My Fortnight's Dairy

ようこそ私の日記に。ダイビングや旅行を中心に思いついた事柄をつれづれに書き綴ります

2010年07月

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小惑星探査機「はやぶさ」が地球から約3億km離れた小惑星「イトカワ」に着陸して、
6月13深夜、オーストラリヤに実に60億キロに及ぶ7年間の旅を、満身創痍の状態で帰還した。

この「頑張る」姿は多くの人々に感動も与えた、大きな騒ぎにもなった。

しかし、大騒ぎするに充分値する内容なのだ。

太陽系の月以外の天体に着陸し、物質を持ち帰ったのは初めてだ。
小惑星は約46億年前の太陽系誕生の時の状態を今に残す。
世界の科学者がカプセルの中身に注目する。

はやぶさがもたらしたのは、それだけではない。

日本の宇宙開発予算は年間約2千億円。
米航空宇宙局(NASA)の10分の1。
はやぶさの開発は約130億円。

少ない予算の枠内で独創性のある新省力プラズマエンジンや、自力着陸制御など開発し、
随所に知恵を絞って、小さく軽く割安の探査機をつくりあげた。

停滞気味の日本のモノづくりの能力やチームワークが高く評価されたのだ。


さらに、 地球の兄弟星といわれる金星の気候を詳しく調べるための金星探査機「あかつき」が5月打ち上げられた。

金星の直径は地球の95%、重さも82%とほかの太陽系惑星に比べて共通点は多が、その地表は様変わりである。

高度60kmに白く輝く硫酸の雲。
大気は90気圧の濃い二酸化炭素で、温室効果のために460℃という灼熱の世界だ。
特に、金星全体を取り巻く時速360kmの暴風、スーパーローテーションは特異だ。

地球気象学の常識では、偏西風や貿易風といった大規模な風には惑星の自転がかかわっており、自転速度を超える風が広範囲で吹くことは考えにくい。

実際、地球の偏西風の速さは自転速度のせいぜい1割であるのに金星では60倍もの風速だ。
その発生原因は気象学的にも理由がつかず、金星最大の謎とされてきた。

このスーパーローテーションの原因を解析すれば地球の気象予報の精度向上や温暖化解明に大いに貢献できるのだ。

この「あかつき」にも世界に誇れる日本の技術が採用されている。

ひとつは、6月28日、新規に国内で開発された窒化珪素製セラミックスラスタの軌道制御エンジンの噴射を実施し、
世界初の軌道上実証に成功したことである。

もうひとつは「あかつき」と同時に打ち上げられた宇宙ヨット「イカロス」で、宇宙空間で大きな帆の展開に成功させ、
太陽光による加速の実証もし、6月末には太陽光の圧力を使った姿勢制御に世界で初めて成功したことだ。

帆に張り付けた液晶素子をブラインドのように使い、太陽光の反射具合を調整して受ける力を変えることによって実現した。

宇宙空間で14mもの大きな帆を広げて、太陽の光の圧力で加速する宇宙ヨットの構想は100年前からあったが、
各国が実験に失敗する中、日本の技術により、今回成功させた。

この成功により、将来の木星など遠い惑星の探査に利用できる道を作ったものと大いに評価されるものである。

さらにこのイカロスは巨大星の爆発を観測することにも成功している。

太陽の30倍くらいの重さの星が爆発するときに放出するガンマ線を、イカロスに搭載した検出器がとらえたのだ。

巨大星はガンマ線を放出(バースト)しブラックホールをつくりながら大爆発する。

今後、ガンマ線の中の特定成分を観測できれば世界初の成果となり、爆発のメカニズム解明にも役立つという。


このガンマ線のバーストについては最近大きな話題となっている本「宇宙から恐怖がやってくる」を想いおこす。

この本は、宇宙から地球に降りかかる9つの災厄を科学的に解説したものだ。

その9つとは

1.小惑星の衝突 
2.太陽フレア 
3.超新星 
4.ガンマ線バースト 
5.ブラックホール 
6.エイリアン襲来 
7.太陽の死 
8.銀河による破局 
9.宇宙の死だ。

もっとも起こる確率が高いのは小惑星の衝突で、平均寿命あたり70万の1の致死率だ。

これはアメリカ人がテロで死ぬ確率よりも高いという。

7、8、9は100%の確率で起こるのだが、最短でも数十億年先の現象である。

超新星の爆発による放射線の影響で死ぬ確率が1000万分の1、
ガンマ線バーストが原因で死ぬ確率は1400万分の1もあるという。
ブラックホールに遭遇して死ぬ確率は1兆分の1だ。
エイリアンは不明。


ガンマ線バースト(GRB)とはブラックホールの現象だ。
物質はブラックホールにどんどん吸い込まれていくが、そのうちに降着円盤という構造ができあがり、やがてビームを形成する。

太陽の10億倍のさらに10億倍のエネルギーが一気にビームに注ぎ込まれる。

このビームが地球を狙っていたら大変なことになる。
100光年先でこの現象が発生すると、地球は一瞬で跡形もなくなる。

夏の怪談ではないが、純科学的な話で、宇宙に関する出来事を大変面白く、分りやすく説明してくれている。
ぜひ一読ください。


「宇宙から恐怖がやってくる」フィリップ・プレイト著 
   NHK出版・2000円

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参議院選挙で与党が大敗した。

菅首相が主張した消費税問題が敗因だとして、責任論問題をとやかく言う輩がいるという。

民意を反映した結果が己の意に沿わないから、けしからん、責任問題だというのも我々としても不本意だ。

菅首相が消費税の増税を主張したから負けたといった見方は、民主党以上に増税を主張した自民党が票を伸ばしたことと相いれない。

首相就任から1ヶ月の菅氏の責任だけではなく、昨年の政権交代以降に、極小政党によるモラトリアム法、郵政改悪法などの悪乗りを黙視する統治能力欠如を暴露してしまったことと、
政治と金への不信、経済政策、外交政策の稚拙さが批判されたと考えるべきである。


くだらない党内勢力争いを国政に持ち込まないで欲しい。

日本の財政再建と経済成長の促進は急務である。

先日6月27日、カナダ・トロントで開催されたG20サミット(20カ国・地域首脳会議)は「先進国は経済成長に配慮しながらも2013年までに少なくとも財政赤字を半減させる」ことを明記した。

ただし日本については、唯一その目標達成を強制しない、いわば例外(先進国で無い)扱いとされたのだ。

日本政府が6月22日閣議決定した、財政健全化計画では
「プライマリーバランス(国債利払い費現在で10兆円程度を含まず)の赤字比率(対名目GDP比)を半減する」という目標を掲げている。

しかもその達成時期は2015年度だ。

一方、他の先進国は2013年までに、各年のGDPに対する財政赤字の比率の半減を目指している。

初めから戦う土俵が違うのだ。 

それだけ日本の財政状況は他国に比べて悪いこと言うことだ。


先日(7月10日)ある証券会社が主催した投資ゼミナーで講演された榊原 英資氏もこの問題にふれられていたが、
「日本の国債は殆ど国内で消化されており、かつ日本は金融資産が大きく、日本全体で見れば当分は大丈夫」と述べていた。


もう少し、この問題の背景を最近の識者のレポートより調べてみると。


日本は2010年段階で882兆円の借金を抱えている(名目GDP比で180%超え)。

その内訳は、財投債、借入金、政府短期証券、そしてなにより一番大きいのが594兆円の発行残高がある国債である。

では、この国債は誰が買っているかというと、2009年12月末現在の国債所有者のうち「海外投資家」の占める割合は5.2%に過ぎない。

言い換えれば日本国債の94.8%が国内(銀行、生保損保で60%以上)で消化されている。

しかも、日本国内の金融資産は1500兆円近くに達し、現時点では国の借金(国と地方の中長期債務の総額)を上回っている。

つまりは、短期的には日本国債の安定的消化が期待できるわけだ。


しかし、中長期的リスクとして、日本の財政赤字リスクによる長期金利の引き上げ懸念や日本の高齢化が挙げられる。


長期金利引き上げは国債利払い費用を増加させ、財政の更なる悪化をもたらす。

日本の財政が悪化により、国債価格が下落すれば、金融機関の資産が劣化し、その財務内容も悪化する。

そうなれば個人金融資産が海外に逃避することにもなり、
金融機関が従来のように国債を買い支えられなくなり、さらなる財政悪化は避けらない。


一方高齢化については、日本の資産の大半は高齢者が所有しており、高齢化が進むにつれて、貯蓄の取り崩しが進み、貯蓄率の低下更に促進される。

個人金融資産が減少すれば融機関の国債購入原資も減少するから、政府にとって国債のファイナンス(売却、消化)がいっそう難しくなることになる。

さらに高齢化の進展は、社会保障費の支出の増大をもたらす。

医療費や年金の負担増でこのままでは年間約1兆円ずつ財政が拡大せざるを得ないと考えられている。


事態はかなり緊迫しているようだ。
待ったなしの対応が求められている。


それでは今問題とした消費税と財政改善との関連は

政府債務残高の増加を止めるには、内閣府が名目経済成長率を1%台後半と仮定した「慎重シナリオ」では、2020年度にはなお21兆7000億円の赤字が残り、
それを埋め合わせるには消費税率にして8~9%分の財源が必要になるとしている。

消費税率を10%に引き上げたとしても、残りの3~4%分、約7.5兆~10兆円分は社会保障などの歳出カットで賄わざるを得ないという計算だ。

現実的な成長率ゼロ%とすると、政府債務残高の増加を止めるには消費税率は30%程度まで引き上げる必要があるという。

重要なのは「成長率」である。

だが、高齢化、人口減少の下でプラスの成長率を持続的に維持することは並大抵のことでは達成出来る物ではないという。


ここまでにしてしまったのは、代々為政者が問題点を先送りして、
景気浮上にかこつけて、無駄な公共施設作りまくった結果だ。


菅さん、岩手や郵政のおじさんをけちらし、怯むことなく果敢に初志貫徹してこの局面を打開してください。


国民は皆期待しています。

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先日、7月4日に10日間のタイ・タオ島ダイビングツアーより無事帰りました。

4月に同じくタオ島のダイビングを計画したが、空港へ向かう段階で引き返す必要が出来、計画を中断したが、今回はそのリベンジだ。

今回は途中で引き返すようなハプニングは無かったが、タオ島のダイビング自体は期待が大きくなった分それだけ幻滅度が大きかった。


まず、透明度が悪すぎる。封鎖されたタイ湾の地形から見てもあまり透明度は期待できないと思っていたが、
現実は1m先も見えない最悪なコンディションの時もあった。

私が行く前は、天気は大荒れの日が続き、ダイビングの船が出せないときもあって、これでも良くなった方と慰められた。

インストラクターによると漁船が底引きをした後、海流によってはこのような濁りが続くことがあるという。

それにしても、南国のダイビングのイメージは青い空、白い砂浜、そして澄み切ったマリーンブルーの海が定番であるのに、本当に残念だ。


更に言うと、ここタオ島のダイビングのシステムは、
小型船にビーチから乗り、少し沖合いに停泊している大型船に乗り換えてポイント行く。

この大型船には4,50人ほどの人が乗る。

ダイバーには初心者、経験者、若者、年寄、マクロ派、大物派など千差万別だ。
このような多岐にわたるダイバーが同時に潜れるポイントとなるとどうしても限定されてしまう。

今回合計19本のダイビングをしたが殆どがダブったポイントで、もっとも多いところで4本も同じところに潜っている。

勿論4,5人のグループにインストラクターが付くのだが、時には3人にインストラクター2人という贅沢なときもあり、
ガイド的には至り尽くせりなのだが、いかんせん同じポイントが続くと興味半減する。

小型船であれば少人数で希望のポイントへ行く自由度が増すのだが・・・。


だが、ここのダイビングは魚影の濃さは半端ではない。360度ギッシリとした魚の群れに取り囲まれることも幾度か。

又、マクロの世界でも固体は大きく数も多く、外敵をあまり恐れず、じっくり写真も撮れる。


ここの海は透明度が悪いが故に豊穣の海となっているのだ。


更に、ここは本当に国際色豊かだ。

日本人向けにも集客している今回のショップでも大型船に乗っているダイバーは殆どが西洋人で日本人は多いときで6人程度だ。

船上で談話しているときは本当に賑やかだ。
勿論日本語に、英語そしてドイツ語、フランス語などが聞こえてくる。
勿論どこの国かわからない言葉も多い。

インストラクターに聞くと最近、北欧、ロシアなどから来る人が多くなっているとのこと。


ダイビングでは色々な人に会うことが出来る。

今回も色々な人と出会うことが出来た。

フランスから来た若い夫婦はオープンウオター取得のため3日間のダイビングに参加したのだが、
「ダイビングは本当に素晴らしい、何故もっと早くからやらなかったのか」と目を輝かせてまくし立てていた。


又、北海道から来た70歳を超える人は、ダイビング経験40年以上で草分け的な存在だが、
元気で、一人大きなフィルム式カメラで黙々とじっくり被写体を追いかけている。


又沖縄出身の中年の女性は、都合で十数年勤めた仕事をやめ、その退職金で世界のダイビングポイントを巡っているという。

昨年5月タイを皮切りに、エジプト、南ア、メキシコ、ガラパゴスなど周り再びタイに戻ってきたという。
これから更にアジアのポイントを周り、日本には8月ごろ帰る予定という。

女性一人のスケジュールの無い旅に駆り立てるものはやはりダイビングがなせる業なのか。


お世話になったショップにはダイブマスター(インストラクターへの最終資格)研修生が6名ほど居り、
約二ヶ月半の間、インストラクターの補助をしながら、150本ほど潜り込んで資格を取得するという。

皆、二十歳前後の若い人で、アルバイトで費用を貯め、学校を休学してここに来ている。
先輩のインストラクターの厳しい指導にも元気に溌剌と答えていた。

ここには最近の「目標を持たない若者達」などはいない。
好きなダイビングで頂上を極めたいという若者達が集まってきている。


本当に色々なダイバーがいる。


ダイビングは何故こうも人を惹きつけ魅了するのだろうか。

スポーツの、人と能力、技能を競うでもなく、記録を向上するでもない。
団体競技の一体感の高揚を得るものでもない。

年齢や性別に問わず、幅広い範囲でダイビングは多くの人から愛され親しまれているダイビングには、

スポーツ、自然、旅行、出会いなど魅力が全て含まれているからであろう。


これからも体力は衰えていくであろうが、人、自然との出会いを求めて、世界各地のダイビングポイントを訪れて行こうと思う。


写真は South West Pinnacleでのキンセンフエダイの群れ

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