密約の存在には全く触れなかった。

2008年9月の最高裁にても原告の上告を棄却し、一審・二審の判決が確定しまった。

これらの裁判は、司法は除斥期間というあいまいな制度を持ち出し、本質の判断を避けた。

除斥期間の起算のずらし、進行停止など過去の裁判で採用した事例があるのに、個人の名誉挽回より、国家の対面ばかりを重視している。

何故だか、今日現在まで、歴代の政府高官達は密約はなかったとまだ言い切っている。

2009年3月 岡田克也・民主党副代表は「やりたいのは情報公開。政権交代が成ったら隠しているものを全部出す、政府がどれだけうそを言ってきたかわかる」と発言。

ならばこの際、今度の選挙で民主党に投票して、浄化すべきところは浄化してもらうか??


「運命の人」(一)~(四) 山崎豊子 著 文芸春秋社刊 各1600円

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先週、紅海へダイビングに行き、その写真などの整理を始めようと思いつつ、力が入らず、簡単に読めると思い、コミック風の「会計天国」という本を読みました。

ところがこの本、なかなか含蓄があり、チョロと人情味のある面白い本でした。

個人事業を始め4年程経ちますが、はじめた当初は難しい経営・会計関係の本を購入して勉強しました。が、拾い読みした程度で終わってしまいました。

現在の私の会計処理は、専門のコンピューターソフトで
“○○を購入”、“△△を支払”など、予めソフトの中に用意された類似の事象を選び、日付、金額をインプットすだけです。

後は、PCが適切な勘定科目に分類され、損益計算書、貸借対照表、減価償却表、そして会計報告まで作ってくれため、なんら専門知識は必要なくなっております。

最近は、購入している株の会社から送られてくる会計報告書などもうわべだけ見て、ほとんど理解せず捨ててしまっているのが現状です。

世の中には、会計報告書や経営会議の経営ダーターなど数値の羅列だけを見て、今起きていること、これからどうなるなどを瞬時に読み解く人が多い。

常々、数字の羅列だけを見て、小説を読むがごとく、その数列が持っている意味がイメージできるようになりたいと思っていたが、

この本は「今度こそ最後まで読める会計本」と謳ており、
少しは私の願望をかなえてくれる手がかりがつかめるのではないかと、この言葉に引かれ旅行前に購入していたものである。

本の内容は
妻に先立たれた経営コンサルタントの北条が交通事故で亡くなる。
北条の前に現れたのは、Kと名乗る天使。
一人娘の結婚式を前に死んでも死にきれない北条に天使は現世に生き返る条件を出す。

それはこれから出会う5人の人物の経営問題を解決し、
幸福に導くこと。

5人を幸福に導くことが出来れば、現世に戻り娘の結婚式にも
出席できる。

幸福に出来なければ、天国が約束されていたが、
地獄に落ちてしまう。
見事北条は条件をクリアし、現世に生き返ることができるのか。

という、設定で、よくあるパターンであるが不思議と引きずり込まれてしまう。

アドバイスを与える相手は・・・

  1人目 : 元アイドルの経営者に、貸借対照表の見方を教える
       表参道にも出展している人気ブランド店なのに、
       なぜか月末になると通帳残高が無い

  2人目 : オタク経営者に、損益分岐点分析を教える
       自社ビルを持ち、少し前までは売り上げが立っていた
       のになぜか赤字に転じてしまった

  3人目 : 子会社に出向中の経理担当者に、粉飾を見つける
        方法を教える
        会社としては無駄がないと感じているのに、
        なぜか月末に計算をすると赤字になる

  4人目 : 営業ノルマしか知らない部長に、
        部署別決算書の作成を教える
        2人の有能な部下を持っているが、本当に利益を
        上げている社員を見極めことができない。

  5人目 : ある実業家に、セグメント別決算書の作成を教える
       ベンチャーと言う響に翻弄され、多角経営に乗り
       出し、多角経営の落とし穴にはまってしまった。

これらの事例に対し、難しい説明をするのではなく、平易な言葉で、
損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書の財務三表を駆使して5人が抱える経営問題の原因と次の一手を探って、言葉巧みに助言していきます。

今まで読んだ会計関係の本(そんなに多くはないが)は解説書的なものが多かった。

本書は専門的な解説を極力排除し、小説仕立てで物語を楽しみながら、いつの間にか会計の知識が学べる内容になっている。

わかりにくいポイントは簡便な図表などを使用し、わかりやすく説明してくれているので、専門知識を持たない人でも最後まで読み終えることが出来るのではないかと思う。

また、合間に、娘を思う父親の気持ち、亡き妻への愛情がそこほかにかもし出されており、何か優しい気持ちにさせられる。
とともに、会計への基本的知識が得られるというちょっと変わった読書感である。

会計専門職以外のビジネスに携わっている人ぜひ一読を薦めます。

竹内謙礼、青木寿幸共著 
会計天国」(:PHP研究所:1,300円)
竹内謙礼
ネットショップ運営時代、楽天にてショップ・オブ・ジ・イヤーを2年連続受賞。独立後ドリームゲート・カレッジにて講師をする傍ら、会員制の中小企業向け経営コンサルティング事業を展開中。
青木寿幸
公認会計士・税理士・行政書士、大学在学中に公認会計士に合格し、卒業後、アーサー・アンダーセン会計事務所、モルガン・スタンレー証券会社勤務後独立。会社再生、企業再編、株式公開支援などのコンサルティング事業を展開中。

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